第六話
もぞ…もぞもぞ
まぶひい…
くぁ~っ、ふはぁ。
朝…か…むう…。ん゛~~、っと!
体を伸ばして軽くストレッチする。
うむ、体調もバッチリ!こんなゴツゴツした寝床で一晩すごしたのに体はピンピンしております。
さて、昨日の続きでも考えるか。えーと、昨日は…あぁそう、違和感だ。何に違和感を感じたんだっけ?…自分の姿だ。何故だ?
………そうだ、どこかで見たことがあるような気がする。似ている誰かを知っているような…。
何故知っている?思い出せ!
何処で見た?何でもいい、片っ端から記憶をほじくり返す………
ん?
あれ、違和感が増えた。
なぜに?
………どこに引っ掛かった?…そうだ、私グロいの苦手じゃん!おばけとか怖いじゃん!私が生死の駆け引きなんて出来る様なタマか?NO!断じてNOでござる!何でだ!?何で何も感じなかった!
あんなにグロかったのに、あんなにたくさん殺したのに。…いや、奴らは元から死んでたっぽいけども。
明らかに腐敗しておりました、体臭も酷かったでござる。
………やっぱりこの体になったから?体が悪魔だから精神もそれに引っ張られて命のやり取りに抵抗なくなった、とか?いつか私の脆弱な精神は淘汰されちゃうの?自分でも気付かない内に?
なにそれこわい。
…でも他人の命を奪う事を躊躇ったら、生きてはいけない気がする。この世界では。
うん!命を奪う時は躊躇しないけど、その他は、私らしく、人間の心を忘れずにいたい。今の私を忘れたくない、けど。
きっとどんな時も私は私だ!
いや、まてよ、逆に考えるんだ!
悪魔になる
↓
精神も多少引っ張られる
↓
命を奪う事に躊躇しない
↓
現に犬モドキの時はなんともなかった
↓
全体的に私の精神強靭になっとる
↓
チキンが直るやもしれん!←今ここ
まぁ一つは解決したな…うん、ポジティブに考えよう。
後は…、もう一つの違和感…。
うん、もうこれしかない。この体の名前はジル。私がハマッていたネットゲーム。
その中でも特に心血注いで作り上げた、魔族の女性だ。