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プロローグ(前置き)
昔のことである。
ある一人の勇者が世界を滅ぼそうとした魔王を倒した。
倒した際に、魔王が残した捨て台詞がある。
『ワシの跡継ぎが世界を滅ぼすのをあの世で楽しみに見ておいてやる。それまで、仮初めの平和を楽しむがいい』
勇者の仲間たちはその言葉に驚きつつも、対策を考えなかったわけではない。いや、やれることは一つしかなかった。
それは自分たちの子供を立派に育て、魔王の跡継ぎになる者を倒し、世界を平和に導けるだけの力をつけさせること。
勇者のパーティは、自分たちがこれから過ごす平穏をも犠牲にして子供を育てた。
その誓いから二百年という長い月日が経ち、勇者の子孫である少年少女の物語が今、始まる。