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小心者な悪魔  作者: はるさめ
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第二十二話

ある程度上昇したところで森を見渡してみる。…木の葉も元気な色のものは少ない。一枚も葉っぱのついてない丸裸の木もある。

魔物は倒して暫くすれば自然と消えてゆく。この辺はゲームの時と同じだ。だがこの世界の魔物は障気のようなものを出している。一匹一匹が放つ障気は僅かだが、この森の魔物の規模くらいになると相当な量になるだろう。

本体を叩けば障気も霧散して消えていくがこの森はもう死にかけている。今日一日で大分狩ったがハズだがまだまだ予断を許さない状態だ。

暫くは狩りに専念しよう。


決意も新たに探索を開始する。

更に上空まで飛翔し水辺を探してみる。

ん?あそこだけやけに緑が多いな、なんであの辺だけ?少し遠いが行ってみよう、水分の補充はもう後回しでいい。

私の事情なんてもう二の次だ。あそこだけ元気なのにはきっとなにか理由があるはず。


うん、全部使いきってしまったらもう潔くいつもの姿に戻ろう。もちろん水の弾丸はなるべく使わないようにして節約はするつもりだが。



スピードを上げ近づいて行く。

あれは…!


生命力溢れる緑のほぼ中心に、その泉はあった。

やった!これで補充ができる!


私の目的はもう周囲の地形の把握などではない。大規模な魔物狩りだ。今度は戦闘用に多めに持って行かなくちゃ。


まずここを調べてみよう、この泉を中心に緑は広がっている。何かあるに違いない。幸にもこの体は水中特化型だ。泉の底まで入念に調べてやる。


スピードを緩め水面に近づいていく。

小さな水音を立て静かに着水した。


そのまま身をくねらせ水中に潜り、中の様子を探る。

…うん、特に中から敵意は感じない。

でも…、でもなにか不思議な気配がする。


何だろう?

油断なく身構えながら、気配の元まで泳いで行こうと尾を振ろうとした瞬間。

気配の主が猛スピードでこちらに迫って来るのを感じた。


うぇえ!?はっ、速っつ!やばいちょ、ななに?はやすぎるよ!?なんかこわいんですけどーー!?

なんかしらんが一旦空中に逃げる事にしよう!


必死で泳ぎ少しずつ浮上していく。

だが気配は信じられない速度で向かってきている。

はえぇえー!!やややばばい、このままじゃ接触は避けられない!

覚悟を決めて迎え撃つ準備をする。


そそそうだ、ささっきは不意を突かれて動揺してしまったが私は結構強いのだ!め滅多な事ではやられはしないはずなのだ!だから大丈夫なののだだだ!大丈夫大丈夫ぅう!


軽くパニック状態の私は内心ビビりつつも表情をキリリと引き締めハッタリをかます。


もう目視できる程に迫って来ている気配の主を威厳(きき来たらケチョンケチョンにしてやるるんだからね!だからお願いだからこないでー!)を込めて見つめる。


見つめ………みつ…あれ?



あら、かわいこちゃん、溺れちゃったの?

大丈夫、お姉さんが陸まで連れてってあげる。ところであなた、素敵な御足をお持ちね。







…はい、どう見ても人魚です。


あれ?あの子なんか泣いてない?


泣きながら私に向かって手を伸ばし、猛スピードで突っ込んd…《ドゴス!》おふぅううう!!



おふぁあああ!みぞおちにぃぃいい!

みぞおちにはいりやがったぁあああ!

呑気に解説なんてしてる場合じゃなかったぁあ!



見た目は全く動じていないように、静かに佇んでいるだろう。


だが心の中は阿鼻叫喚の嵐だ。あのスピードで突っ込まれてこの程度で済むとかどうなってんの?相変わらず無茶苦茶な体ですな。ゲホゴホ。


体を折り曲げ思い切り咳込みたいとこだが相変わらずこの体は私の言う事を聞いてくれない。

まぁ今出来たとしてもやらないけどね。


私の腰に縋り付いて泣いているこの子にそんな姿を見せるわけにはいかないし。

ただでさえ泣いているのに、そんな私の状態に気付いて余計な心配までさせてしまうのは可哀相だ。


状況がよくわからんがこの人魚の女の子は私に危害を加えるつもりは全くなさそうだし、何よりこんな状態の子を一人にはしておけない。


ごめんね森さん、今日はもうこの子の為に時間を使うと決めてしまいした。明日からはちゃんと狩り頑張るから。もう少しだけ、持ちこたえて…。


当然、応える声があるわけではない。


だが先程の宣言は自分に言い聞かせる為のものだ。

明日からより、精力的に動けるように…。

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