最終決戦
「……美時」
私は、美時を抱えながらも歩いていた。
美時が出血死しないよう、服の一部を破いて止めといておいたけど、やっぱり、心配だ。
「…………うっ」
「あ、起きた? 美時」
「み、美希……私」
「大丈夫、応急手当ぐらい、私もできるわ」
「そ、そうじゃなくて」
「え?」
「もう、立てるよ?」
「え……あ、う、うん……分かった」。
「……ねえ美希」
「何?」
「……何か、ありがとね」
「え?」
「いろいろ、励ましてくれた」
「そ、そんなことないよ!」
私はそう「たいしたことじゃない」って言ったけど、美時は「うんうん」と首を縦に振った。
「美希のおかげで、あの日の後も元気になれたし、今も、美希のおかげで」
「……私こそ、そんなに勇気付けられたなんて思ってもみなかったわ、ありがとはこっちの台詞よ」
「み、美希……私たち、これから何があっても、ずっと友達ね!」
「ううん」
「え? やっぱり、駄目?」
「違うよ……ずっと大親友よ!」
「み、美希!」
美時はまた泣いて私に抱きついてきた。
「み、美時……く、くるしい~~」
「え? ……あっ、ごめん」
「う……けほっ! けほっ! まあ、いいけど」
「それより、お兄……いや、スカイをどうする?」
「う~~ん、どうやらあいつ時を止める能力を持ってるらしいから」
「一応、私も持ってましたけど、それは悪になったことでなったことで得た能力ですから、元に戻ってしまった今、使うことはできないの……ごめんね、私、何にもできなくて」
「うんうん、美時がこっちに戻ってくれただけで、私は満足よ」
「・・・ありがと」
「別に、たいした……あっ!」
「どうしました?」
「そういえば、石に確か『悪しきものには、最凶の力を。 正しきものはそれを超える力を』って」
「じゃあ、正しきものになれば……!」
「うん、スカイを・・倒せる!」
「果たして、できるかな?」
「!!」
最悪、このタイミングで出会うなんて。
しかし、美時はまだ完全に戦える状態じゃあ無いし、私が、時間を稼がないと!
「み、美希……どうしたら?」
「大丈夫、美時は回復するまで下がってて、私がなんとか時間を稼ぐから」
「う、うん」
「くくっ……お前じゃあ、足止めにもならないぞ?」
「……くっ」
確かに、相手に時を止める能力がある以上……どうしようも。
……私……また美時を守れないの?
……力が、ほしいか?
「!? 誰?」
それは関係ないことだ。
それより、ちからが欲しいか?
「……欲しい」
何ゆえ?
「……美時をもう傷つけさせないため」
……ふっ、合格だ。
「? て、あんた誰?」
私か?
私は、ここの住民のものだ。
「え!?」
だが、こっちは善のほうだ。
「善?」
ああ、この世界には、亡くなった人の怨念などで創られた世界だ……だけど、その中には良い心を持った人も含まれていたんだ。
「それが……あなたたち?」
そう、そして、スカイは悪の怨念の中でも最上級の悪なんだ。
「そんなやつに、兄友の体を乗っ取られるなんて」
大丈夫。
「え?」
あいつを倒せば、その兄友も帰ってくる。
「ほ、本当!?」
ああ。私たちも、今まで何もできなかったけど、あの子のためにも、私たちの力を貸そう。
「えっ、いいの?」
ええ……だって、悪い心に良い心が負けるわけがないじゃない。
「え……この声って……美粉ちゃん?」
「…………」
「くくっ、どうした。 いきなり黙り込んで」
「…………ふふっ」
「?」
「み、美時?」
「大丈夫、私が、あいつを倒すわ」
「み、美希……目が! き、黄色に」
「気にしないで、これは彼らの力を借りた証なんだから」
「彼ら?」
「まっ、後で話すわ」
「おいおい、俺を忘れては困るよ」
「忘れてないわ」
そう私はスカイに剣を向けていった。
「ふっ、ならやろうか……」
『デビルタイム!』
「くくっ、あれだけ余裕ぶっておいて、このざまとは…………死ね! ……な!? き、消えた? ど、どこだ!?」
「私は、ここよ」
「ど、どこだ!」
「ここ」
私は後ろからスカイの背中に剣を思いっきり刺した。




