「交戦」
前回のあらすじ
野菜炒め食べてたら喧嘩売られた
ク「あの席を、譲れ」
ククリ男が腰に差しているククリナイフを抜いた、それに続くようにシャムシール男とショーテル男も抜刀する。
「随分簡単に剣を抜くんだね。」
なんだなんだ?
喧嘩か?
見物人が、まるで決闘場を形作るかのように輪になって集まってくる。
シャ「一言謝って席を譲ればいいだけの話っス」
ショ「剣を抜いても怖がらないなんてすぅうごい度胸だねぇえ?」
{3人とも、誰一人として聖心石を所持していません。}
ポケットの中のサヤが言った。
(そんなことも分かるんだね、ありがとう、少なくとも旅人じゃないことが分かったよ。)
{近所の悪ガキでしょうか?ならば危険ですし懲らしめてやらなければなりませんね?}
(そうだね、剣はおもちゃじゃないって教えてあげなきゃ)
ク「どうした?またボーッとしてんのか?さっさと謝れよ最弱野郎。」
それにこのまま嘲笑されて黙っているのも気持ち良くない。
相手は剣を抜いているのだ、答えなどひとつしかない。
「剣を抜いたんなら覚悟を決めなよ?」
ク「あ?」
「武器は脅しの道具なんかじゃないってことだよ。」
剣を抜き、構える
ク「謝る気は、無いみたいだな?」
シャ「最弱武器で3対1なんて、無謀にも程があると思うっスけど。」
ショ「ねぇえ戦える?戦えるのぉお?」
「君らじゃ多分勝てないよ。」
ク「上等だ、ぶっ殺せ!!」
3人とも一斉に走り出した。
最初に襲いかかってきたのはリーダー格と思われるククリ男。
ク「最強のナイフの餌食にしてやる!」
武「あーあ、ありゃダメだな」
ククリ男が斬りかかろうとしたとき、武器屋のおじさんが一人そう呟いたのは、集中していた僕には聞こえなかった。
(ククリは頑丈で、切れる。確かに最強のナイフの呼び声が高いけど、ナイフゆえにリーチが短い。それに頑丈な分ナイフよりかちょっと重いんだよね、とはいえそんな剣みたいな振り方だと余計に遅くなる。こんな雑な扱いじゃククリナイフはとっても悲しいだろうね、気の毒に。)
大振りのククリを、盾も使わず上体だけで簡単に避けてみせる。
(踏み込みも甘々だね、初心者同然。まともに練習してないなこれは。)
軸足をはらい、よろけた所を剣でククリを弾き飛ばす、ククリは回転しながら綺麗な弧を描いて地面へ刺さる。
ク「あっ!?」
まだ立て直せていない、すかさず顔面を盾でバッシュする。
ク「ア"ッ」
情けない声を上げ、ククリ男は鼻血を出して倒れた。
「リーダーっぽいのに意外と弱いな・・・ナイフが強くても使う人が弱いと意味ないよ?」
シャ「コイツッ!!細切れにしてやるっス!!」
「君はもう少しマシだといいね?」
キャラ紹介
ククリ男
名前はキード、最初は3人の中で1番強かったのにいばり散らして修行をサボっていたのでいつの間にか2人に追い抜かれたが、3人ともそれを知らない。