第四十二話
正気度か…一番気になるけど何と無く一番避けたい感じがプンプンするな。
…うん、とりあえず他のやつから確かめて行こうね。
えっと、まずは特殊能力から、特殊スキルと特殊能力の違いがイマイチわからんが、とにかくオープン!
《特殊能力》
念力:LEVEL3
解析:LEVEL1
変体:LEVEL4
魅了:LEVEL4(+3)=7
【特殊装備:愛の首飾りにより魅了3UP】
えっと…魅了って何?
ワザワザ能力欄に表示する程の事なんですかね?
しかも何か+3されてるし…。
愛の首飾りって何、アイの事?
確かにネックレスあげたけど…誰かにプレゼント贈ったら魅了上がるのかな?いやいや、でも贈る度にそんなポンポン上がってたら魅了だけ飛び抜けて上がっちゃいそうだし…バランス考えたらそれはオカシイよね。
愛の首飾りか…うーん…アイのネックレス外してみたらプラスされたポイント分は減るのかな?
…ちょっと試してみよう。
アイの細い首に手を掛け、起こさないようにゆっくりとネックレスを抜き取る。
………。
うん、別に変わらんね。
アイから首飾り取り上げてもプラスされた分の魅了は減らなかった。
はて?
アイじゃないとするならば、私か?
アイは律儀な性格してるから、何かしたらちゃんとお返しをしてくれる。もしかしたら私が気が付かなかっただけでアイはちゃんとお返しをくれていたのかもしれない。
慌てて首元に手をやり首飾りらしき物がかかっていないか確認する。
しかし手に引っ掛かるような物は特に何も…およ?
首飾りって言うから、てっきりタランとぶら下がっているのかと思っていた。
鎖骨やらそこより下の辺りをペタペタ触っていたが、どうやら違ったらしい。
アイたん、何を考えたのか知らないけどこれはナイんじゃないかな?
これはネックレスですか?
いいえ。
これは首飾りですか?
いいえ。
これは首輪ですか?
………。
首輪ですか?
…。
アイ、君は一体何を考えてこの形に?
………取り敢えずさっき初めて知った解析とやらを掛けてみる。
《愛の首飾り》
【効果】
・魅了3UP
・GPS機能搭載
【フォルム】
・首輪
・美しい色。白銀に少し水色を足したような輝きを放つ
・真ん中に少し大きめの純白の鱗が一枚ぶら下がっている。
【素材・材料】
・アイ(人魚)の髪
・アイ(人魚)の涙
・アイ(人魚)の鱗
・アイ(人魚)の愛
・『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
・『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
成る程…しかしこれは首飾りとは言えないのでは?
てゆうかフォルムのとこに思いっきり首輪って出とるがな。
アイはどうゆうつもりでこの形状にしたんだろ…まぁ形はどうあれ気持ちは嬉しいし有り難く受けとっておくけど。
ふむ、LEVEL上げたら見えるようになんのね、確かにまだLEVEL1だものねぇ。
まぁ大体分かったしいっか、取り敢えず解析終了っ…と。
いや待て、物だけじゃなくて…これ生き物にも掛けられないかな?
モノは試し!
べべ別にアイのあんな事やこんな事が知りたかったわ訳ではななないんだからねっ!
ととにかくっ、解析、オン!
名前:アイ(愛)
LEVEL:『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
スキル:『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
能力:『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
性格:じゅんすい、しょうじきもの。こうきしんおうせい。いちず。
『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
『LEVELが足りません、閲覧出来ません』
魅力:まだこども、とってもかわいい。
賢さ:がんばりましょう
好きなもの:じる
嫌いなもの:じゃまするやつ
懐き度:でれでれ《対象者・ジル》
いやんなにこのかわいいいきもの。
胸がキュンキュn、いや、ギュンギュンする。
私本気でキュン死してしまうじゃなかろうか。
でも見れないところも結構あるなぁ~。まぁLEVEL上げてけば追い追いわかるようになるよね?
アイに対する思いがグッと深まったのを感じつつ解析を終了させる。
魅了はよくわからんから放置、解析はかなり有用な事がわかった。
変体は多分文字通りの意味で、人魚形態なったりなんだりしてたからLEVELもそこそこ上がったのだろう。
念力もある程度活用してたからそのくらいのLEVELって事で。
でもこの世界に来たくらいの最初の頃、表示されてるの見落とし無いようにしっかり目を通してたけどLEVEL横の矢印なんて無かったと思うんだけどなぁ…。
やっぱり気付かなかっただけかな?
それとも、自力でそーゆー技を覚えるまで表示されないとかかな?じゃぁ新しいの何か覚えたらその都度表示されるものは増えていくって事?
………ふむ。
まぁこっちは取り敢えず置いとこう。
まだ確かめなきゃいけない事残ってるし。
よし、次はオーラだね。
ポチっとな。
《オーラ》
覇気:LEVEL1(+5)=6
状態:垂れ流し
【闇のクリスタルの破片を取り込んでいます・覇気+5】
治癒:LEVEL4
状態:垂れ流し
無駄オーラ
余りのオーラスロットです・新しく開設しますか?《はい・いいえ》
状態:垂れ流し
(捕食者・アイ)
覇気…はまぁわかる、名前の通り覇気でしょ?闇の破片………ってあの森で見つけたやつか!?
いつの間にそんな事に!
くは~、まぁ害は無いっぽいからいいけども、でも闇のクリスタルって何よ。
…考えてもわからんので放置。
えっと、次は治癒か。
治癒は怪我早く治ったりとかそんなんだよね?
んでアイが食べてんのは最後の無駄オーラか。
これどうすればいいんだろう。下手にシャットダウンしてしまったらアイのご飯無くなっちゃうし…。
ふむぅ、覇気と治癒の垂れ流しを何とか改良して、コントロールに慣れたら無駄オーラの調整に取り掛かろうかね。
最初は覇気から…。
んで次は治癒っと…。
よしオッケ、何とかなったな。
最後は無駄オーラを…。
よし…っと!まぁこんなもんでしょ!
覇気:LEVEL1(+6)=7
状態:常時発動・但しアイを除く。
治癒:LEVEL4
対象者:ジル・アイ
怪我の際自動で回復。
【新たに開設しました。】
アイの幸せご飯:LEVEL1
対象者・アイ
アイだけが取り込む事が出来る。
効果:LEVELが上がる毎にオーラは強化される。摂取する事でより強靭な肉体を得られるようになる。
何か最後のが妙な名前になったけどまぁ事実その通りな訳で。
アイ専用にしただけで勝手に名前が付いたんだけどどうなっとるんだ。
まぁいいや。
まだ最後の確認作業が残ってるし、さっさと先に進もう。
うむ、気合いを入れて!
正気度、オープンでございます!
《正気度》
現在正気度30
現在最大正気度:30
正常です
【正気度最大値はLEVELが上がる毎にランダムで上昇します・LEVEL300からスタートです】
正気度:25を下回ると理性が70%削られ正常な判断がしにくくなります【狂暴性30%UP・攻撃力15%UP】
正気度:15を下回ると正確な判断が出来なくなります【狂暴性60%UP・攻撃力30%UP】
正気度:10を下回ると狂乱状態になります【狂暴性90%・攻撃力50%UP】
正気度:5を下回ると危険です。
しょしょしょうきど、正気恐えぇえーーー!!!!!
何が恐いって正気度5のなんてもう、ただ危険ですとしか書いてないのが余計恐い。
いい一体なな何が起こると言うのゴクリ。
って言うか最大正気度少なっ!
最大30とか少なっ!
私ヤバくない?
これすぐ狂暴化しちゃうんじゃない?
ヤバくない?
私アイ傷付けちゃうんじゃない?
………イカン。
な ん と か せ ね ば !
何とか正気度上げねば安心出来ん!
幸後もうちょっとで300だ、後もうちょっと頑張ってくれ、頼りにしてるぞ!理性!
気を引き締めて正気度降下条件に目を通していく。
降下条件
・アイにキス【正気度1Down】
・アイと~
・アイを~
・アイが~
・アイから~
・敵を倒す【理性0.1Down】
アカン、アイばっかしや…。
アイに何かする度、もしくはアイが私に何かする度に正気度が削られてゆく…っく!直接正気度Downするのは一番上のやつくらいだからまだマシか…。
理性10=正気度1となっている様子。
敵を倒すが唯一マトモな降下条件っぽい、他が殆どアイのだからマトモなのが一個あると逆に場違いな感じがしてくるから不思議ね。
アイ…恐ろしい子…。
恐いは恐いけど、でも今までだって大丈夫だったんだからきっと大丈夫だ!
そそそれにきききキッスなんてい一回しかした事無いし!
きっとこの先する事だってないだろう。
非情に残念だが…。
気を取り直して正気度上昇条件に意識を向ける。
・アイの~
・アイが~
・アイ~
・ア~
デスヨネー。
私の中にはアイしかないんかい。
我ながら呆れるぜ。
しかし笑顔なんか時と場合によって上がったり下がったりじゃないか、どないせーっちゅうねん。
まぁ後もうちょっと頑張ればLEVELも上がるし今までも大丈夫だったんだからそれまで何とか持つでそう。
LEVEL横の矢印はもう付いたり消えたりしなくなった。一度でもクリックすれば正常に作動するようになるみたいね。
特異スキルと特殊能力の違いも何と無~くわかったし。
スキルはあれだね。
どんなスキルか知らなくても表示されてるのをクリックすれば使えるようになるみたいだし。特殊能力は自分で色々チャレンジして開発しなければ覚えないし表示されない。念力が特殊能力の方に表示されてたのがいい証拠だ。
でも覇気とオーラは知らんかったな…オーラは…怪我早く直れ~みたいに無意識に使ってたのかな?
覇気はなんだろか。
魔物無双した時にでも本能全開しちゃって覚えたか?
スキルはLEVEL上がれば勝手に覚えるっぽいよね。
あの破片の時にはもうスキル覚えてたし。???状態だったけどクリックしたらちゃんと習得できたし。
今考えなくちゃいけない事はもうこれで全部かな?
んよし、まぁ一段落ついたしアイを起こしてそろそろ歩き出そうかね!
早くこの砂漠抜けたいし悪魔の集落やら都市やら文化やら見てみたい!
その時はアイをしっかりガードしてなきゃね。
無意識に首輪を撫でていた手を止めふと考える。
そう言や全く気付かなかったけどコレいつつけてくれたんだろう。
いつの間にか装着されていたアイのプレゼントは、私の首に全く違和感を与える事なく静かに鎮座している。
どうやって作ったのかしら…着いてるのに着いてないみたい。
凄いな。
感心しつつアイの寝顔を覗き込むと何かを食べているようにモグモグしていた。夢の中で何食べてんのかな?
余りの可愛さについ頬擦りしてしまう。
アイは流石に目が覚めてしまったらしく、しょぼしょぼと瞬きを繰り返しながら私を見上げてくる。
はうっ!無駄に理性を下げるような事はしないって誓ったばかりなのにっ。
私のバカァ~!