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傀儡の森  作者: 有沢楓花
第四章 票
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4-1

 那賀川紫は、人の気配に目を覚ました。

 反応する間もなく、後頭部から床に押しつけられる。異常なまでの力に声が上げられない。

 明らかに男の掌だったが、普段なら背後から人が忍び寄ることも、そのまま襲うことも、押しつけられたままになるのも許すはずがなかった。

 相手の裾を掴もうとした左手の指先が柔らかい皮膚に触れて、そのまま滑った。滑った何かが床に飛ぶ。

 もう一度振り上げようとして、もう一方の手も押しつけられてしまう。

 右肘を立てるようにして手首を回す。

 息を呑む気配がして、男の右手が右手首を掴む。息の固まりを吐き出すと空気を吸い込み、頭を勢いよく上げる。両手を掴むことで低くなった暴漢の頭は直ぐそこにあった。

 当てずっぽうで目と目の間目がけて頭頂を押し込む。

 鈍く不愉快な音を紫は聞いて、しかし、腕を掴む相手の力は全く緩まない。

 浮いた腹に拳が襲いかかる。拳が鳩尾にはまると、紫の体から力が抜け、ぐったりと床に寝そべった。

 暴漢は灯りを吹き消し紫の躯を抱き上げると、庭に出て、そのまま宵闇に紛れていった。


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