第二話
さて、仕切り直して、とりあえず真っ直ぐ歩いてみるべし。一面何もなさすぎて真っ直ぐ進んでるかわかんないけども。
あれでも適当に歩いて肉食系な方達と遭遇してしまったらヤバくね?あれもしかして私何かの餌として誰かに連れて来られたのか?
いや、誰かって誰だよ、一瞬で連れて来るとか無理だろ。
しかもわざわざ日本からこんなとこまで私狙ってつれてくる意味がわからんし。明らかにここ外国です、誰かドッキリだと言ってくだしゃい。
しかも、何で私?世間様に目をつけられるような事なんてしていない…いや、できない!だって小心者だもの!
自慢じゃないが私は滅多に家を出ない。立派な自宅警備員でございますの事よオホホ!今日だって、いやついさっきまでウキウキしながら大好きなネトゲしてた筈だもの!
つかスルーしたけど太陽が三つとかの時点でもう頭パーンです。体もなんか変だし。誰か助けてくだしゃぁ。…ん?
なんか…見られてる?何処から?このネットリ絡み付くような視線はなにかしら?…あっち?
チラッ
「ガルルルルル!」
あばばばばば!なっなななんかいたーーー!!
おおち落ち着け、落ち着け!素数だ、素数を数えるんだ、そす「グルァアアアア!!」
くぁwせdrftgyふじこlp
なぞのせいぶつがあらわれた!
たまきはにげだした!
なぞのせいぶつがあらわれた!
たまきはにげだした!
なぞのせいぶつがあらわれた!
たまきはにげだした!
なぞのせいぶつがあらわれた!
たまきはにげだし…にげ…に…逃げ切れるかぁアホォォー!!
ちょ、まじ、ハァッ、お、多過ぎ…ハァッハァッハァッ!多過ぎるっ!
マジ…でっ!ハァッ!しつこいっつーのっ!てかグロい!動物は大好きだけど、おおおまいらは無理です!おお犬様は大好きだけど腐乱臭のするのは論外ですー!
追い掛けられたってこれっぽっちも嬉しくねーコンチクショー!
ぬぅぅう!どこまで着いて来る気かグロ犬共めっ!引きこもりニートの体力舐めんなっ!
引きこもりニートにだってなぁ…っ引きこもりニートだって…ってあれ?私息切れしてな
「ガァァアア!!」
ぴゃぇえええー!
ガチン!
謎の生物(なんか犬っぽいけどあちこち腐っててグロい)が飛び掛かってきたのを間一髪避ける。勢いよく閉じられた顎の力で牙と牙が重なり音をたてた。
ああ危ねぇー!!まじ危ねぇえ!
咄嗟に横に跳んで避けたけどあれ一口でも噛まれたら絶対なんか病気なる!だって奴ら腐ってるもん!マジ危ねぇええ!
ってかそんだけ腐ってて何故か牙だけ鋭いのは理不尽だと思いますです!
何かもう色々動揺して理不尽さに嘆いたりしながらも一度は縮まってしまった距離を今度はグングン引き離して行く。
さっきはちょっと危なかったけど、(全く息切れしてない事にビックリして走るの止めちゃったし)なんか知らないけど体が勝手に反応して動いてくれるし、さっきみたいにうっかりして気を抜かなければなんとかなりそうだ。グロ犬達はまだいっぱい着いて来てるけどね。
でも、いける気がする。これだけたくさん走っても息は全く切れていない。
最初ハァハァ言ってたのは突然の奴らとの遭遇で軽く混乱&恐怖、興奮してたからみたいだ。つまり精神的なものか。それに比べて奴らは結構きつそう。短距離向きなのか?後ろでゼェハァうるさい。流石エリートニートたまき、やる時はやる女。腐乱犬まじザマァw
このまま走ればグロ犬達は近い内に力尽きそうだし無事逃げ切る事ができるだろう。流石エリートニートたま(ry
うむ。どうやら私はまだまだ余力があるっぽい、このままスピード上げて早めに振り切る事もできそうだ。
さて、どないしよー…
チラリと後ろを振り返り距離を確認しつつ、あまりよろしくない頭を必死に働かせてみる。
うん、決めた。ちょっとだけ戦ってみよう。危ないと思ったらすぐ逃げればいいしね!
こんなとこに連れてこられて、体もワケワカメな事になってるし、そんで散々追いかけ回されて終わりってのはやっぱ腹立ちますな、うむ!
とは言っても、素手で殴ったり蹴ったりは嫌だし…なんかネチョネチョしてるんだものあの人達。人じゃないけど。んー、よし、あの捻れた木の枝でも適当に折って奴らにぶっさしてみよう。
後悔させてあげますの事よぉオホホホ!