家電量販店で 前編
箸休め程度の考えで。
朝起きると見知らぬ綺麗な模様の皿が床に転がっていた。踏んで割りそうになったがなんとかかわす・・・ 昨日は色々と考えされられた一日だったな・・・・・・
結局食レポレビュアーとしての価値が低いと美味いものも食うことができない。美味い飯を食うことができない=星も増えることがない。負の悪循環だ。これもどうにかして打開しなくてはならない。何か画期的な簡単で誰にでもできる星の稼ぎ方はないものか・・・ 朝起きて考える内容ではない。頭がうまく回転していない。
「飯でも食べながらこれは考えるか・・・ どこかに星落ちてねぇかな・・・・・・ 」
こればかりはどうしようもない、確実に着実に食レポレビューを書いて載せていくしかない。どこかで食事をして食レポをする、それを食レポレビュアーサイト「美味の漢字は美味い味と書く。」投稿する。いたって簡単なことだ・・・・・・ だがこの簡単なことがなかなか難しい。いやめんどくさい・・・・・・
こんなことを言っていてもしょうがないので部屋をでてまだ入ったことのない料理屋を探して入ることにした。もう朝食時と言うよりはもう1、2時間で昼飯時といった時間帯になっていた。起きるのが少し遅かったか・・・ 仕事のない日はこんなもんだしなぁ・・・ 俺はもうずいぶん仕事がないオフの日いや休日の使い方をすっかり忘れてしまっていた。前まで俺は仕事が休みの日何をやっていたのだろうか・・・ まぁそんなこと今はどうでもいい・・・・・・
「あっ・・・ かつ丼が食べたい・・・・・・ 」 ガタッ
そうだ。そうだった。思い出したぞ・・・ 俺は昨日久しくかつ丼を食べてないことに気づいたのだった。ソースかつ丼や和風醤油がどうのとかいうかつ丼ではなく、俺は普通のかつ丼が食いたい・・・ 邪道な感じではなく正統派のかつ丼。グリンピースなども載っていないかつ丼だ。こうなると居ても立っても居られない。早速出かける身支度をして部屋を出る。
身支度と言ってもリュックサックに俺箸、使い捨てカメラ。こんなもんだ。シンプルだ、俺は必要性提言のモノしか持って出かけない。それが俺を縛り邪魔をするからだ。今日は休みと言うこともありスマフォもなしだ。こんなものがあるから休めないんだ。世界中からなくなってしまえばいい。俺はそう思う。
今回から使い捨てカメラではなくデジタルカメラにカメラを変更した。ポラロイドカメラでもよかったが俺がポラロイドカメラなんかで料理を撮ってる姿が俺は想像もできなかった。この俺が・・・ チェキ・・・ 考えられるかそんなこと・・・・・・ 使い捨てカメラは修正や加工してないということを証明できるが毎回毎回、数枚程度撮った写真を現像するのが面倒になったからだ。極力金を使いたくない俺にとってはおかしなだ。金があるなら店に料理注文したその料理料金を払えってことだな。
俺もついにデジタル時代に追いつくか・・・ そうなるとまずはデジタルカメラを買いに行かないといけないな。
俺は昼飯にかつ丼を食べることにして、それまでの1時間ちょっとは家電量販店に言ってデジタルカメラでも見てみるか・・・・・・
俺はいつもの恰好で部屋を出て近くの家電量販店に向かうことにした。電車で2駅ほど行った場所の駅前にある家電量販店だ。俺は2駅程度であれば歩く。2駅程度を金を出して電車に乗るなど俺には考えられない。たかだか2km程度だぞ、それに金を払うのか、弁当が買える値段だぞ。いつから俺はこんな考えになってしまったのだろうか・・・ 俺があの時あんな選択をしなければこんな金、金と言っていなかったかもしれない。金は人を幸せにもするが不幸にもする。俺がいやと言うほど思い知らされた高校時代の夏の話だ。あそこまで金は人も変えてしまう。呪われた代物だ。
そんなことを思い出しながら歩いていると目の前に大きな家電量販店が見えてきた。
「よしっ 500円ほど浮いたぞ。クーポン使えばのり弁2個買えるぞおい・・・ まいったな・・・・・・ 」
俺の中ではいかに金を使わずに節約できるかが何かの競技になっていた。しょうもないエコやロハがどうのこうのいうやつではない。あんな胡散臭いものと一緒にされては困る。
店内に入って俺は真っ先にデジタルカメラが販売されている場所へは目指さない。まだ時間に余裕がある。こんな時は買いはしないがいろいろな最先端デジタルアイテムを見て回るのが俺の中での決まり事だ。嫌いではない。最先端技術が詰め込まれたモノを見るのは。男はみんなこんなもんだろう。一回はスマフォ売り場か・・・ 最近は格安シムがどうのこうのと増えすぎてわかりずらい。第一なぜ回線を持っている側が借りている側より値段が高いのだ。おかしいだろ。この国は間違いだらけだ・・・・・・ 最新のスマフォを買う予定もないのに見て回り2階に上がる。2階がお目当てのデジタルカメラを売っている場所だ。時計や万年筆と言った文房具も売っていた。最近腕時計を付けている人を見かけないな。いや腕時計を付けている若者を見かけない・・・ 時計なんてスマフォを見ればいつでも確認できる。
だから時計など必要ないというのだろう。だがどうしてもスマフォを見ることができない場面もあるはずだ。そんなときはどうするのだろうか・・・ メンドクサイクライアントや顧客を相手にしていた時に腕時計で時間を確認せずポケットからスマフォを出して確認したら商談が破談になったりしないのだろうか。時代は変わったんだな。
色々なデジタルカメラが売られている。俺は初めから目を付けていたデジタルカメラが並べられている場所を探す。
デジタルカメラの値段はピンキリだ。2万円台の物から数十万円の物までさまざまだ。
お目当てのデジタルカメラの前に着く前にある物に目が留まった。なんだあれは・・・ バズーカのような望遠レンズっていうのか、すごいやつだな。これで料理撮ったらどうなるんだ。ラーメンなんてこんなの着けて撮ってたらレンズが器の中に入ってしまいそうだ。第一これは三脚なしでカメラに装着して写真が撮れるものなのだろうか・・・ よくわからない俺にはすごい奇妙で興味をそそられるものでもあった。
「これにしよう・・・ これで俺の食レポレビューにも新し風が吹くいや吹き抜ける・・・・・・ 」
値段は・・・ 20万とんで9998円とな・・・・・・ 望遠レンズだけでこの値段なのかこれ・・・ これプラスカメラだろ えーとつまり・・・ 俺が見ていたデジタルカメラを合わせると35万程かかるのか・・・・・・ 恐ろしい話だ。35万あればいったいいくつののり弁当が食べられるだろうか、俺が500円浮かしたからクーポン使えばのり弁当が2個買えるぞ・・・ なんていってるやつには程遠い金額だ。
望遠レンズコーナーには100万を超えるものまであった。あの望遠レンズを付けて食レポしたらどうなるんだろうか・・・ 俺はもうそのことしか考えていなかった。これは手に入れるしかない。この望遠レンズとデジタルカメラを・・・ どうするか、一体いくらまでならまけてくれるのだろうか・・・・・・ まずは店員を呼んで確認してみるか。近くにいた店員に話しかける。
「すいません。この商品のことなんですけど・・・・・・ 」
「すいません。私は文房具担当の者なので・・・ デジタルカメラ担当の店員を呼びますので少々お待ちください」
くそあっ・・・ なんで文房具担当が望遠レンズコーナーにいるんだよ。お前はその位置から文房具担当をしているのか・・・ お前が文房具担当の望遠店員なのかっ 出鼻をまたくじかれてしまった。そんなことを思っているとようやくデジタルカメラ担当の店員が来てくれた。さてさて、どのくらいまけられるのかお手並み拝見といきますか。
「いらっしゃいませー 私デジタルカメラ担当の家電アドバイザー、プラチナグレードの梅田と申します。本日はどういったご用件でしょうか?何かお探しの物でもありますか?」
最近はどいつもこいつもゴールドだやれシルバーだと昭和の等級社会を生きているようで息が詰まる・・・・・・
だが等級でいえば望遠文房具担当の者より上の物でこいつに言えば値段はどうにかなりそうだ。
「あの家電アドバイザーのプラチナグレードをお持ちなのですか・・・ すごいですね。私はシルバーいやゴールドが精いっぱいでしたよ・・・ ハハハ」
相手を自分より上ですよと見立てよいしょする。そうすることによって相手はいい気分になり通常価格より値段を下げてくれる可能性が高くなる。俺の経験談だ。
「ゴールドをお持ちの方でしたか!今年の問題は少し難しかったですね。自分もプラチナグレードに上がれたのが奇跡なくらいですよ ははは・・・ それで本日はどういったご用件で?」
まずまずだな、うん・・・ とりあえず煽てることは成功したか。
「えっとー このー望遠レンズとそれに合うデジタルカメラを購入しようと思っているのですが・・・ これとこれならどのくらいの値段になりますかね・・・・・・ 」
さっさと本題に入ろう。ここで時間を使っては昼飯を食べるのが遅くなる。それだけは避けたい。俺は少しでも早く星を上げたいのだ。
「えっとこちらの商品とこちらのデジタルカメラですね・・・ 少々お待ちを確認してみますね」
そう言って腰にぶら下げた端末を使って調べている。この望遠レンズとデジタルカメラなら120万程か・・・ いったいいくら安くなるんだ・・・ 100万切るか・・・ いやさすがに50万程度いければ十分か。欲を言えばタダだ。最終的な最高な勝利はこれとこれがタダ。それ以下、以外はない・・・・・・