閑話 スラマサ①
スラマサ視点の閑話です。
俺こと「スラマサ」はスライムに転生した異世界人?ってやつだ。
元々学校のテニスサークルで女の子と遊んだり、ダチと騒いだりするのが大好きな、たぶん普通って言われる類の大学生だった。
夏休みにいつものようにダチと海でバーベキューやらナンパやらに励んでた時、酔っ払って
「防波堤から飛び込み大会やろうぜ!!」
なんて盛り上がったのが運の尽き、良いカッコしてやろうとバック宙で海に飛び込み…かけて意識がぶっ飛んだ。
たぶんあン時、俺は死んだ。
最後に見た景色は青い海の欠片と目の前に迫るでっかいコンクリの波消しブロック。
走馬灯なんて物は俺んトコには来なかったな。
次に目が覚めた時に最初に見たのは苔の生えた石と落ち葉。
そう、茶色の枯れ葉に埋もれかけた緑色の石ころが目の前にあって、やたら俺の視点が低かったのを覚えている。
手足の感覚は無いし、なのに動こうと思った方向に動けるし、目で見るというより感覚的に見えているって感じでやたら視野が広いし…
正直パニックになった。
で、訳分かんねぇまま、あっちへウロウロこっちへウロウロしてる間に4~5匹のスライムの群れにぶち当たった。
「やべっ!?これゲームかなんかの世界か?」ってとりあえずゆっくりそいつらに近づいてみたら、一匹が凄い勢いで迫ってきた。
「迫られるのは女の子だけで充分だっつうの!」と一発ぶん殴ってやろうとしたけど、手も足も出なかった。
自分の体らしき物の一部が見えて、それが水色っぽい青、つまり目の前に迫るスライムと同じ色をしてたから、やっと自分の置かれた状況に気がついた。
「やっべ!マジかよ、俺、スライムじゃん!?」
そこから何とか他のスライムにコミュニケーションを取ろうとしたけど結果は惨敗。
話は通じねえし、散々追っかけ廻され、挙げ句に吸収されかけて尻尾巻いて逃げ出した。
まぁ巻く尻尾も持ち合わせていなかったけどよ。
物陰に隠れたり、途中で色んな物を吸収してみたりしながら放浪すること一週間、見つけたのは森の小路を何だか不安そうに歩いてくる一匹のゴブリンだった。
暫く草陰から様子を見ていたけど、「近くにゴブリンとかいないよね」とか呟くゴブリンを見て俺は確信した。
「やっと見つけた!こいつは間違いなくこの世界で見つけた初めての『話が出来るやつ』だ!」
「こいつが俺の運命だ。何が何でもこいつに付いていこう!」ってな。




