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2012年〜あの花の名前を私はすっかり忘れてしまったよ〜

今回は各地での戦いを書いている・・・ので、毎回書かれる場所が変わるのでわかりづらいかも。

後半からは物悲しい人魚のストーリーが始まるぞ。

ダークラ「さて、そろそろ来るころだ」


ダークラがそういうと、三人の男がやってきた。


アルファ「ダークラ、来てやったぞ」


ベータ「ダークラ殿、宇宙の次はどこへ派遣するつもりですかな?」


ガンマ「戦いに行く前に、家族と会いたい。・・・ダメ?」


ダークラ「よく来てくれた!」


アクア「あれ?ヘルクライム78柱にこんな人達はいなかったような・・・」


アルファ「お前が知らないのも無理はない。我らは極秘部隊なのだからな」


ベータ「つい最近まで宇宙を探索していた。が、最近になって帰還したのだ」


ガンマ「地球に危機が訪れると察してな」


ラスク「実際、地球に危機が迫っているのだがな」


ダークラ「今の状況は・・・」


始皇帝、隣国を攻める可能性あり。特にブータン、ベトナムが攻められると考えられている。


アガメムノンVSヘクトル。ヘクトルが押されている。


クラウディウス2世、ウィーンを包囲。


ナポレオンVSラスプーチン。ラスプーチンが怪しい。


ダークラ「今の状況はこんな感じ」


ベータ「うーん、ブータンとベトナムを護りに行ったほうがいいねぇ・・・」


アルファ「別々に援軍に向かったほうがいいだろう・・・」


ラスク「ならば、俺とダークラとマヤミはヘクトルの援護に向かおう。未來はオーストリアのウィーンへ向かえ。アクアとゼブラスはブータンの援護へ。そちらのお三方はベトナムの援護を頼む」


ベータ「うーん、部隊の編成は軍師に任せてほしいねぇ・・・」


未來「とりあえず、行くか」


ダークラ「では、速めに一段落したグループは、他の味方の援護へむかえ」


マヤミ「わかった・・・」


こうして、各グループは敵の迎撃へむかった。ゼブラス父娘は、一足先にブータンの地を訪れた。


アクア「父さん、ブータンに着いたよ」


ゼブラス「ここが・・・天空の国か?いや、私が知っている天空の国はもっと高い場所に存在する」


アクア「やれやれ・・・。記憶があるのかないのか・・・」


ゼブラス「ん・・・あそこに豚がいるぞ?」


ゼブラスが指差す先には、豚がいた!


ブタ丸「無菌豚として日本のゴージャスな環境で育てられてきたが、食われると知ってこの豚の国へやって来たはいいが・・・。逃亡するのに必死で、何も食っていなかった。腹が減ってもう動けねえ・・・」


アクア「あの豚、ブータンを豚の国って呼んだ!国辱に値する愚問だわ」


ゼブラス「でも、ブータンを表す漢字は豚なんだよね」


アクア「えっ!?本当??」


ゼブラス「シリアを漢字で表すときは“尻”だったりするし」


アクア「初耳だわ・・・」


ゼブラス「私の記憶が正しければ・・・の話だが」


アクア「おい・・・」


ブタ丸「なんだありゃ?白黒の妖魔と青髪の女が漫才をやってるぞ?

こりゃちょうどいい・・・」


ブタ丸はそういうと、二人の前にやって来た!


ブタ丸「なあ!仲間になってやるからさ、何か食わせてくれ!!」


アクア「あーあ、気づかれちゃった・・・」


豚が話しかけてきたので、アクアは無理難題を言って追い払うことにした・・・。


アクア「あなたがその肉を分けてくれれば酢豚を作ってあげる!」


すると、豚はこう言い返した!


ブタ丸「じゃあ、俺様から一滴も血を出さずに肉を取り出せるのならばどうぞ?」


アクア「ぐっ・・・。このブタ、なかなかのキレ者!?」


ゼブラス「あまり豚を馬鹿にするな。豚は意外と頭がよかったりする」


ブタ丸「おうよ!俺様はとある施設で教養された豚だからな!!いつの日か喰われると知って逃げ出してきたのさ」


アクア「大体なんで、ブータンまで逃げてきたの??」


ブタ丸「いや、それは・・・ただ何となく・・・かな?」


ゼブラス「ならば中国へ逃げればよかっただろ」


ブタ丸「あそこに行ったら瞬時に襲われて喰われるわ!」


アクア「あれ?そういえば私達ってなんのためにこの国へ??」


ブタ丸「あ?お前、若いのに目的を忘れちゃったのか?青髪ってほんとバカ」


ゼブラス「始皇帝が攻めてくる。それを止めるために来た」


アクア「ああ、そうだった!ここの景色はきれいだからすっかり忘れちゃったよ!」


ブタ丸「そんなことよりもさ!早くメシくれ!!」


アクア「あんたは記憶力がいいのね」


一方、トルコのカッパドキアではアガメムノン率いるギリシャ軍とヘクトル率いるトロイ軍が激闘を繰り広げていた。

トロイ軍の総大将・ヘクトルは本陣で考え事をしていた。


ヘクトル「ギリシャ軍・・・。確かに強いが、あのアキレウスがいないのならば、こちらにも勝機がある!」


アンドロマケ「あなた、お客様ですよ」


ヘクトル「一体誰だ?こんな緊急事態に」


ダークラ「ヘクトル、来てやったぞ」


マヤミ「私達が来ればもう安心です!」


ヘクトル「おお!あなた方は!!」


ダークラ「俺がいれば、あんな奴らはちょちょいのちょいさ!」


ダークラはそういうと、ギリシャ軍に向かってビームを放った!すると、ビームが大爆発してギリシャ軍は壊滅した!!!


ダークラ「・・・だろ?」


ヘクトル「(((( ;゜Д ゜)))」


マヤミ「すごい!武者震いしてる!!」


アンドロマケ「そういえば、私達のかわいい息子はどこにいるのだろう?」


その頃、ギリシャ軍の陣営は・・・。


アガメムノン「ええい!トロイはいつの間にあのような兵器を!?」


オデュッセウス「敵陣の行動を読めなかったばかりに・・・。オデュッセウス一生の不覚!」


アガメムノン「弟のメネラオスはヘレネと一緒にエリシオンとやらに行ってしまって不在だし・・・。奴らに勝つにはやはりアキレウスの力が必要だ!なんとしてでも見つけだせ!」


オデュッセウス「アガメムノン、やはり我らがやっていることは間違っている!今なら引き返すことも・・・!」


アガメムノン「黙れ!!!ギリシャをここまで落ちこぼれにした奴らを許しておけるか!!!」


オデュッセウス「ギリシャが破綻したのは、公務員とやらの割合が多かったからと聞きます!早い話が自滅です!!」


アガメムノン「それでも!!!ロクに救いの手を差し延べなかったヨーロッパを、ユーラシアを、そして世界の国々を・・・許しては置けぬ!!!」


オデュッセウス「どうか・・・どうか!ギリシャが破綻した理由をご自分でググってくだされーーー!!!」


ギリシャ軍が混乱しているころ、ウィーンでは古代ローマ軍と音速マンが戦っていた!


音速マン「くそ・・・何なんだこいつらは!?倒しても倒しても蘇るぞ??」


カリグラ「くくく!そいつらは死霊を砕かぬ限りは何度でも蘇れるのさ!」


音速マン「マリー、死霊の砕き方知ってるか?」


マリー「知らないよ、そんなの〜」


カリグラ「その娘をくれたら、三日間だけ停戦してやるぞ?」


音速マン「何を馬鹿げた妄言をほざいてやがるこのロリコンめが!!!」


音速マンはカリグラに殴り掛かった!がカリグラは難無くそれを避けて音速マンを切り付けた!音速マンはその場へ倒れ込んでしまった!


音速マン「ぐっ!」


マリー「パパ!」


すると、ちょうどそこへ未來が到着した!が、音速マンとの距離はかなり遠かった。


未來「あっ!音速マンがやられている!!急いで合流せねば!」


マリー「うえーん、パパァ〜!!(泣」


カリグラ「俺のハーレムへ来い!そうすれば父親の命だけは助けてやる!!そのかわり・・・二度と歩けなくなるがな!」


カリグラはそういうと、音速マンの足をぶった切ろうとした!


マリー「いやー!誰かーー!!パパを助けてーーー!!!」


未來「このままでは・・・間に合わ・・・!」


すると、カリグラのほうへ向かって氷の槍が飛んできた!


カリグラ「誰だ!?俺のお楽しみを邪魔する野郎は??」


カリグラが槍の飛んできた方角を見ると、そこには氷でできた体を持つ男が立っていた。その男はかつて天魔王として活躍していたゼイドだった!


ゼイド「邪悪な気配を感じ、訪ねてみたが・・・。まさか、ローマ皇帝が黄泉から舞い戻っていようとは・・・」


カリグラ「うぜえよ!超うぜえよ!!お前が来てなければ、こいつの妻と娘、メイド、男装の麗人をモノにできたってのによーーー!!!」


カリグラはそう怒鳴り散らすと、アンコウのような化け物に変身した!


カリグラ「てめえらまとめて喰っちゃるーーー!!!」


未來「ぜえぜえ・・・やっと着いた!って、げえ!!ご先祖様!?」


ゼイド「お前に氷剣・ヤマビコを託したというのに、何たる様だ・・・。

おや?もう片方は・・・バートルが持っているはずの雷刀・ナルコ!なぜお前がそれを??」


未來「それは・・・話せば長くなる・・・」


カリグラ「ごちゃごちゃ言ってねーで、俺様の胃袋の中へ入って行きやがれーーー!!」


ゼイド「話は後だ。さっさと奴を仕留めるぞ!」


未來「わかっているさ」


未來はそういうと、氷剣・ヤマビコをカリグラに投げつけ、カリグラを氷漬けにした!そして雷刀・ナルコで切り刻んだ!そして最後にワサビの入った熱いお茶を頭上からかけた!


カリグラ「・・・ぶぁちゃちち!てめえ!!さっき何をしやがった!?」


未來「どうやら死んだことに気づいていないようだな」


カリグラ「んだと〜?・・・あっびかわばらばびーーー!!!」


カリグラはそう叫んで爆散した!


未來「カリグラ・死のありえんティー・・・ってね!」


ゼイド「確かに、ワサビ茶なぞありえないからな。少なくともカナダ在住の私にとっては・・・」


マリー「そんなことより、早くパパを助けてあげて!」


音速マン「くっ、病院へ行くにも敵に囲まれていては・・・」


未來「病院ってどこの病院?何なら、僕たちが突破口を開くけど??」


音速マン「俺はカナダにあるタングステン病院しか行かない」


ゼイド「そうなのか・・・。ならば、私が連れていこう!未來はここで敵の攻撃を防いでいてくれ」


ゼイドはそういうと、音速マンをおぶってカナダまで飛んで行った・・・。


未來「まだこの雷刀を手に入れた話をしていないのに・・・」


マリー「話なんていつでもできるでしょ?今は目の前の敵を倒さないと!」


未來はそういわれ、無限に現れるローマ兵を相手に延々と戦い続けた。


未來「・・・賽は・・・投げられた・・・」


マリー「何を言ってるの?」


未來「いや、何でもない・・・」


一方、敵陣のローマ皇帝達は・・・。


クラウディウス2世「どうやらカリグラがやられたみたいだ・・・」


コンスタンティヌス「カリグラ・・・。たしか奴はネロの父の遺産を横取りしたとか・・・。もしかして、あいつが死んでせいせいしたかい?」


ネロ「そうでもないな。俺の親父はマジキチだったから、むしろ遺産をもらってくれて嬉しかったさ」


クラウディウス2世「確かネロとアウグストゥスは血が繋がっていた気がする・・・。どっかで聞いたことがある気がするんだが、そこんとこどうだい?」


ネロ「お袋の母がアウグストゥスの孫娘だったとか・・・」


アウグストゥス「まさかこの男が私の孫の孫だとはな・・・」


クラウディウス2世「そういえばカエサルはブルータスのことはまだ恨んでいるか?裏切りを憎しむか?」


カエサル「やつに暗殺された時に気づいたのだ。自分は間違った道を歩んでいた・・・とな」


クラウディウス2世「死んでからじゃなきゃ気づけないこともあるよな。俺なんか、死んでもなお・・・」


ネロ「お前は別に、俺やカリグラのように暴君として語り継がれてはいないだろ」


コンスタンティヌス「そうですよ!おいらは父祖のことを尊敬してるぞ!」


クラウディウス2世「俺もお前と同じ、キリスト教徒を迫害していた。そのうちの一人・バレンタインを処刑したのが間違いだった・・・」


ネロ「俺は殺したキリスト教徒の数は覚えない主義だが?」


クラウディウス2世「バレンタインを慕っていた者が、奴の命日にチョコレートを贈るという習慣を創りだし・・・。今、その習慣によって苦しめられている者達がいるのだ・・・」


アウグストゥス「それはあれだな、皇帝を陥れるためのキリスト教徒の罠だな」


コンスタンティヌス「まあ、その後においらがキリスト教を公認したんだけどね」


ネロ「おい・・・」


クラウディウス2世「結婚禁止令を出していた時が絶頂だった。非リア充達が俺のことを神だとか言いながらゴート人との戦いでいい働きをしてくれた。

だが、バレンタインを処刑した結果、リア充共がいちゃつく日・バレンタインデーが創らてしまった。


つまり俺は非リア充の味方でもあり、リア充の味方でもあるという微妙な立場になってしまった・・・」


アウグストゥス「そんなんでクヨクヨしてたのか?こちとら、誕生日が8月という理由で8月30日の所を一日増やした結果、閏年っていうわけがわからないものを創り出してしまったんだ。こっちのほうが混乱するだろ」


カエサル「いや、お前は偉大な存在だ。8月31日は夏休み最後の日。宿題をさぼっていた子供達にとっては最大の防壁。お前は子供達に最後の夢と希望を与えた英雄だ!」


クラウディウス2世「そういやカエサルってクレオパトラと・・・。いや、仲間割れしている場合ではないな・・・」


コンスタンティヌス「それより次は誰が行くのさ?」


カエサル「ならば私が行こう」


クラウディウス2世「そういや、カリグラを倒した男は二刀流で、電気の刀と氷の剣を使ってくるらしい。

勝てるか?」


カエサル「・・・賽は・・・投げられた・・・」


カエサルはそういうと、ウィーンにある音速マンの屋敷へと向かった。


その頃、イギリスは黒ひげに襲撃されていた!


黒ひげ「グハハハハ!お宝よこせーーー!!!」


フローラル「ゼハハハハハって笑わないんだ・・・」


ギゼン「そっちの黒ひげじゃないって」


黒ひげ「よっしゃ!いっちょアレやるか!!」


フローラル「まさか地震や闇の力を使うつもりか!?イギリスは耐震強度が低いから、デカイの来たらまずいぞ!」


ギゼン「だから、あっちの世界の黒ひげじゃないってば!」


黒ひげ「うっしゃ!準備できたど!」


なんと黒ひげはタルの中にスタンバイした!


部下「へへへ!いきまっせーーー!!」


部下はタルにナイフを刺した!


フローラル「???」


部下「次はおまはんのターンでっせーーー」


フローラル「・・・刺していいのか?」


黒ひげ「早くぶっ刺しておくんなせ!美人の奥さん」


フローラル「それじゃあ、刺すね!そりゃ!!」


ブスッ!


黒ひげ「えひゃい!」


部下「さあ、次は弟はんのターンでっせーーー」


黒ひげの弟「兄さん、本当にいいのかい?」


黒ひげ「俺の尻のほうをぶっ刺してみろ!」


黒ひげの弟はそう言われると、黒ひげの背後に回った!


黒ひげ「さあ、一気にナイフを刺してみろ!」


黒ひげの弟「それじゃあ・・・刺すよ・・・」


黒ひげの弟はナイフではなくピストルで黒ひげの尻を撃った!


黒ひげ「ヒーハー!!」


黒ひげはタルから飛び出し、尻から火を出しながら宇宙の彼方へと飛んで行った・・・。


黒ひげの弟「・・・」


フローラル「・・・」


ギゼン「・・・」


部下「やりまんなー」


ちょうどその頃、ベトナムのアルファ・ベータ・ガンマは、始皇帝の軍隊と激しい激闘を繰り広げていた!


ベータ「こいつら、青銅でできた人形なのに・・・人間のように動けるんだな・・・」


ガンマ「切り刻んでも、熱で溶かしても、瞬く間に人間の形になって襲い掛かってくる!まるで永遠の命を手に入れたかのように・・・!」


アルファ「つまらん・・・。無限に生き返るだけの人形と戦っているだけなど、つまらん」


するとそこへ、もじゃ毛の男が現れた!


孫皎「えらく深刻な顔しとるやんけ。俺と戦わんか?」


アルファ「貴様は誰だ?」


孫皎「俺は孫権のいとこ・孫皎や。呉が始皇帝の属国になってもうたから始皇帝軍を指揮しとるんじゃ」


現代の中国に蘇りつつあった魏呉蜀は始皇帝の圧倒的な力によって瞬く間に属国になってしまった・・・。

孫皎は属国になった呉のために始皇帝の一軍を率いてベトナムへ進行してきたのであった・・・。


孫皎「これも呉のため、兄やんのため・・・。だから、お前らの首を土産に持って帰らなあかんのや」


アルファ「『俺の首を土産に持って帰ってください』・・・の間違いだろ」


孫皎「ああ?何言うとんねんワレ」


アルファ「どうやら死ななきゃわからないようだな」


孫皎「それはこっちのセリフや!!」


孫皎はそういうと、剣を構えた!


孫皎「喰らえ!円環乱舞!!!」


孫皎は回転しながら円を描くように剣を振り回した!


アルファ「厨二に対する言葉なし!!!」


アルファはそういいながら、円環乱舞を全て防いだ!

それどころか、とてつもない力で孫皎の剣を粉砕した!


アルファ「これでわかったはずだ。お前が戦っている相手は、この星ではおさまりきれないほど強大な存在だということに・・・」


孫皎「まだじゃ!まだ最後の切り札がある!!!」


孫皎はそういうと、巨大なキャノン砲を取り出した!!


孫皎「喰らえ!!俺の最強最高の必殺技!!!


最終銃撃!!!!!」


孫皎はそう叫び、キャノン砲をアルファに向かって放った!!


バゴオオオオオオン!!!


キャノン砲はアルファに直撃した。


孫皎「やったか!?」


孫皎はアルファを倒したと確信していた。しかし、その期待も虚無の彼方へと消えた・・・。


アルファ「さっき戦ってきた連中よりは“少しだけ”骨はあったな・・・」


そんな声が聞こえたかと思うと、煙の中から無傷のアルファが現れた・・・。


孫皎「あ、アホな!あの大技はたとえ相手が呂布でも瞬殺できるほどの威力やで!?」


アルファ「お前はまだ気づいていないようだから言っておくが・・・。お前は剣を粉砕されたあの時に、私に斬られて死んでいたのだ・・・」


孫皎「何を言うとんねん。俺はまだピンピン・・・」


孫皎がそうつぶやいた瞬間、彼の腹部は爆破し大きな穴が空いた。


孫皎「アホな・・・。さっきまで痛くも何ともなかったのに・・・!なして・・・!?」


アルファ「答えは単純。あの時、破壊されたのが剣だけであったがために肉体が攻撃されたと思いこまなかった。つまり体が斬られたことやその痛みに気づけなかっただけ・・・」


孫皎「マミさん・・・。厨二病の真髄、俺のは序の口だったんですか?

それとも・・・あいつの『地球にはおさめきれないほどの強大な力』とやらが厨二を上回ってるんですか??」


はかない夢物語をつぶやいているうちに、孫皎の体は忘れていた激痛を思い出した・・・。


孫皎「ダメや・・・体が痛くて・・・もう動けん・・・。

志半ばで厨二の真髄を極められへんかった。マミさん、堪忍な・・・」


アルファ「最初から首を渡していれば痛い目にあわずに済んだものを・・・」


アルファはそういうと、孫皎の首に向かって剣を振り下ろした。


スパアアアアアン・・・


孫皎「あ・・・。俺の首が、ティロ・フィナーレや・・・」




孫皎の首はロケットよりも速く、宇宙の彼方へと飛んで行った・・・。


ベータ「まっ、お見事ですな」


ガンマ「アルファは確かに強い。しかし・・・」


孫皎がやられたからか、始皇帝軍は撤退していった・・・。

その頃、ゼブラス達は・・・。


ブタ丸「いやぁ、ここのメシはうまい!けど、豚肉だけは出さないでね」


アクア「これでブタ丸が仲間に。やけに食費がかかる仲間ね・・・」


ゼブラス「結局、始皇帝軍は攻めて来なかった。あれはデマだったのか?」


ブタ丸「だとしたら、あとはあんたが記憶を取り戻すだけだな」


ゼブラス「それも・・・そうだな」


アクア「そうだ!ラグリアスさんのところへ行こうか?そこへ行けば何か思い出すかも・・・」


アクアがそう語りかけると、ゼブラスは意味深な一言を口にした。


ゼブラス「ラグリアス・・・。まだ目覚めていないか・・・?」


アクア「なにを言ってるの。あの人は一日中起きていてもおかしくないでしょ?」


ブタ丸「そんなことよりさっさと行こうぜ、そいつの家まで!」


こうしてゼブラス達はブータンを後にし、ラグリアスのいる神聖ラグリー帝国へと向かった。

ちょうどその頃、ナポレオン軍はロシアのラスプーチン軍まで進軍していた。が、あまりの寒さにほとんど進んでいなかった・・・。


フランス兵「うう・・・、カイロを貼ってきたのに寒い・・・」


ナポレオン「あの時の失敗を繰り返さぬため、防寒対策、食糧調達してきたというのに・・・」


ナポレオンはかつて失敗したロシア遠征を今度こそ成功させるために、様々な準備をしてきた。が、ロシアの極寒はそれを嘲笑うかのようにナポレオン軍を容赦なく襲った!


フランス兵「こうなったら、ストーブを付けよう」


フランス兵はそういうと、電池でも動く石油ストーブを持ってきた。


フランス兵「たしか、灯油を入れてこのボタンのスイッチを押せば着火するはず・・・」


フランス兵はポリタンクから燃料を入れたあと、着火ボタンを押した。



石油ストーブが大爆発した・・・。


ナポレオン「!?」


爆発した炎は周りのテントに引火し、次々と燃え広がった。そして食糧も燃えてしまった・・・。


フランス兵「食糧がなくなっては、腹が減って戦えねえ・・・」


ナポレオン「馬鹿な・・・我が軍が・・・!」


すると、どこからともなくラスプーチンが現れた!


ラスプーチン「これであなたは負けたも当然ですね」


ナポレオン「貴様!ストーブに一体何をした!?」


ラスプーチン「ストーブには何もしておりません。やったことといえば燃料を灯油からガソリンにすり替えたことぐらいです」


ナポレオン「何!?それでは、ストーブが爆発したのは・・・」


ラスプーチン「ストーブにガソリンを使えば爆発します。まさかその爆発だけであなたの軍が壊滅するとは・・・」


ナポレオン「くそぅ・・・。また一つ、不可能ができてしまった!!」


ラスプーチン「人と言うのは不可能に直面し、それを乗り越えるために苦労して、初めて強くなれるものなのです。

あなたの辞書に不可能という文字がない限り、あなたはずっと強くなれません・・・」


ラスプーチンはそういうと、荒れ狂う猛吹雪の中に消えていった・・・。


フランス兵「これ以上進軍するのは危険です。ここは撤退するべきでしょう・・・」


ナポレオン「不可能に直面しない限り強くなれない・・・か」


ナポレオンは何かを悟り、おとなしくフランスへ帰還した。

一方、ダークラ達は・・・。


ダークラ「もうトロイ軍は勝ったようなものだから、宴でも開くか?」


ヘクトル「いいねぇ〜」


アンドロマケ「うわあああん!!私のかわいい子供がどこにもいないーーー!!!(泣」


マヤミ「どうしたんだろう・・・?」


ヘクトル「そういえば息子が見当たらない。どうしてだ?」


アンドロマケ「あなたが死に、トロイが落城した時に・・・息子は殺されたの・・・」


ヘクトル「殺された?だが、みんな生き返ったのだ。息子も生き返っているはず。なのになぜ?」


ラスク「それは・・・生き延びて別の場所で死んだからさ」


なんと、ラスクがどこからともなく現れた!


アンドロマケ「生き延びた?どういうことなの???」


ラスク「オデュッセウスはお前達の息子・アステュアナクスを殺した。・・・表ではな」


ダークラ「表では?」


ラスク「まだ幼いアステュアナクスは、オデュッセウスの計らいでとある家庭の養子に出された」


マヤミ「とある家庭?」


ラスク「そしてアステュアナクスはその家庭で育ち、天寿を全うした」


アンドロマケ「生きていただけでも・・・うっ(泣」


ラスク「そしてアステュアナクスの血は今もなお続いている」


ダークラ「続いているって・・・?そいつらは今どこに?」


ラスク「ここにいるだろ。ここに・・・」


マヤミ「ここにいるって、まさか・・・!」


ラスク「そう。つまり、俺ら裁木家にはアステュアナクス、そしてヘクトルの血が流れている」


ダークラ「な、何だってーーー!!!???」


衝撃の事実を知ったダークラはかなり驚いた!


ヘクトル「これも天命・因果なのか?」


ダークラ「なんで今まで黙っていたのさ!」


ラスク「いつか教えてやろうと思っていたが、かなり長引いてしまったな」


マヤミ「トロイの血は・・・途絶えていなかったんだ!」


ラスク「そしてもう一人の英雄の血がお前らには流れている。俺の体には流れていない血が・・・」


ダークラ「もう一人の英雄ってのは一体誰なんだ?」


ラスク「その者の名は・・・」


と、いいところでローマ皇帝のところにかわる。


アウグストゥス「ところでカエサルは・・・我が養父は大丈夫だろうか?」


クラウディウス2世「さすがにカエサルが行けばウィーンを陥落させることができるだろう」


ピンポーン


コンスタンティヌス「おや?誰かお客さんが来たみたいだよ」


クラウディウス2世「俺が出る」


クラウディウス2世は玄関を開けた!そして、驚愕した!!


クラウディウス2世「お、お前はーーー!!!」


玄関にいたのはローマ建国の礎を築いたとされる英雄・アイネイアスだった!!


ネロ「トイレ中に騒がしいな・・・。げえっ!アイネイアス!!」


アウグストゥス「やべえ!あの方の前では無礼などできぬ!!」


コンスタンティヌス「ん?あのおっちゃん誰?」


クラウディウス2世「バカ!!控えなさい!!!」


4人の皇帝は、狭い廊下でアイネイアスの前に平伏した!


アイネイアス「実はギリシャのアガメムノンが怪しい行いをしている。それを止めるために協力してはくれないか?」


4人「はい!喜んで!!」


アイネイアス「こんな時、ウィーン包囲に戦力を集中している場合ではないだろ。至急、ウィーンへ向かっている戦力を呼び戻してきてくれ」


クラウディウス2世「わかりました!行ってきます!!」


クラウディウス2世は巨大なワシに変身して、ものすごいスピードでウィーンまで飛んでいった・・・。

というところで、ラスクの話に戻る。


ラスク「・・・というわけだ」


ダークラ「まさか、ローマの英雄であるアイネイアスの末裔が母・アリシアだったとは・・・」


ラスク「誇れ!二人の英雄の血が流れていることを!そして知れ!!世界の想いを!!!」


ヘクトル「なにやら話が壮大になってきたな」


マヤミ「ですね〜」


そんなこんなでギリシャでは・・・。


アガメムノン「くそ・・・。アキレウスはまだ見つからないのか?」


オデュッセウス「アキレウスが見つかったという情報はありませんが、ただ・・・」


アガメムノン「ただ、なんだ?」


オデュッセウス「・・・いえ、何でもありません」


オデュッセウスは「アキレウス似のごつい女」を見かけたという情報を聞いて、アキレウスは女装して身を潜めているのだと察した。

が、アガメムノンは男の娘や女装子に興味がない男だったので話しても無駄だと思い、教えるのをやめた・・・。


オデュッセウス「木下秀吉をご存知か?」


アガメムノン「お前はオカマにしか興味ないのか?(笑」


オデュッセウス「〔心の声:男の娘の良さを否定された。もうこいつにはついていけない。いつか謀反おこそう〕」


オデュッセウスはアガメムノンに殺意を抱いた。

その頃、ウィーンでは・・・。


未來「ローマ兵が・・・退いていくぞ?」


マリー「どうしたんだろう?」


するとそこへクラウディウス2世が現れた!


クラウディウス2世「久しぶりだな・・・未來」


未來「お前は!・・・誰だ??」


クラウディウス2世「似た者同士なのに忘れられるとは・・・悲しいな」


クラウディウス2世はとぼとぼと帰っていった・・・。


マリー「あの人、未來さんに似ていたけど?」


未來「あれ?会ったことあったっけ??」


未來が首を傾げていると、ゴッドマザーが屋敷から出てきた。


ゴッドマザー「やっといなくなったかい、あのバカ共」


マリー「あっ!おばあちゃんだ!!」


未來「おばあちゃん?・・・確か音速マンには物凄く強い母親がいると聞いたことがあるが・・・。まさか、その人が?」


ゴッドマザー「イケメンだねえ、そこの兄ちゃん!

でも、うちのと比べると可愛らしい顔に見えるな」


マリー「うん!うちの“お兄ちゃん”のほうがカッコイイよね!!・・・はっ!!!」


未來「おいちょっと待て。確かに、女装が似合う顔はしているが、いいたいのはそっちじゃない。




マリーって兄弟いたの!!??」


マリー「うん、いるんだよ。マヤミ従姉ちゃんより一つ年下のお兄ちゃんが!

でもね、おばあちゃんが皆には内緒にしないといけないって言うからずっと黙ってたの」


未來「それを・・・なぜ今さら?」


ゴッドマザー「ついに訪れたのじゃ。鍛錬した成果を見せる時が・・・」


未來「・・・?」


ゴッドマザー「まあ、会ってみればわかるだろ」


ゴッドマザーはそういうと、未來をマリーの兄のもとへ連れていった。


ゴッドマザー「着いたよ」


未來「ここは・・・」


未來は屋敷の中央にある広い庭に到着した。


未來「こんなに広い庭が・・・。そして童話に出てくるような神秘的な雰囲気を感じる」


ゴッドマザー「おいでや、瞬速マン!」


ゴッドマザーがそう叫ぶと、巨大なつむじ風が吹き荒れた!そしてその中から音速マンに似た仮面をつけた男が現れた!!


瞬速マン「どうしたんだい?ばあちゃん・・・」


未來「君が・・・マリーの兄、音速マンの息子・・・瞬速マン」


瞬速マン「お前が従姉マヤミさんの彼氏かい。いい顔してるな」


未來「君はどんな顔をしてるんだい?仮面をかぶっていてはわからないよ」


瞬速マン「それもそうだな」


瞬速マンはそういうと、仮面を外した。その顔は父に似てかなりのイケメンだった!


未來「確かにイケメンだけどさ・・・。僕のほうがもっと・・・」


瞬速マン「お前もイケメンだが、どっちかっていうと女装子向けの顔だな」


未來「僕は女装趣味なんかないよ!」


瞬速マン「生憎だが俺も女装野郎には興味ないし、擦り寄ってくる意地汚い女にも興味ない。

あいつが待っているから・・・」


未來「あいつが待っている?」


瞬速マン「これを・・・いつの日か返すために!」


瞬速マンはそういうと、ポケットからネックレスを取り出した。ネックレスは青い綺麗な宝石が使われていた。


未來「それが・・・?」


瞬速マン「そうだ。だが・・・これをくれたのは人間じゃないんだ。

これをくれたのは・・・人魚の少女なんだ」


未來「え・・・?」






それは17年前の話だった。

とある海に半魚人のオーシャンマンという男と、陸では半魚人で海では人魚として活動できるコーラルウーマンという女の夫婦がいて、二人の間に人魚の女の子が生まれた。

二人は娘にマリンと名付け、大切に育てようとした。


しかし、二人には心の迷いがあった。


オーシャンマン「ここの海も環境汚染で住み心地が悪くなった。はたして娘をこの海で育てられるだろうか・・・」


コーラルウーマン「では、陸上に住む人間に育ててもらうの?」


オーシャンマン「人間か・・・。彼らは信用ならん。この海を汚したのも人間なのだ。そして、自分達と異なる姿や性格をした者を容赦なく差別・迫害すると聞くが・・・」


コーラルウーマン「全ての人間がそのような酷い心の持ち主とは限りません。

善良な人間が拾ってくれれば、娘は大切に育ててもらえるはずです。それに陸なら海中の毒にさらされずに健やかに育つでしょう」


オーシャンマン「ならば信じよう、人間の心を。そして祈ろう、娘の幸福を・・・」


夫婦は決心した。汚染された海で育つより、善良な人間の元で育ててもらうほうが娘のためになると・・・。

夫婦は住んでいる海から比較的近い港町にやって来た。そして生まれたばかりの赤ん坊を町外れにある神社へ置いていくことにした。


コーラルウーマン「こんな場所でいいのかしら。誰も来ないわよ、きっと」


オーシャンマン「善良な人間ならば赤ん坊の泣き声を聞いてここまでやってくるはず。それに人魚の赤ん坊は陸に置き去りにされても三日ほどは生きられる。もしも三日まで誰にも拾われなかった場合は、海に連れて帰って共に暮らそう」


コーラルウーマン「なんだか、残酷な気がします」


オーシャンマン「確かに残酷だが、娘の幸せのためだ。そろそろ娘が起きて泣き出す頃だ。我らは海へ戻るぞ」


こうして半魚人の夫婦は海へ帰った。それと同時に夫婦の娘・マリンは大声で泣きはじめた。


マリン「オギャア〜オギャア〜」


しばらくすると、神社の近くで土産屋を経営している老夫婦がやって来た。


おじいさん「赤ん坊の泣き声がすると思ったら、こんなところに赤ちゃんが捨てられているぞ」


おばあさん「かわいそうに。こんな寒い夜に置いてきぼりにされちゃったのかい?よしよし」


おばあさんが赤ん坊を抱き抱えると、赤ん坊を包んでいた布の隙間から魚の尾ビレが出てきた。


おばあさん「おじいさん!この赤ちゃんをよく見て!下半身が魚だよ!?」


おじいさん「おお!ということは人魚の子供か!?もしかしたら、子供がいないわし達のために神様が授けてくださったに違いない!」


老夫婦はそう考え、人魚の娘を家まで連れて帰った。老夫婦の家は貧しく、土産屋もあまり繁盛してはいなかった。


おじいさん「家は貧しいが、この娘がいるだけで元気が出てくるのう」


おばあさん「ところでおじいさん。この娘を包んでいた布に『マリン』と書かれていたんだけど、名前はそれでいいのかしら?」


おじいさん「きっとその娘の実の親が名付けた名前だろう。ならばこれからはこの娘をマリンと呼ぼう」


おばあさん「それでそのマリンがこんなものを持っていたんだけど」


おばあさんはそういうと、ネックレスを取り出した。


おじいさん「おお、綺麗なネックレスじゃ。うちにはもったいない!」


おばあさん「きっと実の親がお守りとして持たせたのでしょう。今は預かっておきましょう。マリンが物心つくまで」


こうしてマリンは老夫婦のもとでひっそりと育てられた。貧しくても、そこには笑顔があった。

10年がたち、マリンは美しい少女に成長した。このころからマリンは老夫婦の恩返しのためにロウソクに絵を描き、それを売るように奨めた。


マリン「おじいさん、おばあさん。これを売れば少しはお金になるでしょう」


おばあさん「まあ、綺麗な絵柄のロウソク!」


おじいさん「しかし、今の時代にこんなロウソクが売れるだろうか?」


時は2004年。アテネオリンピックなどがあった年だ。そしてとある菜々子が生まれた年でもある・・・。

老夫婦はそんな時代にロウソクなど売れるのかと半信半疑になったが、マリンが親孝行のつもりでつくってくれたロウソクなので、とりあえず店頭に並べてみた。すると、不思議なことにロウソクは高値で全て売れたのだ。


おじいさん「珍しいこともあるものだ。こんな時代にロウソクが売れるとはな」


おばあさん「こんなにものが売れたのが久しぶりだねえ」


マリン「喜んでもらえてよかった!」


おばあさん「そうだ。マリンに渡すものがあったわ」


おばあさんはそういうと、神棚に飾っていたネックレスをマリンに手渡した。


マリン「これは?」


おばあさん「それはね、あなたが赤ちゃんだったころに持っていたネックレス。多分、実の親があなたのために置いていったお守りなんだろうねぇ」


マリン「実の・・・親?」


おじいさん「きっとこの海に住んでいるかもしれないよ」


おばあさん「マリンは本当の親に会えなくて淋しくはないかい?」


マリン「淋しくなんかありません。私の親はおじいさんとおばあさんです。私を捨てた親なんか知りません」


マリンは生みの親より育ての親を選んだ。いかなる理由であれ、自分を捨てた実の親を少なからず憎んでいた。


マリン「私はおじいさんとおばあさんのためにロウソクに絵を描くね」


こうしてマリンはロウソクに絵を描くようになった。疲れた時は窓を開けて遠くの海を眺めていた。


マリン「本当のお父さん、お母さん・・・なんで私を捨てたの?私が邪魔だったの?」


マリンが涙目でそうつぶやいていると、同じ年頃の少年が窓の前を通り掛かった。ボソボソと独り言をいうマリンに、少年は話しかけた。


少年「おい、一人でぶつぶつ何を言ってんだ?」


マリン「えっ?ああ・・・、それは・・・」


少年とマリンは互いに顔を合わせた。その瞬間、二人は一目惚れしてしまった。


少年「か、かわいい・・・」


マリン「か、かっこいい・・・」


二人はしばらく黙っていた。恥ずかしくなったのか、少年は黙って帰ってしまった。


マリン「さっきまで何をやっていたんだっけ?・・・そうだ、ロウソクに絵を描いていたんだっけ」


マリンはそういうと、窓を閉めてロウソクに絵を描く作業に戻った。

マリンの絵ロウソクは日に日に売れ、一週間で一ヶ月分の売り上げ金が転がり込んできた。


おじいさん「まさかロウソクだけでこんなに儲かるとは・・・」


おばあさん「これでしばらくは楽ができますねえ」


マリン「おじいさんとおばあさんが喜んでくれるなら、もっと頑張る!」


マリンは健気にロウソクに絵を描きつづけた。全ては拾ってくれた恩を返すため。ただ、それだけだった・・・。


マリン「なんか日に日に疲れが・・・」


マリンは窓を開けて海を見つめた。海は穏やかで静かだった・・・。


マリン「もしも海で暮らしていたら、今頃はお魚さんと一緒に遊んでいたんだろうな。

・・・何を言ってるんだろう、私。海なんて恋しくないのに・・・。本当の親なんか嫌いなのに・・・。ううっ、ぐずっ・・・(泣」


するとそこへまたあの時の少年が現れた。


少年「そんなにメソメソしてどうしたんだ?かわいい顔が台なしだぜ?」


マリン「ううっ・・・。だって・・・」


少年「そういやお前、学校とかは行ってないのか?」


マリン「えっ?学校??私、学校なんて行ってないよ?」


少年「そうなのか?義務教育なのにな」


マリン「ぎ、義務教育!?」


少年「学校行ってないんじゃ、家で何をやってるんだ?」


マリン「ロウソクに絵を描いて、それを売ってもらってるの」


少年「へえ、あの絵ロウソクを作ってたのはお前だったんだ」


マリン「え?知ってるの、私の絵ロウソク?」


少年「ああ。お前の絵ロウソク、この港町じゃ知らない奴はいないぜ」


マリン「そうなんだ・・・」


少年「噂によるとあのロウソクを使うと、酷いシケでも無事に船が帰ってこれるらしいな!できれば俺も欲しいな」


マリン「だってまだ航海するような年齢じゃないでしょ?」


すると、少年の表情が少し淋しくなった。


少年「実はな・・・俺、母国へ帰らなきゃならなくなったんだ。今日がちょうどその日だったから、別れを言いに来たんだ」


マリン「えっ、そうなの・・・。せっかくお友達になれたのに・・・」


少年「少しの間だったけど、お前と会えて楽しかったぜ」


マリン「そうだ、お別れの記念に絵ロウソクをあげようかしら?」


少年「いや、いらない。飛行機で帰るから。それに売り物を勝手にもらうなんてできないさ」


マリン「それじゃあ、せめてこれだけでも」


マリンはそういうと、持っていたネックレスを少年に手渡した。


少年「こんな高そうな物、もらえねえよ・・・」


マリン「いいのよ別に。私には無用の長物だから」


少年「そんなことはないだろ。このネックレス、一体どうやって手に入れたんだ?」


マリン「実はね、それは私の本当の親が残してくれたものなの」


少年「本当の親が・・・残した?」


マリン「私は捨て子だったの。マリンっていう名前は私が包まれていた布に名前が書いてあったからそういう名前になったの」


少年「そうなんだ。そういやお前って、外に出たりとかしないのか?」


マリン「外には出てみたい。けど、私にはできないの・・・。

私、人魚だから・・・」


少年「な、なに!?」


マリンの突然のカミングアウトに少年は思わず絶句してしまった。が、すぐに冷静さを取り戻した。


少年「そうか、どうりで外に出ないし、学校にも行かなかったんだな」


マリン「うん。あと、私が人魚だというのはみんなには内緒だからね」


少年「ああ約束する。だが、それには一つだけ条件がある」


マリン「条件って・・・?」


少年「またいつか戻ってきた時にこのネックレスをお前に返す。だから、たとえどんなにつらいことや悲しいことがあっても、生き続けてほしい」


マリン「・・・わかった」


マリンはニッコリと微笑んだ。それを見届けた少年は家族と合流するために走り出した。すると、マリンが大声でこう言ってきた。


マリン「君の名前は、何て言うの!?」


それを聞いた少年は振り返ってこう叫んだ。


少年「速水瞬太・・・。瞬速の貴公子さ!」


瞬太はそういうと、ハイスピードで家族のもとまで走っていった・・・。


マリン「さて、ロウソクに絵を描かないと」


マリンは再び、ロウソクに絵を描く作業へと戻った。




7年後、マリンの頑張りによって老夫婦は大金持ちになっていた。


おじいさん「あの時のボロ家は高級な豪邸になり、一日三食ともご馳走になり、不自由など何一つなくなった。マリンを拾ってきて本当によかった」


おばあさん「粗末だった布団も今やセレブご用達の高級ベッドになり、狭かった風呂も足を伸ばせるほど大きなジャグジーになり、買い物へ行くときも徒歩ではなく高級なリムジンだし、マリンには感謝の言葉しかないよ」


マリン「う、うん・・・。おじいさんとおばあさんが幸せなら、私は・・・」


老夫婦は金持ちになった。しかし、貧しかった頃のあの笑顔はもうなかった。

老夫婦はいつしかマリンを娘としてではなく、大金を運んでくれる“商売道具”として見るようになった。

マリンが疲れて眠ったりしていると、「見世物として売り飛ばす」と言って脅しては無理矢理働かせたり、ロウソクの売り上げが少しでも悪ければ暴力を振るわれるようになった。


マリンはいつしか、実の親のことを想うようになった・・・。


マリン「お父さん、お母さん・・・。そして、瞬太さん。私を・・・助けて。うっ・・・うう・・・うわああああああん!!!」


とある港町のとある土産屋に住む人魚の美少女は、今日も作業部屋で涙にむせぶのであった・・・。






未來「・・・その約束を果たすために、鍛錬を?」


瞬速マン「ああ。あいつをあの老夫婦から救い出し、ネックレスを返すためにな」


ゴッドマザー「あの港町で絵ロウソクで成り上がった老夫婦がいると聞き、なにやら裏があると思ってスパイにリムジンの運転手をやらせ、老夫婦から情報集めさせて発覚したのだ。・・・まさか、人魚に強制労働をさせていたとは」


マリー「そのマリンっていう人魚、かわいそうだよ。早く助けに行こうよ!」


未來「では、今すぐ助けに行こう」


こうして、瞬速マン達はマリンを助けるために港町へ向かった。

その頃、港町の土産屋の老夫婦の元へ謎の男が訪ねていた。


謎の男「お宅に人魚がいるって話じゃないですか」


おじいさん「あ、あんたどこでそんな情報を!?」


謎の男「お宅で働いていたメイド、実はあの中にうちのスパイがいたのさ」


おばあさん「で、うちの人魚に何のようですか?」


謎の男「実は始皇帝が人魚の肉を欲している。人魚の肉には不老不死の力があるとされているからな。そこでこのうちにいる人魚を買い取りにきたのだ」


この会話を聞いたマリンは戸を開けて命乞いをした。


マリン「おじいさんおばあさん、私死にたくありません!いくらでも働きますから私を売らないで!!お願い・・・」


マリンは唇を震わせ、怯えた顔で泣きながら言った。

しかし、謎の男から見れば滑稽な茶番劇でしかなかった・・・。


謎の男「じいさん、ばあさん・・・。人魚は不吉な生き物ってのを知らないんですか?こんな奴をこの家に置いていたら、この先何が起きるかわかりませんよ?


あの人魚、100億円で買いますからそこをなんとか・・・」


おじいさん「100億円!?100億円ならばぜひ売りましょう!」


おばあさん「最近、仕事をサボるようになっていたんだよ。もう潮時だったからちょうどよかったよ」


かつて慕っていた老夫婦の口から心にもない言葉が飛び出し、マリンの眼からは涙しか流れなかった・・・。


マリン「うっうっ・・・。私がいなくなっても別にかまわないんだ・・・うっく、ひっく・・・(涙」


謎の男「さあ、行くぞ。始皇帝の食卓へ」


マリン「待ってください。最後に、最後にロウソクにあれを・・・」


マリンはそういうと作業部屋へ入り、ロウソクに色を塗りはじめた。色を塗られたロウソクはまるで生き血を塗ったかのように真っ赤であった・・・。


謎の男「では行くとしよう」


マリン「はい・・・」


謎の男がマリンを連れていこうとすると、老夫婦が立ち塞がった。


おじいさん「で、お金のほうは?」


おばあさん「置いていってくれなければその人魚は引き渡せませんよ」


それを聞いた謎の男は、半ば失望したかのようにこう言った。


謎の男「娘を取り戻すために立ち塞がったのかと思ったら・・・。所詮は金か・・・。

だから人間は大嫌いなんだ」


謎の男はそういうと、持っていた刀で老夫婦を切り裂いた!


おじいさん「じじゃあああ!!(死」


おばあさん「ばばわっ!!!(死」


マリン「!!!おじいさん!おばあさん!」


目の前で老夫婦を殺害されたマリンは半ば錯乱しかけた。しかし、彼女にとっての地獄はまだ終わらなかった。

屋敷の外へ出たとき、彼女の目に信じられない光景が飛び込んできた。


マリン「町が・・・燃えてる・・・。みんなが殺されている・・・」


マリンが住んでいた町は火の海となり、そこに住んでいた住民は皆殺しにされていた・・・。


謎の男「この港町がこうなったのも、お前が不吉な存在だからだ。お前が、この町に、不幸をもたらしたんだよ!!!」


謎の男はマリンに惨たらしい言葉を吐き捨てると、彼女を檻の中へ閉じ込めた。


謎の男「食材は活がいいほうがいい。中国まで生きたまま運ぼう」


謎の男はそういうと、檻を飛行機に乗せて港町を飛び立った。

ちょうどそのころ、瞬速マンは港町にたどり着いた。


瞬速マン「なんだこりゃ・・・。町中が燃えてるじゃないか・・・」


瞬速マンはマリンが住んでいた場所へ向かった。するとそこに、赤いロウソクが落ちていた。


瞬速マン「これは?」


瞬速マンがロウソクを眺めていると、女の半魚人がおぞましい形相でやってきた。


コーラルウーマン「貴様か・・・。私の娘を酷い目にあわせたのは!!!」


瞬速マン「な、なにを言ってるんだアンタ!?」


コーラルウーマン「ぐおおおお!!!人類に復讐してやる!!!マリンを陥れた罪を償わせてやる!!!」


瞬速マン「マリン・・・だと?」




続く

人魚の話の元ネタは「赤いロウソクと人魚」なのだが、この時代に絵ロウソクだけ売って大金持ちになれるものか?


そして、始皇帝に仕える謎の男の正体とは一体・・・?




題名、ほとんど関係ないじゃん・・・。

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