夢と未来と休む子と
「見つかったぞー!」
捜索隊と合流した直後、沸き上がる歓声がぼくたちを出迎えた。
肩透かしを受けて微妙な顔のぼくたちは、迷子の様子を見に向かう。
「なんでみんな騒ぐのさー!せっかく暗いところで眠りたかったのにー!」
子どものロブスターの精霊が元気な声が届く。
「大丈夫っぽい?」
「アニーちゃん、念には念よ。魔が来るかも」
おとねちゃんの声にゆるんだ気を引き締めなおす。
ひょんなことから魔はやってきて、さしてくる。
「魔法、使っちゃう?」
ぼくは眠たくなるとヒツジのぬいぐるみを抱く。
かんしゃく中の子どもを見て、おとねちゃんに提案する。
「うん、そうしよう。今、最もベストな方法を選ぼうよ。行くよ、せーの」
「花咲く音色の歌を聴き、ゆっくり眠れヒツジグサ」
言葉を重ねて魔法を底上げし、ぼくたちは魔法の子守歌を口ずさむ。
海上に出ると日は暮れなずみ、空を茜色に染めていた。
「海の中は時間の流れが変わるのね。急いで帰ろう」
魚の精霊さんたちに案内され、ぼくたちはお母さんと合流する。
夜のお風呂では日焼けのお肌にお湯が染みた。
お風呂から出て髪をとき、絵日記を描く。
「ボッポーウ」
ボッポウの声で時計を見て、ぼくたちは一緒にベッドに入り体を沈ませる。
「おやすみなさーい」
夢を見た。
「久しぶりだね、アニーちゃん」
「ドギーちゃん!うん久しぶり!元気だった?」
友達のドギーちゃんと久々に会う。
花咲くお庭を散歩して、お花の会話で盛り上がる。
その夢は近く現実のものになった。