魔に会ったなら病院へ
「魔が差した子を保護しました。魔の対処の仕方も教えてあります」
リン姉のお父さんは園長先生に説明を終え、出かけて行った。
幼稚園のたまご組にはエリーちゃんたちと先生の姿が見える。
先生の足元に魔法陣が描かれ、消えた。
(春の精霊さんまた眠っちゃったのかな?)
園長先生は優しく微笑み、車の中に手招きする。
「先生、どっか行くの?」
「病院ですよ。まほタマが魔に出会ったら、検査を受けることになっています」
おどろくぼくたちを乗せ、車は一路病院へと向かう。
検査の結果が出るまで、ぽっかりと時間が空いた。
いつもの託児所に案内され、足を踏み入れる。
「うわー、きれいなかみー!いいなーいいなー!」
託児所に入るとすぐにぼくは注目の的になった。
みんなが集まってきて、人数と視線に固まってしまう。
「見て見てみんなーこれを見てー!」
集まった子たちがリン姉とおとねちゃんの声に振り向く。
そこには金銀の折り紙でできた花が舞っていた。
「うわー!うわー!すごくきれーい!どうやってつくったのー?」
「折り紙よー。みんなも作ってみる?」
「つくるー!」
ぼくを見ていた子たちは全員リン姉とおとねちゃんのところに集まる。
硬直が和らいだあと、ぼくもみんなのところに向かう。
「えー!お泊りー?」
「明日にはわかるから、今日は病院にいてね」
ぼくたちは背の高い人に病院の中を案内される。
道中にはNICUやGCUと書かれたお部屋があった。
「着替え持ってきたわ。ここに入れておくわね」
夕方ぼくたちのお母さんがきて、床頭台に服を入れていく。
「あ、そうそう!どのシールにする?看護師さんがね、引き出しに貼ってって」
きれいにはがせる!と書かれたシールをお母さんはぼくたちに見せる。
色とりどりな花のシールには、文字を入れる場所があった。
「私はこの黄色いリンドウにするね」
「わたしチューリップ」
「ぼくはビオラ。えへへ、みんな好きな花選べたね」
笑いあう中、お母さんはシールに文字を書いて粘着力を弱める魔法をかけた。
その後リン姉のお母さんが来て、リン姉を抱きしめると頭をなでだす。
「そろそろ私たちは行くからね」
「もうこんな時間。また明日の朝、来るからね」
ぼくとおとねちゃんは抱きしめてくれたお母さんを笑顔で見送る。
リン姉は少しさびしそうにしたあと、笑顔を見せてお母さんたちを見送った。
「さて、なにして遊ぶ?」
振り向いたリン姉は、いつもの調子でぼくたちに話しだす。




