表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/43

自転車通学の日常

 僕は時たま自転車で登校するため、自転車に学校指定のステッカーを貼っている。

 ちなみにバイク通学の人も許可を得てナンバープレートと並べてもう一つプレート的なやつをつけなければならないらしい。僕はそれを見て、面倒そうだからバイク通学はすまいと心に決めた。

 さて、自転車の話に戻るが、ステッカーには四桁の数字がついている。つまりはナンバープレート代わりみたいなものだ。

 何故こんな話をするかというと、

「あーっ!! なんでここまでちゃんと数字順に揃ってたのにいきなり番号が300も飛ぶんですかぁっ!!」

 そんなことでぶうたれる、困った男の娘先輩がいたからだった。

 僕と翔太先輩、そして部活に珍しく顔を出した葉月先輩の三人は、只今駐輪場を回っている。理由は簡単。ごみ拾いである。

 ナンプレ部な僕らだが、これが部活に何の関係があるかというと、その実、何も関係はない。ただ、ナンプレ部はこれまでボランティアで学校の敷地内のごみ拾い活動をしていたそうだ。ナンバープレートに取り憑かれた変人の集いだと思っていたが、意外とまともなこともやっている。もしかしたらこれがナンプレ部が存続している理由なのかもしれない。

 ただ、

「……確かに数字がここまで綺麗に並んでいたのにいきなり外すとかないと思います」

「だよねー、葉月ちゃんわかるぅ」

「そういう問題ですか」

 この人たち、ナンバープレートに着目するだけあって、身の周りの数字への関心は高いらしい。

「っていうか、別に停めるところは決まっていないんですから自由でいいじゃないですか」

「ナンバーコレクターたるもの、数字の羅列に気を留めずになんとしますか! むず痒いのでここの間の番号探しましょう、センパイ」

 先輩は貴方です、翔太先輩。

「というかごみ拾いはどうするんですか」

「もちろん、やりながらだよ」

 ご立派で。

「というか、ないかもしれませんよ」

 僕はふと一つの可能性を提示する。

 自転車ステッカーというのは、自転車通学する者に限って配られるものだ。そしてどうやら、自転車通学するしないに拘わらず、番号は個人ごとに定められているらしい。例えば、一年生のときは自転車通学しないが、進級してから自転車を使うようになった場合などにスムーズに受け渡しが済むようにする処置なのだとか。

「えー、そんな夢のない」

「たまには現実見てください」

「あ、ごみ」

 こうして放課後が浪費されていく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ