プロローグ
ああ...どうしてこんなことになったのか...いつもどおりならもう家について『無限世界』をプレイしてる時間なのになんでこんなところにいるのか...
「マジ意味不明なんだが」
「それはね~僕も思ってるよ~」
友人とそんなことを話しながらも状況確認
上を見ると白、下を見ると白、左を見ると白、右を見ると白、前を見るとオッサン。
...上を見ると白、下を見ると白、左を見ると白、右を見ると白、前を見るとオッサン。
......上を見ると「そろそろいいか?」
三回目の状況確認をしようとしたところでオッサンにとめられた
「やっと話せるな、まぁ俺からいきなり説明してもテンパるだろうから何か質問はあるか?」
その言葉に対して友人が
「んじゃあ3つほど...まず1つ目は『アンタは誰だ?』2つ目は『ここは明らかに地球じゃない。俺たちをどうやってここにつれてきた?』」
まぁ無難なところだよね。
「1つ目の質問の答えは『神』ついでにいうと世界干渉力は一番強い。2つ目の答えは『ここは生と死の境目であり、お前たちは死んだ』さぁ後1つは?」
神(自称)から自分たちが『死んだ』と聞いた途端に死んだときの記憶を鮮明に思い出す
「あ~僕は思い出したよ~優は~?」
僕がそう問いかけるとボーッっとしていた友人こと『優』がハッとなり
「あ、ああ俺も思い出した」
やっぱり自分が死んだというのはショックだったみたいだなぁ
「おい刹、どうするんだよ3つ目」
「どうしようか・・・まぁここも無難でいいんじゃないかなぁ~」
「例えば?」
「優が決めていいよ~」
ぶっちゃけると僕はめんどくさがり屋だ。それはどんな状況でも変わりない。
あるとするならばそれは緊急性のある場合のみ
「あいよ。なら3つ目だ『俺たちはこれからどうなる』
「ふむ。それは今から話そうと思っていたから3つ目は残しておけ。
お前たちがどうなるか...それはまだ決めていない...だがそれはお前等の要望をできるだけ聞こうと思う。
こうなった原因は俺にあるからな」
「と、いうと?」
「お前ら、事故で一緒に乗っていた家族が死んだだろう?本当ならば優耶、おぬしの父親が死ぬだけで終わった。だが運命が変わってしまったのだ。」
「そんな簡単に~運命変わっちゃっていいの~?」
「物語の世界でもないのに雁字搦めな運命なんぞありえない。人が強い意思で動けば簡単に変わってしまう」
「...どんな意思が働いてそうなったんだ?」
それは僕も聞きたかった。なぜ僕たちにとって最悪な結果になってしまったのか。
「運転していたお前の父親が『みんなを助けたい』と思いがんばったからだろう。その結果右に大きくそれたお前の乗った車はトラックと衝突しお前たち二人が生き残った。」
「まぁ~人間らしいといったら人間らしいのかな~」
「まぁ、今更死んだのをどうのこうのいうつもりもないけどな」
僕たちのこのセリフは以外だったのか神も驚愕している
「それで~僕たちの要望を聞いてくれるって~いったけど~そんな簡単に運命が変えられるなら別に僕たちが連れてこられる理由がわからないよ~」
「神の規則によって『異世界又は神の干渉によって死亡した者がいる場合できる限り望みを叶えること』とあるのだよ。」
「ってことは俺たちが死んだ理由は異世界が関係してるのか?」
「お前たちを殺す原因となったトラックの運転手が神の娯楽のために殺された。」
「それでか」
まぁそれだったら僕たちの望むことはひとつしかないよね?
そんな視線を優に送っていると『もちろんだ』と目で言ってきた。そして視線を目の前の神に移し神にいう
「まぁ事情はわかったよ。望むことはただひとつ俺たちを『無限世界』に...いやできるなら『限りなく似た世界』への転生もちろん『キャラ性能』『武器』『スキル』『インベントリ』『倉庫』の引継ぎを求める」
『無限世界』アホみたいな自由度を持つゲームであり、2022年にオープンしたMMORPG時代からあるゲームである。
まぁMMORPG時代は『糞ゲー』『いくら時間があっても足りない』などいわれていたが、それでも異常な自由を求めてそのゲームをやる人は絶えなかった。
そして2032年には『ポッド』と呼ばれるものが製品化されVRMMOの時代が到来。
それでも「時間が足りない」という欠点があったのだが
2035年に『無限世界』の親会社が『アクセル』を開発に成功。仕組みはわからないが『加速状態』になり、ゲーム内の1日がリアルの30分になるという明らかなオーバーテクノロジーなものだった。しかも量産も成功した。それでも値段は200万越えという値段だったが。(僕と優は遺産で買った)
だがこれにより『無限世界』は一気に世界中から1億人越えのユーザーを獲得。
『無限世界』もVRMMOになったことでさらにパワーアップした
数千種のモンスターがいたり一定の範囲の威力ならスキルを自由に作れたり、自作の武器が作れたり、職業がありすぎて迷ったり、馬鹿みたいな広大なマップが広がってたり、ある一部の宿泊施設では性行為システムまで搭載されていたり、定期的にアップデート、イベントがあり、バグも少ない。
さすがに課金で月額3000円と少々高めだが月額以外に課金はないので『ほとんどのゲームは課金ゲーw』とかいってた人も大喜びだった。
そして『Lvと転生』が一番の醍醐味といってもいい。Lv上限500、転生3回までという『運営が狂気に呑まれた』とまで言われたこのアホみたいな設定。
そんなゲームのなかでカンストしたトップランカーであるキャラに『せつなん』と『クロノス』というキャラがいる。
『せつなん』は初期種族は人族で職業は『武器達人』
武器達人は器用貧乏といわれているが『せつなん』は基本といわれいる武器を名人級まで、そして『糸・弦』を神級まで上げた人物であり、全職共通スキルの『鍛冶』も神級であったりする。
『黒雪』は初期種族は獣族の狼族で職業は『狂戦士』
狂戦士は基本一撃必殺なのだが『黒雪』は凄まじい速度で剣を振り、しかもそれが通常の2~3倍の威力があるのだからふざけている。全職共通スキルの『装飾・付与』は神級である。
......もうわかっているだろうがこれは僕と優耶である。
「まぁそういうと思っていたよ。だからもう準備もしてある。世界観はそこまで変わらないな。だが原作ではないので『無限世界』ではないと思っておけ。わかったならそこの扉をくぐれ」
「わかってるよ~」
「はいはい」
僕たちはそんなことを言いながら扉をあけた