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「料理バイキング 白鯨」後編

さて・・・ どうしたものか・・・・・・

2回目の狩猟に行こうと思ったらこれだ。出鼻をくじかれるとはよく言ったものだ。あまり食べる気もなくなってきた・・・・・・

このベルが残した2皿に乗った料理を食べて帰ることにした。俺が選んではいるがこれは俺が本来食べたかった料理ではない・・・・・・


さてさて、星3. 8の食レポーが食べる料理とはどんな味かな・・・ まぁ作っているシェフが同じで同じバイキング料理なら大した違いもないはずだが・・・・・・ 俺は一口食べてわかった。


「違う・・・ これは俺が食べたバイキング料理の中にはない味だ・・・・・・ 星2. 3の俺でもわかる」


同じ食レポーとはいえ、こうも違うものなのか・・・ いったいたかが星1とちょっとの差にどんなに埋まらないものがあるって言うんだよ。よく見れば皿の模様も違っていた。同じ店でも出す料理は客によって差がでる。これは普通のごく一般的な料理屋ではないものだが、このような場所では平然と行われている。食による差別だ・・・ これはシェフが悪いってわけではないこの世の中が悪いんだ。俺はそのことをよく知っている。金持ちがどんな料理も一口だけ食べてその料理には手をもうつけない。と言ったことが可能なのはそのせいだ・・・ 俺はシェフがベルに運んできた料理を食べながら泣いていた。


「俺は・・・ 料理を食べに来たのであって・・・・・・ こんな情報を食いにいたわけじゃない・・・・・・ 」


金持ちの食レポーと庶民いや貧民側の食レポーとの差は今日大きくこんな形で分かってしまった。こんなのってありかよ・・・ いった俺が何もしてきたって言うんだよ・・・・・・ 俺が変えてやる。こんな世の中俺が変えてやる・・・・・・・


料理の入った皿まで綺麗に舐り俺は静かにその場所でこれから何かが起こるわけでも、来るわけでもないがただ座っていた。

運営側から招待であるこの「料理バイキング 白鯨」で俺は現実を見せつけられた。運営側からの招待状ということに俺も選ばれた側の人間だったと思っていたんだ・・・ 星2. 3風情がよく言えたものだ。 こうも世界は違うのか。俺が生まれてきた場所が悪いのか・・・ ベルのような金持ちの家に生まれていればこんな仕打ちを受けることはなかったのか・・・ いや、結局俺が仕打ち受ける側からベル側へと変わるだけか・・・・・・ 俺は下から這い上がってこのクソみたいなものを終わらせてやる。心にそう誓う。


こんなところでうだうだやっていても仕方がない。お腹いっぱいにはなってないが食べる気も失せた。こんな現実を見せつけられて俺は平然と食レポーできるほどのできた人間ではない。


「俺もまだまだだな・・・・・・ 」


そう言いながらウェイターを探し席を立つ。今回の料理は運営側から招待と言うこともあり運営側が持ってくれる。まぁ招待したのだから当たり前か。立ちあがり店の出入り口まで案内される。店の前では俺が乗ってきた車がもう店の前で止められており帰る準備が整っていた。車に乗り込みアイマスクをする前に最後に忘れ物がないか確認する。ここで何かなくしていてももう来ることができない店だ。慎重に確認していく。


「リュックサックよしあるな・・・ 俺箸よし・・・ スマフォよし・・・ 使い捨てカメラよし大丈夫だ・・・ 綺麗な模様の皿・・・ よし・・・・・・ 問題ないな全部ある」


忘れ物がないことを確認してそのことを運転手に伝える。俺がアイマスクをするのを見て運転手がゆっくりと車を発進させる。この「料理バイキング 白鯨」に来るのが最後の気もしたが俺は店をもう一度最後に見ようとはしなかった。見たら本当に最後になってしまうと思ったからだ。今度は俺がこの店を食レポーして一般の食レポーレビュアーと来よう・・・ 俺はそう思う。そのためにも俺は何としてでも星を上げなければならない。 どんなことをしてでも・・・・・・


車に乗って数十分いや数時間だろうか・・・ あまり思えだせない。気づけば眠っていた。目が覚めアイマスクを外した時そこはもう俺の知っている世界だった。俺は狐にでも化かされたのだろうか・・・ それとも最近はやりの異世界転移か・・・ 俺は数年いや数十年ともいえる長い月日をあの「料理バイキング 白鯨」で過ごしたのではないだろうか、そう思えてならなかった。


辺りはもう暗くなっており今何時かよくわからない。車から降りながら運転手に礼を言う。礼を聞き終え俺がドアを閉めると車は暗闇の中に消えていった。スマフォを取り出し時間を確認する。


「23時18分か・・・・・・ 」


俺はいったい何分いや何時間いたのだろうか数十分程度だと思うが随分と辺りが暗くなってしまうほど時間のかかる場所にある店屋だったのだろうか。見当もつかない。


俺は元来た道を歩いて帰る。俺のアパートの家に着いたのはもうすぐ日をまたぎそうな時間に差し掛かろうとしている頃だった。今回は食レポレビューはしなくてはいい・・・ いやするのだが招待された人と運営側にしかわからない「美味の漢字は美味い味と書く。」専用のサイト内のまた内部にレビューを投稿することになっていた。投稿する内容は普通の食レポレビューとは違い、料理の味、また来店したいか、この2つだけだ。シンプルではあるがこれだけで何かが変わるのだろうか。謎が残る。


ーーー「料理バイキング 白鯨」----この話はここで終わり。


俺は忘れないうちに「料理バイキング 白鯨」の食レポレビューを書いて投稿することにした。


店名 「料理バイキング 白鯨」

<星2. 3の男タカシ>評価数212  20○○年3月30日3時15分 初めての来店


料理の味 ★☆☆ また食べに行きたいか ★★★ 

料理の味は美味しかったです。ですが・・・ 星の差でこうまでも対応や料理の味が変わってくる店だと知って味の評価を下げました。もし私も豪食レポーの人と同じような料理を出されその味であれば迷うことなく★2以上はつけていたでしょう。星1つの差がこうまでも変わってしまうのであれば私は許せない。だが私はどこかで期待してしまっている。星3. 8であの味ならいったい星5までたどり着いたのであればどんな料理を・・・ どんな味がするのか・・・ 気になって仕方がない。

この食レポレビューは招待された食レポーと運営側しか見えないのでここに書くが、運営側が俺に対しての評価が低すぎる。率直に言うと俺は星3以上の価値のある男だと自負している。どんな評価基準があってこのような星2. 3といった評価を運営が決めているのか俺は知りたい。俺の評価担当が俺に付ける評価を評価ミスしているのではないかと・・・・・・ 以上。 


※店名が白鯨ということもあり俺は少しどこかで期待していたが長編小説ではなく俺の物語は短編小説だった。

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