21:09
「え……」
私は驚きました。セブリーヌはルースヴェンさんを知っている!
「あ、いや……」
「やっぱりそうですわ! ほら去年! 去年の……やっぱりハロウィンのパーティー終わりに酔っ払った私を助けてくれた方ですよね? 絶対そうだ!」
「え? セブリーヌ、何それ?」
「あのねエレンっ。この方、私が家に帰る途中で酔っ払いすぎて足を踏みはずして車道に倒れちゃった時に、サっと助けてくれたのよ! 間違いないわ! 絶対そう! そうですよね!」
躊躇しているルースヴェンさんとは対象的に、セブリーヌは興奮を隠せません。
私は驚きました。
二人にそんなエピソードがあったなんて……。
「私、あの時のお礼を言わないとって、ずっと思ってたんです! でもすぐにいなくなっちゃったから何の手がかりもないし、あの時酔っ払ってたから、実は夢だった? とかまで考えちゃって……。でも、よかったあ~~。これでお礼が言えます! あの時は本当にありがとうございました!」
「あ、あ、いや、あの……」
こ~んなに固くなるんだ。ルースヴェンさん。もうガタガタじゃん。セブリーヌも嬉しそうだし……。これってけっこういい雰囲気なんじゃない?
……何か気持ちモヤっとするけど……
「……あのねっっセブリーヌ。この人とパーティーに行く途中で出会って、ちょっとこの人の体調が悪くって、なんだかんだしてたら、連絡できなくなっちゃって。ごめんなさいっっ!」
私はここで思いっきりデタラメをかましてみました。
ルースヴェンさんは少し驚き、セブリーヌはキョトンとした顔を見せましたが、
「……それ本当? そりゃ二人が並んでここにいるのが不思議だけど……」
思いっきり疑いの“まなこ”です。
「本当だってば! 今はこうして立ってるけど、さっきまでは足がふらついてて、救急車を呼ぼうかどうしようかとか、いろいろ道端でやってたり、ちょっとカフェに入ってお茶とか飲めるかとかやってみたり、いろいろしてたのっっ! 何か貧血気味かも知れないからってさっき病院に来たトコっっ。だからセブリーヌ! この方を一度診察してもらっていい? お金は私が出すからっっ」
「え? そりゃいいけど~……」
「え? エレンさん?」
ルースヴェンさんは戸惑いを隠せません。セブリーヌは何か疑問を持ちつつも、私の言葉を信じてくれたみたいです。
「じゃあ……えっと~……とりあえず診察室までいらっしゃいます? ちょっと今、私アルコールが入ってるからちゃんとは診れないかもですけど……。あ、エレンこれあげる」
私はセブリーヌからコーヒーの入った紙コップ二つを受け取りました。
そして「では行きましょう」とセブリーヌはルースヴェンさんを先導し始めました。
「え? え?」
ルースヴェンさんは連れて行かれながら私の顔を凝視しましたが、私は笑顔で見送ってあげたのでした。
二人が立ち去り、私は医院長室の前に一人。
さあ~……、何のプランもないぞお~っっ!
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました〜♪♪
次で少し話が動きますので、このままお付き合いいただくと嬉しいです♪♪
では本当にありがとうございました〜♪♪




