第三十ニ話
なんか最近甘いのばっかりです…早く先に進みたいなぁ。
少し落ちついたアイと仲良くご飯を食べる。
アイはちょっと目玉が飛び出た奇妙な形の魚(しかも蛍光ピンク色)を好んで食べている。
怪しさ満載な魚だが、アイが熱心に勧めるので恐る恐る一口貰って食べてみる。
…モグモグ。
…馬鹿な!普通に美味い…だと…!?
なんか脂身がめっちゃ多い牛肉っぽい味がします。ウマー。
ちなみに私が食べてるのは普通の魚で普通の味、まぁ刺身だね、うん。醤油欲しいなぁ~。
そんなこんなでキャッキャウフフ(私的に)しながらご飯も食べ終わり、眠くなったらしいアイは私の膝の上で御就寝中です。
鱗だらけの下半身じゃ逆に寝にくそうな気もするけど、意外と気持ち良かったりするのかね?
アイの顔を覗き込み、穏やかな寝顔で熟睡しているのを確認し、髪の中に隠してあったネックレスを取り出す。
いや~、やっぱり面と向かって渡すのはちょっと恥ずかしいって言うか、何て言うか、ごにょごにょ。
自分で自分に言い訳してごにょごにょやってる内に体はアイにネックレスを装着するのをしっかり完了させていた。
うん、なんて言うか…スゲー目立つわ…。私黒でアイが白でしょ?なんか…アイを汚してる感じがして申し訳なさと奇妙な征服感を感じる。
…いや、征服感っておい!わわわた私ななんてことをををを!はは破廉恥だわ!
一人興奮状態の私はアイを膝の上からそっと退かせ落ち着きを取り戻す為にうろうろとあっちこっちさ迷い頭と体の熱を冷ましてゆく。
そうしている内にいつの間にか人魚の集落の方まで来てしまっていたらしい、ドーム状の家が建ち並んでいるのが見える。
…家か…。
そう言えばアイは家無いんだよな…。
うん、いつまでも家無子じゃ可哀相だ、可愛いアイに相応しい可愛いお家をプレゼントしよう!
でもどうやって出来てるんだろうこの家…。
触ってみたり近くでよくよく観察してみたり、色々試したけど結局よくわからなかった。水の中で固めるってどうやんのさ?どうしてこの形を保っていられる?
むむむ…。
アイの涙みたいに粘りのあるものとか使ってたのかな?アイの涙はアイから離れると途中で硬くなり水晶のように透き通った結晶に変わっていた。
そんな感じの性質の何かを使って建ててたのかも。
でも私そんなもの知らないし持ってない、どうしよっかなぁ…。
いっそ作るか?
私の体液でなんとかならないかな?
この体って結構何でもありだしなんか行けそうな気がする。
うーむ、接着剤は決まったけど家の材料はどうしようかなぁ。
集落の人魚達と同じ砂で作るのは何か嫌だし…。
うろうろと行ったり来たりしながら考えを纏めていく。
うん、まぁ大体案は纏まったかな?
結構時間も経った気がするしそろそろアイの元に戻ろう。
アイはまだ眠っていた。良かった、目が覚めて私がいなかったらきっと不安になる。私もアイの隣に横になり体を休ませる。しかし頭は働かせ続け、家作りの計画をより細かく練り上げていく。
目を閉じたままあーでもないこーでもないと頭を悩ませていると、ふと、しっぽが巻き取られるような感覚を覚える。
アイ、目が覚めたのかな?
脇腹や首筋、胸、鱗が生えはじめる腰骨より少し下くらいの場所、素肌と鱗の生え際の辺り等をアイがペタペタ触ったり撫でたりしている。
可愛い悪戯っ子さんに胸キュンが止まらないでござる。急に起き上がってビックリさせてやろうか。それとも私が大人の悪戯をしt
変態親父のような考えに自分で凹んだりなんだかんだしてる内に、アイは巻き取っていた私のしっぽを更に強く締めつけ、首筋や鎖骨を甘噛みしたり舐めたりと悪戯行為をエスカレートさせはじめていた。
わんこが《構って御主人様~》と言っているようで何ともかわゆい。
私の手を取って自分の頭を撫でさせたり、体に触らせたりとアイの可愛い悪戯は続いてゆく。
時折私の顔を覗き込み、眠っているか確認した後また悪戯を再開させる。
時々なにやら声を上げたり、体を強く押し付けてきたりと、アイは私の体で楽しそうに遊んでいるらしかった。アイが楽しいと私も嬉しい、私の体で遊ぶアイを体で感じながら家作りをいつ実行に移すか考えをめぐらせていく。
アイをビックリさせたい、でも二人で作った方がいい思い出になるかも、どうしよっかな…。考えは尽きない。
現実に意識を戻すと、アイはなんだかぐったりとしていて、私に覆いかぶさったまま動く気配がない。
成る程、遊び疲れてちょっと休憩ってとこか。可愛い奴めっ。
わざと寝返りを打ち、アイを優しく横に落としてやる。
横向きになった私の体、その腕の中に躊躇いがちに、怖ず怖ずと潜り込んでくる可愛い生き物。
その可愛い仕草が今夜はもう家の事は後回しにしようと決意させる。
まず家だ、それが完成したら次はアイに水の使い方を教えてあげよう、朝は狩りに行って、帰って来たらアイの訓練だ。
とりあえずの目標は決まったし、今日はもう一緒にゴロゴロしよう、と腕の中の体温を感じるのに集中し、白の少女を抱きしめ幸せを噛み締めた。