表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/61

3 なんなんだ?


 いつまで経っても私の呼び掛けに答える声は無かったので、仕方なく次に自分のステータスを確認することにした。



「ステータス・オープン!」


 何も起こらない。


「ウインドウ・オープン!」


 やっぱり何も起こらない。


「鑑定!」


 鑑定スキルは持ってないのかな?


「ステータス確認!」


 …



 う~ん、この世界にはステータスを確認するようなシステムは無いのかなぁ。


 それともやり方が違うとか…



 どうしよ。自分に何ができてどのくらいの強さがあるのかさっぱり分からない。


 さっき走るのがメチャクチャ速かったりしたのはスキル?それとも純粋に体力や速度みたいなステータス的なもの?




 そういえば異世界転生といえば魔法もアリよね?



 火、水、風、土…色々試してみるが何も起きない。


 洞窟を照らす光をイメージしてみた。

 やっぱり何も起きない。



 わかんないよ。


 転生したのはいいとしても、私これからどうしたらいいの?


 どう生きていけばいいの?




 しゃがみこんで足元の小石を手慰みにしながら途方に暮れる。




 と、いつの間にか後方から何かに照らされているのに気づいた。




 あれ?光魔法、成功した!?


 そう思った時もありました。




「っ!?」



 何かがいる気配に思わず飛び退り、振り向いた先にいたのは片手にランタンを持ちローブを着た何か。



 ランタンの陰で顔はよく分からないけど…ジェ○イ?



 一瞬頭を過ったが、ランタンを持つ手から逆の手に目を移した瞬間そんな思いは吹き飛んだ。



 持っていたのはライトセ○バーじゃなくて大きな出刃包丁!




 え~と、殺人鬼さんですか?


 ひきつる私に構わず、そのままヤツはズイッと近づいてきた。



 ひぇっ!?




 反射的にに握っていた小石を投げつけると、上手い具合に二つの小石が頭部と思われる位置に当たった。



 この隙に逃げよう!

 瞬時に振り返り走り出そうとしたのに後ろは壁!?


 しまった、逃げ損ねた!?


 恐る恐る奴を振り返る。




 とたん、ヤツは顔の前で両手をクロスし、且つ顔の半分だけを隠すような香ばしいポーズを取ったかと思うと、声高に叫ぶと同時に包丁を振り翳した。



「自らの罪深さ、その身を持って知るがいい!! 

秘技!皆様の恨み妬みツラミ!」




 数瞬の後、私の周りに心地好いそよ風が吹いた。




 え~と…

 これ、どんな状況だ?

 私が小首を傾げると、ヤツは驚愕した様子で叫んだ。



「な…!? 無傷だと!?

ありえん、おまえはいったい何なんだ!?」




 何なんだと聞かれても私自身が知りたいくらいなんだけど、なんとなくコミュニケーションがとれそうな気がした私は、目を皿のように真ん丸にするヤツにとりあえず話しかけてみる事にしたのだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ