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2 お~い


 飛びかかってくるゴブリンに貞操の危機を感じながら私は全速力で走る!走る!走る!!



 ジ○リ映画に出てくる森のように苔むして鬱蒼と繁る木々の間を走り抜け、倒木をハードル走の要領でやり過ごす。



 ちょ…!?

 ていうか何すかコレ、超速いんですけどっ!?

 倒木2~3本一気に跳び越えちゃってるんですけどっ!?


 何? 何? 何!?

 えぇ~っ?




 相手がなんか走り難そうにしてたのもあるけど、あっという間に♂ゴブリンを置き去りにした私は前方に見つけた洞窟に逃げ込んだ。




 こんな姿になってもどうやら陸上部で鳴らした足は健在の様子。

 ていうかそれ以上!

 世界記録なんて目じゃないくらいじゃなかった今?



 そもそも肉が削げ落ちた短い足であんなスピードが出せるっておかしいよね?よね!?




 それから数十分、洞窟で身を潜め、あのゴブリンが追って来ていない事を確認した私は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあった。



 色々と突っ込み所はあるんだけど、とりあえず気を落ちつけて現状を把握しましょうか…




 先ずは私自身について。

 どう考えても今の私、人間やめてますよね?

 走るのメチャクチャ速いし跳躍力も凄い。

 さっきの♂ゴブリンとの外見の共通点からして、恐らく今の私は♀ゴブリン?


 いやいや、無いわ~。

 だいたいどうしてこうなった!?




 たぶんだけど私はやっぱり死んで転生しただんだと思う。


 で、死の間際に私が願った事は…




 あ~あ、もっと生きたかったな…

 結婚もしてみたかったし…

 次に生まれる時にはきっと…




 うん、どこにもゴブリンになりたいとか、違う世界に行きたいとかは願ってないね?



 だいたいこういうのって、死んだ時に女神様が出てきて「あなたを何処其処の世界に転生させてあげます」なんて言うのがテンプレでしょ?



 少なくとも私が友達に借りて読んだラノベじゃみんなそうだったのに。


 あ、スライムさんに転生する話は「天の声」みたいなのだっけ。


 どっちにしても、何のアナウンスもないこの状況ってどうなの?




 それから暫くの間、私は女神や仙人、天の声や賢者なんかを思い浮かべながら、心の中で叫び続けた。



「お~い! お~い! 誰か~!?

誰か出てきてこの状況を説明して下さ~い!!」



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