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26.泣きたいのは
涙こぼれる月下の夜
問いたい気持ちを押し殺して
口とじ目とじ
ただ君おもう
月の光が指す先に
明日があると知っている私は
まだ泣けるんだよ
涙が出せるんだよ
脳裏をすぎゆく
君の顔
君の表情
君の眼差し
さまざまにうかび消えゆく景色は
ただ過ぎ行くままに流れゆくままに
心は君の声を拾い上げ続けて
ゆらめく音のさざ波に身をゆだねて
まぶた開いてみればほのか月空
優しい光に抱かれて私は心でうたうよ
こんなにも泣き叫びたい夜はいつ以来だろうか
でもまだマシなんだよ
まだ泣けるんだよ
だって君はもう




