タイトル未定2025/11/17 22:28
アッシーことあつしと再会した俺は、アッシーが運転する軽自動車に乗って、アッシーが住むアパートに向かっていた。
あの頃のアッシーは、ロン毛茶髪のいでたちだった。
俺の隣でハンドルを握っているアッシーは、黒い髪をセミロング程度に伸ばし、後ろで一つにしばっていた。
車の運転をしているアッシーは、俺に聞いてきた。
「昨日、スタンドにいたよな?」
「気がついていたんだ」
「うん。どっかで見た奴がいるなぁ……って。ボーズだ!って、気付いた時には、もういなかったけど」
「そうだったんだ」
「腹へってないか?」
「仕事終わって直行したから、すげぇ~腹減ってる」
桂子 (けいこ)の手料理食わせてやる。腹いっぱい食え!」
「桂子さん……懐かしいな」
「俺達ちゃんと籍入れて、正式な夫婦になったんだ」
当時桂子は、アッシーの同棲相手だった。
美人で、やさしい女性。
「ボーズを連れて行ったら、桂子喜ぶだろうな」
「桂子さん、元気ですか?」
「ああ、元気だ。すっかり母親らしくなった」
「そうか……子供が生まれたんだった」
あの頃の彼女は、アッシーの子供を身ごもっていた。
子供の事をもっと聞きたかったが、それ以上聞けなかった。
アッシーは、俺の気持ちがわかるのか、何も言わない。
そう……俺もアッシーも懐かしがる半面、核心部分には触れなかった。
「昨夜スタンドに来た時、隣に女を乗せていたよな。もしかして、ボーズの彼女か?」
「ち、違います!職場の先輩です!」
「そうか。綺麗な女だったな。似合っていたぞ」
俺は黙ったまま、アッシーの言葉を聞いていた。




