見えるのは君だけ1から13話まで
見えるのは君だけ1から13話までです。
第1話「見えない恋、見える幽霊」
シーン1:高校の教室(朝)
ナレーション:
僕の名前は、桜井蓮。ごく普通の高校2年生…のはずだった。ただ一つ、女性の幽霊だけが見えるという特殊能力を除けば。
蓮(独白):
(ため息をつきながら)今日も始まった…
教室の片隅に、セーラー服姿の透明な少女・美波が浮かんでいる
美波(幽霊):
蓮くん、おはよう♪
蓮:
(小声で)美波…朝から近いって。人に見られたら独り言言ってるみたいじゃないか。
そこへクラスメイトの橘あかり(明るい性格の女子)が近づく
あかり:
桜井くん、おはよう!今日も元気ないね〜。
蓮:
あ、ああ…おはよう、橘さん。
蓮が振り向いた瞬間、つまずいて前のめりに。あかりの制服のスカートに顔が突っ込む形に
蓮:
わっ!?すみません!!
あかり:
(真っ赤になって)きゃあ!?さ、最低!!変態!!
あかり、怒って教室を出ていく
美波:
あらら…蓮くん、またやっちゃったね。
蓮:
(頭を抱えて)くそっ…なんで人間の女の子には嫌われるんだ…
シーン2:屋上(昼休み)
蓮、一人で弁当を食べている。美波が隣に座る
美波:
蓮くん、一人でお昼?
蓮:
仕方ないだろ。君たち幽霊と話してるところ見られたら、変人扱いだし。
美波:
ごめんね…私のせいで。
蓮:
(優しく)いや、美波のせいじゃない。それより、未練って何なの?解決したら成仏できるんだろ?
美波:
私…高校時代に告白できなかった人がいて。その人に「ありがとう」って伝えたいの。
蓮:
その人って誰?
美波:
それが…思い出せなくて。でも、蓮くんと一緒にいると、少しずつ記憶が戻ってくる気がするの。
蓮:
わかった。一緒に探そう。
美波、嬉しそうに笑う
美波:
ありがとう、蓮くん!大好き♪
蓮:
(照れながら)お、おい…そういうのは…
その時、屋上のドアが開き、あかりが入ってくる
あかり:
あ…桜井くん。
蓮:
(慌てて立ち上がる)橘さん!
立ち上がった拍子に、風で飛んできたハンカチが蓮の手に。それがあかりのスカートに引っかかり、めくれ上がる
あかり:
きゃあああ!!また!?もう最悪!!
あかり、涙目で去っていく
蓮:
待って橘さん!誤解…
美波:
(くすくす笑いながら)蓮くんって、人間の女の子には不運だよね〜。
蓮:
笑いごとじゃないんだよ!!
シーン3:放課後・古い音楽室
蓮:
美波、ここに手がかりがあるって?
美波:
うん。ここに来ると、何か懐かしい感じがするの。
音楽室の中に、もう一人の幽霊少女・ハルカ(ピアノの前に座っている)が現れる
ハルカ:
あら、久しぶりに生きてる人が来たわ。
蓮:
(驚いて)え!?もう一人!?
ハルカ:
私はハルカ。10年前にこの音楽室で…事故で死んだの。
美波:
ハルカちゃん!久しぶり!
蓮:
知り合いなのか?
美波:
うん、幽霊仲間♪
ハルカ:
私の未練は…最後のピアノ演奏会で弾けなかった曲を、誰かに聴いてもらうこと。
蓮:
(優しく)じゃあ、俺が聴くよ。
ハルカ、驚いた顔
ハルカ:
本当に?
蓮:
ああ。未練を解決するのが、俺の…まあ、使命みたいなものだから。
ハルカ、ピアノを弾き始める。美しい旋律が音楽室に響く
演奏が終わると、ハルカの姿がぼんやりと光り始める
ハルカ:
ありがとう…ずっと待ってた。あなたみたいな優しい人を。
蓮:
いや、俺は…
ハルカが蓮に近づき、頬にキスをする
ハルカ:
さよなら…そして、ありがとう。
ハルカ、光の粒子となって消えていく
美波:
(ぽつりと)蓮くん…優しいね。
蓮:
(照れて)べ、別に普通のことしただけだよ。
シーン4:帰り道
蓮、一人で歩いている(美波は横に浮いている)
蓮:
それにしても、俺の人生…幽霊とばかり関わってる気がする。
美波:
それって…嫌?
蓮:
(首を横に振って)いや。君たちだって、かつては生きてた人間だ。未練があるなら、助けたい。
美波:
(嬉しそうに)蓮くん…
その時、前から自転車に乗ったあかりが来る
あかり:
あ、桜井くん!
蓮:
橘さん!
蓮、避けようとして転倒。その拍子に、あかりも自転車から落ちて、蓮の上に倒れ込む。蓮の手が偶然あかりの胸に
あかり:
(真っ赤になって)さ、最低!!変態!!ストーカー!!
あかり、自転車を押して走り去る
蓮:
(絶望して)もうだめだ…完全に嫌われた…
美波:
(慰めるように)大丈夫だよ、蓮くん。私はずっと蓮くんの味方だから。
蓮:
(複雑な表情で)ありがとう…でも、俺が欲しいのは人間の恋人なんだよな…
美波:
(少し寂しそうに)…そっか。
エンディングテーマ
次回予告:
美波(声):
次回、「図書館の記憶」!謎の幽霊少女・ユキと出会った蓮くん。彼女の未練とは?そして蓮くんのラッキースケベは止まらない!
第2話「図書館の記憶」
シーン1:学校図書館(放課後)
蓮、図書館で勉強している
蓮(独白):
静かでいいな、ここは。幽霊も出ないし…
その瞬間、本棚の間から白いワンピース姿の幽霊少女・ユキが現れる
ユキ:
…こんにちは。
蓮:
(驚いて)うわっ!?
大声を出してしまい、周囲の生徒に睨まれる
蓮:
(小声で)すみません…
ユキ:
(申し訳なさそうに)ごめんなさい。驚かせるつもりはなかったの。
蓮:
(小声で)いや、大丈夫。君は…幽霊だよね?
ユキ:
はい。私はユキ。5年前、この図書館で倒れて…そのまま。
蓮:
未練は?
ユキ:
(本を指して)この本を、最後まで読みたいの。でも、私には本のページがめくれなくて。
蓮:
なるほど。じゃあ、俺が読むよ。
シーン2:図書館の隅
蓮、ユキの隣に座って本を音読している
蓮:
「そして王子様は、眠り続ける姫に口づけをした…」
ユキ:
(うっとりして)素敵なお話…
蓮:
ユキは、こういう恋物語が好きなのか?
ユキ:
はい。生きてる時、恋をしたことがなくて。だから、せめて物語の中で…
蓮:
(優しく)そっか。じゃあ、最後まで読もう。
その時、図書委員のあかりが通りかかる
あかり:
桜井くん?一人で本読んでるの?
蓮:
(慌てて)あ、ああ!橘さん!
立ち上がろうとして、机の角に足をぶつけて前のめりに。あかりに覆いかぶさる形に
あかり:
きゃっ!?
蓮の顔が、あかりの首元に埋まる
あかり:
(真っ赤になって)ま、また!?もう本当にありえない!!
あかり、怒って去る
蓮:
(頭を抱えて)なんで…なんでこうなる…
ユキ:
(心配そうに)大丈夫ですか?
蓮:
(ため息)ああ…もう慣れた。
シーン3:夕暮れの図書館
蓮、物語を読み終える
蓮:
「…そして二人は永遠に幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
ユキ:
(涙を浮かべて)ありがとうございます…ずっと、この結末が知りたかった。
ユキの体が光り始める
ユキ:
桜井さん…あなたは、とても優しい人。きっと、素敵な恋ができますよ。
蓮:
ユキ…
ユキが蓮に近づき、額に優しくキスをする
ユキ:
これは、お礼のキス。さようなら…
ユキ、光となって消える
蓮:
(独白)また一人、送り出した。これで良かったんだ…よな?
美波が現れる
美波:
蓮くん、また幽霊少女を助けたんだね。
蓮:
美波…見てたのか?
美波:
うん。蓮くんって、本当に優しい。だから…私も、もっと蓮くんと一緒にいたくなっちゃう。
蓮:
(照れて)そ、そうか…
シーン4:帰り道
蓮:
でもさ、美波。俺、このままじゃ人間の女の子と付き合えないんじゃないか?
美波:
(少し寂しそうに)それは…困るの?
蓮:
だって、普通の恋愛がしたいし…
その時、前方からあかりが友達と歩いてくる
あかりの友達:
ねえねえ、桜井くんって変態なの?
あかり:
うん…最近、何度も変なことされて…
蓮:
(聞こえてしまい)うっ…
蓮、ショックで立ち止まる
美波:
(蓮の肩に手を置いて)蓮くん…大丈夫。私は蓮くんが変態じゃないって知ってるから。
蓮:
(苦笑)ありがとう、美波。でも、君は幽霊だからな…
美波:
(ぽつりと)…私が、生きてたら良かったのに。
蓮:
え?
美波:
何でもない!さ、帰ろう!
第3話「プールサイドの約束」
シーン1:学校のプール(体育の授業)
夏。男子生徒たちが水泳の授業を受けている
蓮:
(独白)夏か…暑いな。
プールサイドに、水着姿の幽霊少女・ミサキが座っている
ミサキ:
(悲しそうに)また、夏が来た…
蓮:
(小声で)君は…?
ミサキ:
(振り向いて)え?私が見えるの?
蓮:
ああ。俺、幽霊が見えるんだ。
ミサキ:
(驚いて)本当に!?嬉しい!誰も私に気づいてくれなくて…
シーン2:プールサイド(休憩時間)
蓮:
君の名前は?
ミサキ:
ミサキ。3年前の夏、このプールで溺れて…
蓮:
(優しく)そっか。未練は?
ミサキ:
私…水泳部だったの。でも、大会の前日に事故で。だから、一度でいいから、誰かと一緒に泳ぎたい。
蓮:
なるほど。でも、幽霊って泳げるのか?
ミサキ:
多分…でも、一人じゃ怖くて。
蓮:
わかった。じゃあ、放課後に一緒に泳ごう。
ミサキ:
(嬉しそうに)本当!?ありがとう!
シーン3:放課後のプール
蓮とミサキ、プールに入る
ミサキ:
久しぶり…水の中。
蓮:
大丈夫か?
ミサキ:
うん!一緒だから、怖くない!
二人で泳ぎ始める。ミサキ、楽しそう
ミサキ:
ねえ、蓮くん!競争しよう!
蓮:
おう!負けないぞ!
その時、プールの更衣室から水着姿のあかりが出てくる(忘れ物を取りに来た)
あかり:
あれ?誰かいる?
蓮、驚いて振り向く。その瞬間、足が滑ってミサキに突っ込む形に。ミサキの体を抱きしめる形になる
ミサキ:
(真っ赤になって)きゃっ!?蓮くん!?
蓮:
ご、ごめん!
あかり、その様子を見て
あかり:
(混乱して)え?桜井くん…一人で何してるの?抱きしめるポーズ?
蓮:
(慌てて)ち、違う!これは…
あかり:
(引いて)もう…本当に変な人…
あかり、走って去る
蓮:
(絶望)ああああ…
ミサキ:
(くすくす笑って)蓮くんって、面白いね。でも…ありがとう。久しぶりに楽しかった。
ミサキの体が光り始める
蓮:
ミサキ…
ミサキ:
未練、晴れた。蓮くんのおかげ。
ミサキ、蓮の頬にキスをする
ミサキ:
大好き、蓮くん。さようなら。
ミサキ、光となって消える
蓮:
(独白)また…助けられた。でも、人間の女の子には嫌われる一方だ…
第4話「文化祭の幽霊喫茶」
シーン1:教室(文化祭の準備中)
クラスメイトA:
今年は喫茶店やろうぜ!
あかり:
いいね!みんなでメイド服着る?
蓮:
(独白)文化祭か…楽しみだな。
教室の隅に、大正時代の着物姿の幽霊少女・サクラが現れる
サクラ:
文化祭…懐かしいわ。
蓮:
(小声で)また新しい幽霊…
シーン2:準備室
サクラ:
私はサクラ。100年前、この学校の前身の女学校に通っていたの。
蓮:
100年前!?
サクラ:
ええ。私の未練は…文化祭でお茶会を開くことだったの。でも、当日に病気で…
蓮:
なるほど。じゃあ、今回の文化祭で一緒にお茶会をしよう。
サクラ:
(嬉しそうに)本当!?ありがとう!
シーン3:文化祭当日
喫茶店は大盛況。蓮、ウェイター役
あかり:
(メイド服で)いらっしゃいませ〜♪
蓮、サクラに導かれながら接客
サクラ:
蓮さん、あのお客様にお茶を。
蓮:
(小声で)わかった。
蓮、お盆を持って移動。その時、床が濡れていて滑る
蓮:
うわっ!
転倒して、メイド服姿のあかりに突っ込む。スカートの中に顔が
あかり:
きゃあああ!!もう!わざとでしょ!?
蓮:
違う!床が濡れてて…
あかり:
(涙目で)最低…
あかり、走って去る
サクラ:
(心配そうに)大丈夫ですか?
蓮:
(ため息)もう慣れた…
シーン4:文化祭の夜
片付けが終わり、静かな教室
サクラ:
蓮さん、今日は本当にありがとう。とても楽しかったわ。
蓮:
良かった。サクラの未練、晴れたか?
サクラ:
ええ。100年越しの夢が叶ったわ。
サクラの体が光り始める
サクラ:
蓮さん…あなたは本当に優しい殿方。どうか、お幸せに。
サクラ、蓮の手に口づけをする
蓮:
サクラ…
サクラ:
ごきげんよう。
サクラ、光となって消える
美波が現れる
美波:
また一人、助けたね。蓮くん。
蓮:
ああ。でも…俺、このままで良いのかな?
美波:
(優しく)蓮くんは、蓮くんのままでいいんだよ。
第5話「雨の日の傘」
シーン1:雨の日の下校
蓮、傘をさして帰宅中
蓮:
(独白)また雨か…
バス停で、ずぶ濡れの幽霊少女・アメが座っている
アメ:
(震えて)寒い…
蓮:
(近づいて)君…大丈夫?
アメ:
(驚いて)え?私が見えるの?
蓮:
ああ。傘、入る?
アメ:
(嬉しそうに)本当!?
シーン2:バス停
アメ:
私、アメ。2年前の雨の日、交通事故で…
蓮:
そっか。未練は?
アメ:
私…雨の日に誰かと傘に入りたかったの。いつも一人だったから。
蓮:
(優しく)じゃあ、今一緒だよ。
アメ:
(涙を浮かべて)ありがとう…
その時、あかりが傘なしで走ってくる
あかり:
きゃあ!傘忘れちゃった!
蓮:
橘さん!
蓮、とっさにあかりに傘を差し出そうとして、足を滑らせる。あかりと衝突
あかり:
きゃっ!
二人、地面に倒れ込む。蓮があかりの上に
あかり:
(真っ赤になって)ま、またですか!?もう!
蓮:
ご、ごめん!
あかり、怒って走り去る
アメ:
(くすくす笑って)蓮くん、ドジだね。
蓮:
(苦笑)わかってる…
シーン3:公園
雨が止み、虹が出る
アメ:
わあ…きれい。
蓮:
本当だ。
アメ:
蓮くん、ありがとう。初めて、誰かと傘に入れた。
アメの体が光り始める
蓮:
アメ…
アメ:
蓮くんと一緒にいられて、幸せだった。
アメ、蓮の唇にそっとキスをする
蓮:
(驚いて)え!?
アメ:
(笑顔で)さようなら、蓮くん。大好きだよ。
アメ、光となって消える
蓮:
(独白)また…キスされた。幽霊少女には好かれるのに、人間の女の子には…
第6話「保健室の先生」
シーン1:保健室
蓮、頭痛で保健室に
蓮:
すみません…
ベッドに、白衣姿の幽霊少女・ナナコがいる
ナナコ:
あら、患者さん?
蓮:
(驚いて)保健の先生…じゃないよな?
ナナコ:
(笑って)よくわかったわね。私、ナナコ。10年前の保健医。過労で倒れて…
蓮:
そっか。未練は?
ナナコ:
最後の患者さんを、ちゃんと看病したかったの。
蓮:
じゃあ、俺を看病して。
ナナコ:
(嬉しそうに)本当!?
シーン2:保健室のベッド
ナナコ、蓮の額に手を当てる
ナナコ:
少し熱があるわね。
蓮:
ありがとう。
その時、あかりが保健室に入ってくる
あかり:
すみません、絆創膏を…あ、桜井くん?
蓮:
(起き上がろうとして)橘さん!
起き上がった拍子に、ベッドから落ちてあかりに突っ込む。二人、床に倒れ込み、蓮の手があかりの胸に
あかり:
きゃあ!!またですか!?
蓮:
ご、ごめん!
あかり:
(涙目で)もう…嫌い!
あかり、走って去る
ナナコ:
(苦笑)あなた、本当に不運ね。
蓮:
(絶望)もうダメだ…完全に嫌われた…
シーン3:夕暮れの保健室
ナナコ:
でもね、蓮くん。あの子、本当は嫌ってないと思うわよ。
蓮:
え?
ナナコ:
女の子は複雑なの。嫌いな人には、あんなに怒らないわ。
蓮:
そうなのか?
ナナコ:
ええ。私、保健医として色んな生徒を見てきたから。
ナナコの体が光り始める
蓮:
ナナコ先生…
ナナコ:
ありがとう、蓮くん。最後の患者を看病できて、未練が晴れたわ。
ナナコ、蓮の額にキスをする
ナナコ:
頑張ってね、蓮くん。応援してるわ。
ナナコ、光となって消える
蓮:
(独白)ナナコ先生の言葉…信じていいのかな。
第7話「美波の記憶」
シーン1:蓮の部屋(夜)
蓮、ベッドで横になっている。美波が窓から入ってくる
美波:
蓮くん、起きてる?
蓮:
美波?こんな時間に。
美波:
(嬉しそうに)ちょっと話したくて。
蓮:
そっか。美波の未練、まだ解決してないもんな。
美波:
うん…でも、蓮くんと一緒にいると、少しずつ思い出してきてる。
蓮:
それは良かった。
美波:
ねえ、蓮くん。もし私の未練が解決したら…寂しい?
蓮:
(少し考えて)…正直、寂しいかもな。美波、ずっと一緒だったし。
美波:
(嬉しそうに)私も。蓮くんと離れたくない。
蓮:
でも、成仏するのが一番だろ?
美波:
(複雑な表情で)…そうだね。
シーン2:学校(翌日)
蓮、廊下を歩いていると、あかりとすれ違う
あかり:
…おはよう。
蓮:
(驚いて)お、おはよう、橘さん。
あかり:
あの…ごめんね。いつも怒っちゃって。
蓮:
(驚いて)え?
あかり:
桜井くん、悪気ないのはわかってるの。でも、その…恥ずかしくて。
蓮:
(嬉しそうに)橘さん…
その瞬間、上の階から水の入ったバケツが落ちてくる。蓮、とっさにあかりを守ろうと抱きしめる
蓮:
危ない!
あかり:
きゃっ!
二人、ずぶ濡れに。そして、あかりの制服が透けている
あかり:
(真っ赤になって)きゃああ!!見ないで!!
蓮:
ご、ごめん!
あかり、走って去る
蓮:
(絶望)なんで…せっかく仲良くなれそうだったのに…
美波が現れる
美波:
蓮くん…
蓮:
美波。見てた?
美波:
うん。蓮くん、本当に不運だね。
蓮:
(ため息)もう笑えないよ…
シーン3:屋上(昼休み)
蓮:
美波、何か思い出した?
美波:
うん。私が好きだった人…この学校の先輩だったって。
蓮:
先輩?
美波:
でも、顔が思い出せないの。ただ…優しい人だったって。
蓮:
そっか。一緒に探そう。
美波:
(嬉しそうに)ありがとう、蓮くん。
第8話「体育祭の思い出」
シーン1:グラウンド(体育祭当日)
生徒たちが競技に参加している
蓮:
(独白)体育祭か…あまり得意じゃないんだよな。
グラウンドの隅に、体操服姿の幽霊少女・リコが立っている
リコ:
(悲しそうに)私も…走りたかったな。
蓮:
(近づいて)君は?
リコ:
(驚いて)え!?私が見えるの!?
シーン2:トラック脇
リコ:
私、リコ。去年の体育祭の直前に、病気で…
蓮:
そっか。未練は?
リコ:
リレーに出たかったの。でも、出られなくて。だから、誰かと一緒に走りたい。
蓮:
わかった。じゃあ、俺と一緒に走ろう。
リコ:
(嬉しそうに)本当!?
シーン3:リレー競技
蓮、クラス代表でリレーに参加
蓮:
(小声で)リコ、一緒に走ろう。
リコ:
うん!
スタート。蓮、リコと並んで走る
リコ:
(楽しそうに)久しぶり!風が気持ちいい!
蓮:
(笑って)良かった!
バトンゾーン。蓮、次走者のあかりにバトンを渡そうとする
あかり:
桜井くん!
蓮、リコに気を取られてバトンを落とす。拾おうとしてあかりとぶつかり、二人転倒。蓮があかりの上に
あかり:
(真っ赤になって)きゃあ!?また!?
蓮:
ご、ごめん!
周囲の生徒、笑っている
クラスメイトA:
桜井、何やってんだよ!
あかり:
(涙目で)もう…最悪…
あかり、走って去る
リコ:
(心配そうに)ごめんなさい…私のせいで。
蓮:
(優しく)いや、リコのせいじゃない。俺が不注意だっただけ。
シーン4:体育祭終了後
リコ:
蓮くん、今日は本当にありがとう。一緒に走れて、すごく楽しかった。
リコの体が光り始める
蓮:
リコ…
リコ:
未練、晴れた。蓮くんのおかげ。
リコ、蓮を抱きしめる
リコ:
大好き、蓮くん。さようなら。
リコ、光となって消える
蓮:
(独白)また…幽霊少女を助けた。でも、人間の女の子とは…どんどん距離が開いていく気がする。
第9話「図書委員の秘密」
シーン1:図書館
蓮、本を返却しに来る
あかり:
(図書委員として)いらっしゃい…あ、桜井くん。
蓮:
橘さん。これ、返却。
あかり:
(少し距離を置いて)あ、ありがとう。
蓮:
あの…橘さん、俺のこと本当に嫌い?
あかり:
(戸惑って)え?そ、それは…
その時、本棚の陰から幽霊少女・アヤが現れる
アヤ:
あら、また新しい生きてる人。
蓮:
(小声で)また幽霊…
シーン2:図書館の奥
アヤ:
私、アヤ。元図書委員。7年前、この図書館で本の整理中に…
蓮:
未練は?
アヤ:
最後の仕事を終えたいの。この本棚の整理。
蓮:
わかった。手伝うよ。
蓮、本を整理し始める
あかり:
(遠くから見ていて)桜井くん、何してるんだろ…一人で。
シーン3:整理作業中
蓮、高い棚の本を取ろうとして、脚立に乗る
アヤ:
気をつけてね。
蓮:
大丈夫。
その時、脚立がぐらつく
蓮:
うわっ!
落下。下にいたあかりの上に倒れ込む
あかり:
きゃっ!?
蓮の唇が、あかりの唇に触れる
あかり:
(固まって)……
蓮:
(真っ赤になって)ご、ごめん!!事故で!!
あかり:
(涙目で)ひどい…初めてだったのに…
あかり、泣きながら走って去る
蓮:
(絶望)最悪だ…もう本当に嫌われた…
アヤ:
(複雑な表情で)ごめんなさい…
蓮:
(首を横に振って)アヤのせいじゃない。俺が不注意だった。
シーン4:夕暮れの図書館
アヤ:
整理、終わったわ。ありがとう、蓮くん。
アヤの体が光り始める
蓮:
アヤ…
アヤ:
未練が晴れた。でもね、蓮くん。あの子、あなたのこと嫌ってないわよ。
蓮:
でも…
アヤ:
女の子は複雑なの。嫌いな人には、あんなに涙を見せないわ。
蓮:
…そうなのかな。
アヤ:
ええ。頑張ってね、蓮くん。
アヤ、蓮の頬にキスをして、光となって消える
蓮:
(独白)本当に…あかりは、俺を嫌ってないのか?
第10話「修学旅行の夜」
シーン1:京都(修学旅行初日)
蓮たちのクラス、古いお寺に宿泊
蓮:
(独白)修学旅行か…楽しみだけど、幽霊も多そうだな、こういう場所。
案の定、お寺の庭に、着物姿の幽霊少女・コトネが座っている
コトネ:
(寂しそうに)また、誰も私に気づかない…
蓮:
(近づいて)君は?
コトネ:
(驚いて)え!?私が見えるのですか!?
シーン2:お寺の庭
コトネ:
私、コトネと申します。江戸時代に、このお寺で…
蓮:
江戸時代!?
コトネ:
はい。私の未練は…花火を見ることです。生きている時、見られなくて。
蓮:
花火…明日の夜、街で花火大会があるよ。一緒に見よう。
コトネ:
(嬉しそうに)本当ですか!?
シーン3:花火大会の夜
蓮、こっそり外出。コトネと一緒に川辺へ
コトネ:
わあ…これが花火…!
蓮:
きれいだろ?
コトネ:
はい!とても!
その時、後ろからあかりの声
あかり:
桜井くん?
蓮:
(驚いて)橘さん!?
あかり:
私も…一人で来ちゃった。みんなと一緒じゃ、ゆっくり見られないから。
蓮:
そっか。
気まずい沈黙
あかり:
あの…この前のこと…
蓮:
ごめん!本当に事故だったんだ!
あかり:
わかってる。だから…許す。
蓮:
(嬉しそうに)本当!?
その瞬間、花火の音に驚いた蓮、前のめりに。あかりに抱きつく形に
あかり:
きゃっ!?
蓮の手が、またあかりの胸に
あかり:
(真っ赤になって)また!?もう!せっかく許そうと思ったのに!!
あかり、走って去る
蓮:
(絶望)ああああ…
コトネ:
(くすくす笑って)蓮様、面白い方ですね。
蓮:
笑いごとじゃないんだよ…
シーン4:花火終了後
コトネ:
蓮様、今日は本当にありがとうございました。花火、とても美しかったです。
コトネの体が光り始める
蓮:
コトネ…
コトネ:
未練、晴れました。蓮様と出会えて、幸せでした。
コトネ、蓮に深々とお辞儀をして、そして頬にキスをする
コトネ:
さようなら…
コトネ、光となって消える
蓮:
(独白)また一人…送り出した。でも、橘さんとは…もうダメかもしれない。
第11話「美波の想い人」
シーン1:学校の旧校舎
蓮と美波、古いアルバムを調べている
美波:
この人…見覚えがある気がする。
蓮:
誰?
美波:
…わからない。でも、この笑顔…優しかった。
蓮:
少しずつ思い出してるんだな。
美波:
うん。でもね、蓮くん…思い出すのが、少し怖い。
蓮:
怖い?
美波:
だって、思い出したら…蓮くんと離れなきゃいけないでしょ?
蓮:
(優しく)でも、それが美波のためなんだよ。
美波:
(涙を浮かべて)…わかってる。
シーン2:教室(放課後)
あかり、一人で掃除をしている
蓮:
(入ってきて)橘さん、一人?
あかり:
(驚いて)桜井くん…
蓮:
手伝うよ。
あかり:
…ありがとう。
二人、並んで掃除を始める
あかり:
ねえ、桜井くん。いつも一人で何か話してるよね。
蓮:
(驚いて)え?
あかり:
誰と話してるの?
蓮:
それは…
蓮が答えに困っていると、美波が現れる
美波:
蓮くん、私のことは秘密だよ。
蓮:
(小声で)わかってる。
あかり:
今も!誰かと話してる!
蓮:
ご、ごめん!癖で…
蓮、慌てて手を振る。その拍子に、バケツの水があかりにかかる
あかり:
きゃあ!?
蓮:
ご、ごめん!!
蓮、タオルで拭こうとして、あかりの体に触れる
あかり:
(真っ赤になって)もう!触らないで!
あかり、走って去る
蓮:
(絶望)また…やってしまった…
美波:
(複雑な表情で)ごめんね、蓮くん。私がいるせいで…
蓮:
(首を横に振って)美波のせいじゃない。
シーン3:屋上(夕暮れ)
美波:
蓮くん、私…思い出した。
蓮:
本当!?
美波:
うん。私が好きだった人…それは…
美波、蓮を見つめる
蓮:
誰?
美波:
…教えてあげない。まだ。
蓮:
え?なんで?
美波:
だって、教えたら…本当に蓮くんと離れなきゃいけなくなるから。
蓮:
美波…
美波:
もう少しだけ…蓮くんと一緒にいたい。ダメ?
蓮:
(優しく)…いいよ。
美波:
(嬉しそうに)ありがとう、蓮くん。
第12話「クリスマスの奇跡」
シーン1:街中
イルミネーションで飾られた街
蓮:
(独白)クリスマスか…みんなカップルで楽しそうだな。
街角に、サンタの格好をした幽霊少女・ノエルが立っている
ノエル:
(悲しそうに)メリークリスマス…
蓮:
(近づいて)君は?
ノエル:
(驚いて)私が見える!?
シーン2:公園
ノエル:
私、ノエル。去年のクリスマスイブに、事故で…
蓮:
未練は?
ノエル:
誰かにクリスマスプレゼントを渡したかったの。でも、渡せなくて。
蓮:
なるほど。じゃあ、俺にプレゼントくれよ。
ノエル:
(嬉しそうに)本当!?でも、私…もう何も持ってなくて。
蓮:
気持ちだけで十分だよ。
シーン3:イルミネーション前
ノエル、蓮に見えない箱を渡す仕草
ノエル:
はい、プレゼント♪
蓮:
(笑って)ありがとう。大切にするよ。
その時、あかりが友達と歩いてくる
あかりの友達:
ねえ、あれ桜井くんじゃない?
あかり:
本当だ…一人で何してるんだろ。
蓮、ノエルに気を取られて後ろに下がる。街路樹の飾りに引っかかり、転倒
蓮:
うわっ!
倒れた拍子に、あかりに突っ込む。二人、雪の上に倒れ込む
あかり:
きゃっ!?
蓮の顔が、あかりの首元に埋まる
あかり:
(真っ赤になって)ま、また!?クリスマスなのに!!
蓮:
ご、ごめん!
あかりの友達:
わあ…ラブラブ?
あかり:
(涙目で)違う!!もう!!
あかり、走って去る
ノエル:
(心配そうに)大丈夫?
蓮:
(ため息)もう慣れた…
シーン4:夜の公園
ノエル:
蓮くん、今日は本当にありがとう。プレゼント、受け取ってくれて。
ノエルの体が光り始める
蓮:
ノエル…
ノエル:
未練が晴れた。蓮くんと過ごせて、最高のクリスマスだったよ。
ノエル、蓮を抱きしめる
ノエル:
メリークリスマス、蓮くん。大好き。
ノエル、光となって消える
蓮:
(独白)また一人…送り出した。でも、俺のクリスマスは…一人だ。
その時、後ろから声が
美波:
蓮くん、一人じゃないよ。私がいるじゃない。
蓮:
(振り向いて)美波…
美波:
メリークリスマス、蓮くん。
蓮:
(笑って)ああ、メリークリスマス。
第13話「新年の初詣」
シーン1:神社(元旦)
初詣に来た蓮
蓮:
(独白)新年か…今年こそは、普通の恋愛がしたいな。
神社の境内に、巫女装束の幽霊少女・ミコトが立っている
ミコト:
(悲しそうに)新年…おめでとうございます…
蓮:
(近づいて)君は?
ミコト:
(驚いて)私が見えるのですか!?
シーン2:境内
ミコト:
私、ミコトと申します。5年前の元旦、この神社で巫女をしていた時に…
蓮:
未練は?
ミコト:
新年の祈りを、誰かと一緒に捧げたかったのです。
蓮:
わかった。一緒にお祈りしよう。
二人、手を合わせる
蓮:
(独白・祈り)今年こそ、橘さんと仲良くなれますように…
ミコト:
(独白・祈り)蓮様に、幸せが訪れますように…
シーン3:おみくじコーナー
蓮、おみくじを引く
蓮:
「大凶」…最悪だ。
ミコト:
あら…でも、大丈夫です。大凶は、これ以上悪くならないということですから。
蓮:
(苦笑)そういう考え方もあるか。
その時、あかりが友達とやってくる
あかり:
私もおみくじ引こう!
蓮、気づいて慌てて避けようとする。足が滑って転倒
蓮:
うわっ!
あかりに突っ込む形に。二人、地面に倒れ込む
あかり:
きゃあ!?
蓮の手が、あかりのスカートの中に
あかり:
(真っ赤になって)新年早々、最悪!!もう!!
蓮:
ご、ごめん!!
あかり、泣きながら走って去る
ミコト:
(複雑な表情で)蓮様…本当に不運ですね。
蓮:
(絶望)大凶、当たってる…
シーン4:夕暮れの境内
ミコト:
蓮様、今日は本当にありがとうございました。一緒に祈れて、幸せでした。
ミコトの体が光り始める
蓮:
ミコト…
ミコト:
未練が晴れました。蓮様の幸せを、お祈りしています。
ミコト、蓮の額にキスをする
ミコト:
どうか、良い一年を。
ミコト、光となって消える
蓮:
(独白)今年も…幽霊少女とばかり関わる年になりそうだ…
読んで頂きありがとうございます。




