表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/36

タイトル未定2025/11/17 21:40

 職場で俺は、電話の受話器を元に戻した。

 顔をあげ、桐野の方を見た。

 桐野も同じように、電話の受話器を元に戻していた。

 俺は、桐野の席に行った。

「桐野さん。明日健康ランドへ、前と同じ時間に行くことになりました。実際に入れる浴槽の候補と配置を、向こうに言います」

「了解。工場の方は、急ピッチで作ってくれるって」

「オープンは、十月かぁ……まだ間はあるけど、実際あっと言う間に十月なんて来るもんな」

「そうね。じゃ、明日は前と同じ七時集合ね」

「はい」


 昼休み、廊下を歩いていると桐野の友人で、総務部の松本弘美と会った。

「よっ、久しぶり。居酒屋以来だね」

「こんにちは、松本さん」

「大きなプロジェクト任されて、忙しそうね」

「ええ……まぁ」

 歩きかけた時、突然背後から松本に衿首を掴まれた。

「うっ!」

 首を絞められたような感じになって、俺はうめいた。

 ……なんなんだよ?……。

 手を離した松本は、背後から素早く俺の目前に回ってきた。

「桃子と、良い関係になった?」

「なんのことですか?」

「恥ずかしがんなくてもいいよ」

 松本の言葉に、俺はため息をついた。

「どうしたの?何か悩みでもあるの?お姉さんが、なぐさめてあげよっか?」

 俺はすねた子供のように、横目で松本をにらんだ。

 職場に戻り、自分の席に着く。

 松本に、襟首を掴まれた首がまだ痛む。

 痛みをこらえながら、パソコンのスリープを解除した。

「いっしださん!」

 背後から、永田が腕を回してくる。

「わあぁ!」

 俺は、思わず大きな声をあげてしまった。

「あのな……」

「なんすか?」

「なんでお前はいつも、いつも、いつも俺の背後から脅かすんだ!」

 永田は、きょとんとした顔をしている。

「聞いてる?」

 すると、視界が真っ暗になった。

「わあぁっ!」

「だ~れだぁ!」

 背後で、誰かが目隠しをした。

 俺は、目隠しをしていた手を振り払った。

「白鳥さん!」

「あったりぃ!」

「何するんですか!」

 永田が大笑いをしている。

「照っ!笑いすぎだ!」

 俺は永田の頭をたたいた。

「痛いなぁ……白鳥さん、石田さんなんか機嫌が悪いんすよ」

 面白くないという顔をして、永田は自分の席に行った。

 永田が居なくなると、俺の隣の席に白鳥が座り、俺に言った。

「石田のお兄さんの子供……」

「真理乃?」

「可愛かったなぁ。子供かぁ」

「もしかして、結婚相手がいるんですか?」

「おお、数え切れないほどな。子供はまだ欲しくないけど、真理乃ちゃんみたいな、可愛い子が生まれるなら考えるな」

「贅沢ですね」

「石田は本当に友田のことを、なんとも想っていないのか?」

「友田さんに限らないけど、女の人と付き合ったら、気を使って疲れそうだ。一人の方が、気が楽です」

「石田も意外と、わがままだな。俺達は、この先独身貴族だな」

「わがままは認めるけど、貴族ではないでしょ」

 白鳥は笑いながら、パソコンに向かった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ