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タイトル未定2025/11/16 20:18

 資料室を出て、桐野と職場に戻ると永田が近寄ってきた。

「思ったんだけど……檜風呂なんて、どうですか?」

「檜風呂……」

 思いがけない永田の言葉に、俺と桐野は顔を見合わせて言った。

「檜風呂かぁ。忘れていた」

「やるぅ~永田!」

 永田は、へへと笑った。

「でも……此処の会社の工場って、檜風呂を作っていましたっけ?」

 桐野に聞くと、桐野はあごに手をやりながら言った。

「う~ん……作っていたような気もするけど……主任に聞いてみるわ」

 桐野は、主任のところへ行った。

「お~い!ハーブのミストサウナもあるらしいぞ」

 白鳥の声が聞こえ、永田と一緒に白鳥の席へ行った。白鳥の背後から、パソコンを覗き込む。

「へ~こんなのもあるんだ」

 ハーブのミスとサウナに、俺は感心した。

「この工場の場所って何処ですか?」

 白鳥は、パソコンの画面を見ながら場所を読み上げた。

「……また、遠い場所ですね」

 俺はため息をついた。

「仕方ないな。工場となると、どうしても広い土地が必要だからな」

 桐野が、主任のところから戻ってきた。

「一件だけ、檜風呂を作っている工場があったわ」

 思わず歓声があがる。

「でね……場所なんだけど……」

 桐野が言った場所に、俺は声を上げた。

「嘘でしょ!車じゃ、とても行けな所ですよ」

「こんなとこにも、此処の会社の工場があったんだ!」

 永田が呆れて言った。

 その時、主任がやってきた。

「今、健康ランドの方から明日二人に会いたいと言う電話があった。明日、二人で健康ランドに行ってくれ」

「はい」

 俺と桐野は、顔を上げて返事をした。

「十一時頃、来てほしいとのことだ。これ、向こうに行く詳しい地図」

 俺は、地図がコピーされた紙を受け取った。主任は、自分の席へ戻った。

 桐野と永田の前で、地図を広げる。

「高速使って、行くとして……七時頃出れば良いのかな」

 俺がそう言うと、永田は驚きの声を上げた。

「七時……はえぇ~」


 受付の仕事をしている友田桃子と杉尾由貴の所に桐野が通りかかると、友田が桐野に声をかけた。

「桐野さん」

 友田に呼び止められた桐野は立ち止まり、振り返った。

「健康ランドの仕事、決まりましたか?」

「えっ、知っているの?」

「永田君から、聞きました」

「永田から、聞いたんだ。健康ランドの仕事、決まったわ」

「凄い!」

「いよいよ明日、現地に視察に行くわ」

「何時頃、行くんですか」

「七時出発。早いなぁ。起きれるかなぁ」

 桐野の言葉に友田は笑い、桐野は受付の前を離れた。

 小さくなっていく桐野を見ながら、友田の隣にいた杉尾が言った。

「健康ランドの仕事、桐野さん石田君と一緒にやるのよね」

「ええ。永田君が、そう言っていました」

「ってことは、桐野さん石田君とずっと一緒なんだ」

 杉尾の言葉にハッとなった友田は、杉尾を見つめた。さらに、杉尾は続けた。

「明日は石田君、朝からずっと桐野さんと二人きりってことだよね」

 友田は息をのんで、杉尾の横顔を見つめていた。


 明日の朝早いと言うこともあり、定時に帰ることができた。

 寝坊しない為にも、早めに布団の中に入る。

 でも、部屋の片隅に語りかけることは忘れない。

「大きなプロジェクトを任されたよ。明日から、忙しくなるよ」

 そう言った俺は、思わず笑った。

「大丈夫だよ……どんなに忙しくても、忘れないから。おやすみ……」

 俺はやっと、眠りについた。

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