BL厨な私が乙ゲー主人公になりまして…
初作品なのでお暇な方向けです!
〈プロローグ〉
ある意味神様も仏様も居ないと思う。だって姿形も無ければ触れることも出来ないからね。
だからなのかな。多分それで見捨てられたんだろうね。
気付いたら飛んでたよ。だけど別にこれといって気にならなかったというか…ただ一つ言うなら(もっと好きな物に没頭していたかった)かな。
これといって取り組んでいた物もないし、死を惜しんでくれる友も恋人もいない。
ただ愛する物を残して行く事がこの上なく自分を絶望に落とすだけだった。
それに最近ハマった乙ゲーやり込み始めてたのに…
死ぬ直前なのにそんな呑気なことを考えて私は目を瞑った。
コレは次はきっと無いのだろうと、密かに思いながら。
〈一話〉
「ん……?」
目を覚ませばそこには見慣れない天井。現代にしては少し古臭さを感じさせるがよく言えば古風で良いともいうのだろうか。
私はどちらかと言うと前者の方の考えをする方だ。
そんな現実逃避をしていた私はこちらに向かってくる足音が聞こえた。
「紫綺様お目覚めになりましたか?」
そこには心配そうに見る20代前半位の幼さを残した和服を着た女性が此方に話し掛けていた。
紫綺様?私は紫綺というのか。
「えっと……大丈夫…です…ご心配ありがとう御座います」
そう丁寧に返すと驚かれてしまった。まるで赤子が始めて言葉を発した様な…いやそんな喜ばしい様なものでは無いがそれ位には驚くことのような顔をしている。
「紫綺様?まだお具合が優れないのですか?何時もはその様な話し方なさらないでしょう?」
そうなのか、紫綺という人はこう話さないのか。
まぁそりゃそうか知り合いにこんなにも不安気に話していたらそちらの方が余程大変だろうさ。
うーん……だからといって直球にタメ口も何故か躊躇われる。
ならここはこの人にだけ記憶を無くしたと言って誰にも言わないよう口止めしておくか?
うううん……………いや…ここがどんな場所かすら把握していないのに最初から自分で知らぬ人に爆弾投げつけるのは少し抵抗がある。
ここは何となく流して情報収集するか。
私は不思議そうに此方を見ていた女性に微笑みながら答えた。
「ごめんなさい…少し寝惚けていて」
そう答えると女性は安心したようにそうですかと答えた。
そして何かを思い出したかのように私に満面の笑みで話し出した。
「紫綺様!貴方様の婚約者の沙紅羅翔様が午後に来ますので準備なさってくださいね!」
それはもうまるで自身の幸福であるかの様に嬉嬉として言われるものだから一瞬彼女の話かと思わされてしまったほどだ。
そうか…紫綺には婚約者がいるのか。どんな方なのだろう。
少しずつ"紫綺"という人に興味が湧いてきてしまう。自分の事なのにまるで他人事の様に語る自分に少しばかり驚いてしまう。
「そっか…そういえば今は何時なの?」
そう私がふとと言ったように質問をしてみれば何か言いづらそうに目を泳がせ始めた女性に少し不安を感じ始める。
これはまさか…
「今は…十時でごさいますわ」
やっぱり!あと二時間しか猶予ないじゃない!
私が慌て掛けたところで女性が私を制した。
私が怪訝そうになんだ?と言わんばかり睨めば苦笑しながら大丈夫ですよと言ってくる。
「…なんで大丈夫なの?」
取り敢えず説明しろと促すように言うと女性は笑顔で私に言った。
「此方に沙紅羅翔様がいらっしゃいますからね!」
と笑顔絶やさず答えられた。
これは……嫌な予感がする。
そう思いながら頭を抱えた。
和風転生モノもどきになっていると思いますw
今回は初投稿ということでとても短くなっています。
機会があればまた続きを書きたいと考えていますのでお優しい方は是非これからも暇潰し程度に見てくだされば幸いです。
誤字脱字などあったらすいません。