「嘲笑」
前回までのあらすじ
野菜炒め食べてたら後ろから話しかけられた。
「お前見ない顔だな?ここは俺らの場所だぜ、どけよ」
同じ歳くらいの若者男3人が、こちらを睨んでいる、それぞれ武器を装備しているようだが、どれも形が変わっている。
「君はククリでしょ?んで、シャムシールにショーテル!?すごい!2つとも初めて見た!ちょっと触らせて!!」
ククリを装備した男は金髪、背は僕より少し低いくらい、見下すような目でこっちを見ている。
シャムシールを装備した男はなかなかに背が高い、髪の毛は茶色でボサボサだ。
ショーテル男は背が小さくて女の子かと思った。髪の毛は青で、目は赤色、首を傾けて虚ろな目をし、時々下をぺろっと出して自分の唇を舐める。袖はダルダルに余っていて、手など見えない。
ク「話聞いてた?どけっつってんだよ、最弱武器さんよ。」
「え?何それ」
シャ「知らねぇんスか?ショートソードっていっちばん『攻撃力』低いんスよ?」
ショ「そぉんな雑魚武器でよぉく旅に出ようと思ったよねぇえ?」
(サヤ、攻撃力って?)
{攻撃力とは、全国武器屋協会が定めた値の一つであり、同じ人が同じ力で武器を使用した場合、与えられるダメージを表す数値です。つまり、攻撃力が高いほど性能の良い武器と判断できますが、耐久力や扱いやすさ、熟練度などは攻撃力の範疇に含まれませんので、攻撃力だけで強弱を断定するのは妥当とは言えません。ちなみに、素手での殴打を攻撃力1と定め、それを基準として算出します。ショートソードの攻撃力は10です。}
(僕武器大好きなのに、そんなこと知らなかったな)
{無理もないでしょう。協会は5年前に新設された組織であり、大きな街や一部の村の武器屋しか加盟していません。ちなみにこの村の武器屋も加盟していませんが、彼らはなぜ知ってるのでしょうか?街に観光にでも行ったのでしょうか?}
(そうかもね、どちらにしろ、攻撃力だけで武器を判断しちゃいけないよね、到着早々運悪いなぁ。)
ク「おい、何ボーッとしてんだ?攻撃力も知らねぇのか?田舎っぺか?」
「あぁ、ごめん。ダメじゃないか攻撃力で決めつけるのは、武器は使いようでいくらでも強くなるし、相性もあるかもよ?」
ク「にしてもショートソードはねぇよwwダサいだろ?」
「とにかく席は譲らないよ、僕が先に座ったんだ、空きならいっぱいあるし、他に行ってよ。」
ク「痛い目見ないとわかんないみたいだな、表に出ろ」
僕は3人に促されるままに外に出た。
武器紹介
No.5ショーテル
エチオピアの伝統的な剣で、非常に特殊な形状をしている事で知られる。大きく湾曲しているため、横殴りするようにに振るうことで盾をかわして手を直接斬りつけられるという厄介な武器。おまけに両刃のため、薙ぎ払うように振るえば切れ味も優れていた。扱いは難しいが上手く使えば強いと言える。
No.6 シャムシール
西洋ではシミターとも呼ばれる、中近東あたりで見られ、ショーテル程ではないが湾曲した刀身と、非常に刃が薄いのが特徴の片刃の剣。西洋のサーベルなどに影響を与えたと言われている。