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ベーシックセックスと漆黒の救世主

所詮、我々は自由に間違えて生きるか、不合理に守られて死ぬかの二択しか選べない。

 ふたりを乗せた銀の箱庭が天に舞い降りたとき、ビアンカに背後から抱きしめられる。

「…………!?」

 脳内で警報と歓喜の雄叫びが鳴る。これは不貞の予感だ。しかし、巨大な衝撃を無視するだけの虚無を持ち合わせてはいなかった。まさしく、棚からおっぱい!全身の脈から脈へと熱が動く。


 無機質な音が止んだ頃、全開となった扉から冷気が流れ込む。頬を労わるような夜風が当たり、彼はひとかけらの冷静さを取り戻す。そのまま社会の窓を突き破りそうな彼の男根は欲望のボタンを潰すまで秒読み、夜の導火線は着火済みだ。

 ついに扉が閉まりかけたとき、彼は腕を差し込み、降下を阻止した。他人に見られては堪ったものではない。早く出るべきと知っていながら、追撃を捌くのに精一杯であった。


「ねえ、何カップあると思う?」

 さあ?ワールドカップじゃない?とでも誤魔化すだけの余裕は彼にはなかった。記号の螺旋が浮かんでは消える。それは蛍光灯に集る虫のように。とりあえず、出たのは虚妄が漏れたような声だった。

「……E」

 秒間から窺える熟考の痕跡。背中から手が生えんばかりの集中の末に導かれし推測。


「Gでした~あてにならないね。本当は童貞なの?」

 抱きしめる腕を緩めるビアンカ。狩り以前のちょっかいとしての余裕があった。

「…………」

 関わるのにいささか疲れたホイッスラーは沈黙する。誤解も恐れぬ諦観の姿勢だ。

「えっ」

 ビアンカも思わず言葉に詰まる。

「わたしは部屋に戻るから、おやすみなさい」

 ホイッスラーは3のボタンを押して外へ出る。

「ええっ、ワタシが悪かったから!なんのために」

 反省を偽った言い分が聞こえる。

「悪戯は厳禁だ。わかったね?」

 顔だけ翻って、諭す彼の目はいつも通りの余裕を醸し出すものの、冷却が追いつかない下半身。それを視界の端で捉えた彼女はニヤけるのを堪えた。

「はあい!さあ、早くいこう!あ、ちょっとお手洗い借りていいかな?あとジュースとかあれば嬉しいな!」

 背中を押されるまま、部屋の前まで押し出されるホイッスラー。月光が彼の毛先の色素を透かす。彫刻のように白く無表情な横顔がみえて、ビアンカはいままでの小競り合いを忘れた気分になってしまった。みてはいけない仮面の下を覗いた気分だった。


 一方で、ホイッスラーは彼女の緩急についていけず、仕方なく景色を見せるだけ見せて2分で帰らせる算段を立てていた。ジョアンナを招くプランを構想していたなかでこうなるとは。


 エレベーターから降りると外の景色が見える。とはいえ、こちら側は住宅街とビルの明かりが多少見える程度である。少し離れたところにあるセークエンスの城も煌々と闇を彩っていた。


 中に入ると何足かの靴が丁寧に敷き詰められていた。棚の上には解釈が難しい絵と立体的な硝子のパズル、そして非常用の懐中電灯が置かれていた。


「へへ、お邪魔しまーす。レイアウトは逆向きって感じかな?ちょっと違う」

 あまり同じマンションで別の部屋に入らないものだから、新鮮なのだろう。ビアンカは色々みている。

「どうぞあがって。いまスリッパ持ってくる」


「うはー、毎日こんな夜景みているの?勝ち組だあ」

 カーテンを開けるのがなんとなく憚られていたのだが、なんなく全開にして展望する彼女。


「全体的にいい匂いだけど、すこしだけ塗料とカカオ豆の臭いするね」

 形の良い鼻をすんすんと鳴らす。幸い、イカ臭くはなかったようだ。

「画材だろうね。最近はあまり書いていないけど。気が向いたときに」

 ホイッスラーは蜂蜜と柚子の皮を炭酸水で割って用意した。ジュースは飲まない彼なりのもてなしだった。

「うーん、充分に溶けていないかもしれない。普段来るやつもジュース飲まないから置いていないんだ。これでよければどうぞ」


「これ、おいしい」

 ソファに座ったビアンカは横になって飲み物を堪能する。ホイッスラーは厚かましさを感じるよりも先に、超越と許容に至る。

「景色もいつかは飽きるものだ。さあ、それを飲んだらゆっくり自室で休めばいい」

 お湯を沸かしにいくホイッスラー。

「ええ、早いよお」

「こちらは汗を掻いたから、流したいんだ」

「一緒に入ろう!」

 背中を流すジェスチャーをする彼女。

「冗談じゃない!あなたの価値観には浮気への抵抗という概念はないのか?」

 浴室から声が響く。

「ホイットニーは面白いなあ」

 だれだ。ヒューストンの幻影か?

 ビアンカは彼を背後から驚かすために浴室へ向かう。その途中で、閉ざされた扉をみつける。お手洗いだと思って、開けると絵が飾られた部屋であった。わずかに漏れた月光が照らすのは住居人のひめやかな孤独であり、仄暗い心の世界でもあった。足元にはらりと敷かれた画用紙。埃と塗料の香り。澄んだ彩光に濁るような闇。静かな空間。思わず、見とれていたビアンカへホイッスラーは声をかける。

「他人の住処を勝手に物色するなんて、随分と育ちが良いようだね」

ビアンカは我に返り、冷ややかな双眸に向き合う。同年齢とは思えないほどに、大人らしく見えた姿からひしひしと感じられるのは失望と排斥。

「此処はわたしだけの空間だ。しかし、事前にいわなかった落ち度はたしかだ」

 息をつき、彼は笑った。ともにリビングへ戻るとき、先導する彼の影に、あの部屋の名残を覚えた。


 リビングで交際関係についての雑談をする。参考にならないと断じたホイッスラーは心の中で溜息をついた。

「ストーカー対策で転々としているのだから、今回のことは他人には内緒だよ。わかっているかい?」

「うん!今日は超感動しちゃった!夜景みれてよかったし、ホッスーのことも知れてラッキー極まるってものだよね」

「…………??」

 言語中枢に靄が……ペロ。これは尿道球腺液?

「そういえば、夜景の絵とか描かないの?」

「いい題材だと思うけど、いまは細かい動きが苦手なんだ。夜光がカメラで撮ったようにぐわーってなっちゃう」

 ホイッスラーは右手の関節を動かして見せる。麻痺の残る動きをみて、ビアンカは青ざめた。

「うぅ、ごめんね。何も知らずに悪いことしちゃった」

 ビアンカの大袈裟な態度にホイッスラーは応える。

「気にしなくていいさ。欠落して得られたものもあった」

 伸ばした腕は虚空を掴むようであった。

 カーテンを閉じるホイッスラー。

「ではおやすみなさい」

 廊下の電気を付ける。

「ちょ、マジで?こんなに可愛くて美しくて優しい良い女がいるというのにそれはないでしょ!」

 早口の畳みかけを無視して浴室へ向かうホイッスラー。

「鍵は勝手に閉まるから」

 ビアンカは退屈で死ぬ前に妙案を思いついた。


「きゃあ、ジュースがこぼれちゃった」

 ビアンカの声が響く。

 床をべたべたにされては困るのか、急いで戻るホイッスラー。

 リビングにはカーテンを開けたまま下着姿になったビアンカがいた。

「あっ、覗き魔が現れた!性欲あるのにクールぶるなよ~♪あれ下着姿でどうしたの?通じ合っているね!さあ、一緒にお風呂へザブーンしなきゃ!」

 目が走る。くそ、もう少し暗い明かりの方が絶対エロい……いや、わたしはなぜ描くことを考えている。まて、これは腕を試す絶好のチャンスではないだろうか?今までは安全面からふたりきりの空間でモデルがいるなんてなかったではないか。

「ジュースは零していない?それはよかった。まて脱ぐな。脱ぎ掛けでいい。ストップだ。いまスケッチするから、そのままで止まってね」

 昨晩オナニーをしていたホイッスラーは野性が急騰して爆発することはなかった。モデルをデッサンして絵を描こう!という欲は熱を再燃させた。

「スケッチ??」

 画材とスタンドを用意し、ソファに座る。

「なるほど、グラヴィティ……」

 上下する胸を眺めて感想が漏れる。美しいものはうつくしい。そう理解し、実在することを噛みしめる。カーテンを閉めて、間接照明を付ける。ビアンカは困惑と緊張に揉まれてホイッスラーの止まらぬ腕の動きをみているだけであった。

 ふと、筆を止めたホイッスラーはシコ時に右手の痺れがなくなっていたことを思い出した。

「ありがとう、ビアンカ」

「んん?急に前向きというか斜め前になったね?ところで、それ大丈夫?大きくなっているけど」

「こちらの筆など些末なことだ。ただ描いていたい」

 しばらく筆を走らせるホイッスラー。しばらくすると手を振り始めた。

「ねえ?これはこれで恥ずかしいんだけど、いつまでこうやっているの?」

「そうだな。手も疲れてきたしお終いにしよう。だめだ。オナニーで感覚を取り戻したかと思ったのだが、まだまだのようだね」

 ホイッスラーは筆入れを隅に置いた。

「もしかして、ホイッスラーくん。ちゃんとシていない?」

「前提条件、わたしはいつだって童貞のつもりだ」

「そ、そんな。性交なき生に救いはないよ。いいかな、セックスは生命に与えられし奇跡で、恩恵で救済で至福なんだよ」

「わたしは必ずしもそう思わない。もちろん、性交が人生にかけがえのないものだとしても、そうでない者も少なくないだろう」

「エルフィア産まれエルフィア育ちの言葉ではないよね」

「この大国は一枚岩ではないさ。カウンターカルチャーはいつだって存在しているものだ。現に元風紀委員を母体とした組織……なんだっけ純潔とドレスみたいなのもいるじゃないか」

「純白の騎士団ね」

「あの集団、本当に童貞処女のみで構成されているのかな」

「人が集まる場所に性交ありきだ」

「だよねえ絶対裏切りあるよね!スクープの予感する」

「まあ、任意で行うものだし、どちらでもいいよね」

「セックスは文化でカルチャーでライフで芸術で教育なんだよ!ここにコンドーム、あちらにローション、緊急避妊錠剤にあっちにみえるホスピタルで赤ちゃん魔法陣の完成~~♪ところで、なんでコンドームあるの?大きいんだね」

「……貰い物だから」

 親父の会社が開発した新作を送り付けられたのだ。もっとマシなテストマーケをして。

「セークエンスでも恋愛の経験値の差がありすぎる。ワタシが見込みのある若き男女に救済を提供する必要があるようだね?ホイッストンくん」

「ラーな。ビアンコくん」

「パスタでも作って~、そういえば自炊した残りがあるとかどうとか」

 ホイッスラーは温めなおしたシチューを出す。もう汗は乾ききっていたが、皮脂の酸化した臭いを脱ぎ捨てたかった。

「お湯が冷めてしまったようだ。筆も折ってしまったことだし、そろそろ帰ってくれないか」

 あっというまに平らげた彼女の皿を片付ける。

「ホイッスラーくん、セックスをしましょ」

「帰ってくれないか」


「セークエンスの全員が素晴らしい青春を過ごし、人生を高めるには性交の成功が必要なの。そのためにはあなたのようなカリスマがセックスを広める必要があると思わない?」

「やれやれ、そういうのはノワールが得意だから頼むよ」

 実際、彼の活動は精力的だ。賛同さえ得られることができれば。

「女装ちゃんってモテるの?」

 上目遣いは睫毛のアーチを描く。彼女の空色の瞳は永遠の白昼のようであった。

「急だな、正直よくわからない。顔はいいが、背が低い。声も男らしくはない。しかし、化粧が上手くて綺麗だから、よく見られてはいるんじゃないか。珈琲も淹れることができる」

 カップに注ぐ素振りをするホイッスラー。

「ジュースも美味しく注げる?」

「さあ……まて、井戸端会議をしている暇はない。わたしは汗を流して勉強をするんだ。ビアンカは次の試験は余裕なのか?」

「いつもカラダで学んでいるよ☆」

 ふざけているようで理にかなった学び方だ。

「その学びに愛はあるのか?快楽主義に溺れていないか?」

 おかしな言い方に思わず、口が出た。

「学習も快楽と愛だよ!いまのウチら学園生徒をはじめとした若い世代は、奔放な上の世代の反動で愛情不足に陥っている。セックスは素晴らしいんだよって教えなきゃ、こんなにいいものが世にあるんだって。誰にでも得られる経験なんだって。ベーシックセックス導入!クラシックに挿入!」

 なんの試験勉強の話なのだろう。

「人の思想、言動はそれぞれで考えて持てばいいじゃないか。わざわざ導くことはない。学ばないうちは退廃と反省が繰り返される。反省のできない若年者の先走った性は悲劇を生みかねない。それは原始時代への逆行だろう」

 皆が乱交文化になれば、きっと滅びは級に来るのではないだろうか。

「エルフィア国民とは思えない、リテラシーある回答をありがとう!ところで、ホインホイのタイプの女性は誰?貞淑なひと?博愛主義者は?彼氏彼女が両手を超えている女の子とかどう?」

「あなたが気になるかといえば、興味深いには違いない。抜群に華があり、きょ……狂瀾怒濤の性格も類を見ない」

 あだ名に突っ込むには疲れすぎていた。

「見た目のタイプはあるの?」


「美しい方がいい。できればわたしより美しいか、別の美しさがあれば好ましい」

 返答を聞いたビアンカは意外と人と付き合っていないという推測に落ち着いた。

「周囲から学ぶという動機がないと付き合いをしないタイプ?」

 金髪を弄ぶビアンカ、香水の匂いが引き立つ。

「打算的だと思うのか、たしかに。わたしは己が、周囲が美しくなれるのなら、並大抵のことはやってのける。それこそ、すべてを捨てることもできる」


「それじゃあ……」

 チャイムがなる。アーロンが勉強を聞きに来たのかもしれない。おそらくマルスの出した課題の締めの問題。あるいは、貸していた本を返しに来たのかも。


「はいほーい」

 ビアンカは勝手に扉まで向かう。


「漆黒のビアンカ!?」

 出てきたのは意外にもノワールであった。

「ホイッスラーの家で不埒な恰好をしおってこの助兵衛め」

 ノワールが靴を脱いであがる。今回は女装解除していた。

「ノワ……いや、ブラックちゃん。珍しいな、女装デートの彼氏役ならあいにく空いていないよ」

 ビアンカが噴き出すのを見て、ノワールは舌打ちをした。

「聴かれたら厄介なことをいうな。とくにこいつのまえで」

「ブラックちゃんっていうんだ。可愛かったよお。また着替えてほしいな☆」

 ビアンカが両手でグッと構えるとノワールは目を開いた。

「最悪だ。純白を統べるものとして、漆黒に見られてしまうとは。屑豆は摘まなきゃいけねえな」

「風紀委員出身がそんな言葉遣い、いいのかなあ?」

「フリーセックスやオープンマリッジを流布するあんたよりはマシだろうな。僕の女装や自慰行為というものは他人を不幸にしないのだから」

「それは解釈違いだよ。セックスは幸福の相乗効果を作るんだよ!これは香水以上に普及すべき体験だよ!さあ、ブラックちゃん、自分に籠っていないで。さあ、ハグしましょう」

 ホイッスラーは下着姿の美人に迫られて平静を保つノワールをみて感心していた。

「性欲を支配してこそ、一流のエルフィア国民だ。そして、オナニーとは万人に与えられた最高の手段なのさ。あんたこそ他所の家で邪魔していないで、帰って愉しめばいい」

 右手を構えるノワール。女装時にもポージングとかするのだろうか。

「そんな態度だとほかの国みたいに性の分断がすすんで孤立する不幸な人ばかりになっちゃうよ。ここは愛と美の国エルフィアなんだから!」


 ビアンカは人類幸福研究会というクラブ、通称ハッピーラボのヘッドだ。彼女は新しい性の在り方、全人類の性的満足こそが戦争撲滅の手だと提唱した。そこで学園内の学生同士を属性ごとに相互マッチングをさせて、同意のもとに性交を援助している。そして、性交の適切な実現に基づいたサービスとしてのベーシックセックスを推進する。性に寛容な風土とはいえ、行き過ぎていると学園内でも賛否両論だ。彼女のコミュニティは黒を基調としたケースの香水ーー彼女の親が営む化粧品会社が出した新しいのブランドだーーを所持していることから“漆黒派”と言われている。当人はそんな風評も気にせず、黒の見せブラを付けるなど余裕をみせている。“漆黒派”によって風紀委員や教務課が定めた従来の改造制服の禁止や頭髪ルールは解体されて、さらに自由な校風になってしまったので、他人に厳格な風紀委員だったノワールからすれば面白くないのだろう。彼は元風紀委員を中心に“純白の騎士団”を立ち上げて、学園内秩序の維持を保つボランティア活動をしている。ホイッスラーは父が営む会社から学園の売店にスキン用品を卸している関係でノワールと接点ができたことを思い出した。

 セークエンス学園には生徒と教師の架け橋役としての学生組織“大羊の徒”が存在していて、美のカリスマたちといわれていた。その“大羊の徒”にはホイッスラーという隕石がすべてを焼き尽くすまえに繁華を遂げていた会であった。現在はホイッスラーという圧倒的著名なトレンドのモデルが存在することで、有象無象の影響力は鳴りを潜めていて、実質的な学園運営は教務課に全権が移っていた。そのため“大羊の徒”から勧誘が絶えないのだが、目立たない方が周囲のためになると考えていたホイッスラーは無籍の状態であった。なかには交流のある者もいたが、“大羊の徒”は混沌よりの組織であったため、リスク回避のために表立った関わりは避けていたのだ。しかし、ジョアンナを口説く鍵となりうる“大羊の徒”主催の“学園祭”がある以上、いつか向き合わないといけない存在であることを認識していた。


ゲオルグ:明日の昼なんだけど、放送室にこいよ


                                 呼ばれたの?:ホイッスラー


ゲオルグ:時期部長にインタビューするシリーズの時期でさ、おれの番が来たわけ、前のやつが最近仲いいヤツを連れてきて、負けてられねえから。ホイッスラー呼べば勝ちじゃん!って


                              面白そうだから行く:ホイッスラー


ゲオルグ:流石!昼休み前にメシ食ってきた方がいいらしい。明日だから頼むぞ


                                   わかった:ホイッスラー


「えっ、ホイちゃんラジオでるの?じゃあ、サボらず学園いくね☆」

 画面を覗き見したビアンカ。背中に当たっていることに意識が向いてしまう青年。

「あんなの出るんだ。変わったなホイッスラー……そこでジョアンナに告白しなよ」

 ノワールは妙案を自身満満で薦めてくる。いうだけタダである。他人事では尚更に。

「考えておくよ」

 ホイッスラーは指をマッサージしながら屈伸をした。


「ところで君達変態はいつまで下着姿でいるの?」

 服を渡すノワールに彼らは苦笑いした。

ア、ア、アナルを観るときは~♪

部屋をあかるく離れてみてね♪

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