武器収集
否流我の実家は学校と同じ街にある。実家は鍛冶屋を営んでおり使用する学生も少なくない。
そこの親方は否流我を拾った張本人である。否流我の数少ない深い友達の一華もと非常に仲がいい。
次の日まだ皆寝てる中、一華はエレナ先生に会いに行った。
「早いわね。どうしたの?」
「いつまで俺たち休みなんですか?」
「そうね……今週中は休みよ」
今木曜日。3日か……。
「休みが終わったらどんなことを?」
「特別クエストに行ってもらうわ」
本当なんだ……。
「内容を教えて下さい」
「貴方達のは……あったあった。これよ」
そこにはギルド調査、と書かれている。行き先はイガラフという国だ。
「ギルド調査?」
「不正をしているから確かめてこいってことよ」
「詳しい内容は?」
「Webで」
「パソコン使えないくせにそう言う事言わないで下さい」
「いいじゃないの別に。実際はその紙の裏にあるわよ」
「…あ、本当だ」
「なんでそんなにやる気なの?」
「情報収集はやらなきゃいけないことですよ」
「授業中寝るのは?」
「……やらなきゃいけないことですよ」
「帰ってきたら補習ね」
「。゜(゜´Д`゜)゜。」
帰ってくるとナホとローズちゃんがご飯作ってた。
「ただいま」
「おかえりなさい」「どこ言ってたのよ」
「エレナ先生のところにな」
「朝帰りですか?」
「朝出かけましたが」
「いろいろと速いんですね」
「何がとは聞かないよ……」
「ヒルガを起こしてきてよ」
「起きろ否流我!」
顔面を蹴りとばす。
「ぐあぁ!もっとやってくれ!」
「うあぁ!変態が目覚めた!」
「元々変態みたいな言い方だな 」
「実際そうだろ!飯だってさ」
「わかった」
朝飯を済ませたら、クエスト依頼の紙を皆に見せる。
「「またギルド絡み……」」
「なんかあったんですか?」
「俺達、裏ギルド潰してきたんだよ」
「主にヒルガだけど」
何があったんだろう。怖いな。
「んんっ。それに当たってだな、武器を調達しようという訳だ」
「月曜日に出発って書いてありますよ?今日入れて4日です。大丈夫ですか?」
「何を隠そう否流我の実家は鍛冶屋なのだ!」
「「な、なんだってー」」「そうなんですか!?」
2人棒読み、1人本気。
「と、いう訳で否流鍛冶屋に行こう」
「略すな……」
午前10時49分。フローランス内の大鍛冶場。
「失礼しまーす。親方ー?」
「ん?おお、一華じゃねえか!なんだ、両手に花か?」
「待て待て。俺が見えてないのか?」
「いたのかヒルガ。だったら始めに挨拶しろっ!」
ガツン!
「痛って!……久々だな」
「そうだな!お前あんま帰ってこねぇからな!」
「悪いな」
親方と否流我が笑い合う。その顔はどう見ても血が繋がってる。
「さて父さん。武器を作って欲しい」
「お、何を作ればいい」
「……専用武器、ある?」
「私は銃剣です。」
「あたしは短剣よ。拳銃も使うけど」
親方は俺を見る。
「俺は蜻蛉切が好きだからいいや」
「へへ、ありがとよ」
俺の蜻蛉切もこの親方が作ってくれた。
「銃剣と短剣と槍と銃……。悪くないパーティなんじゃねえか?」
「「そう思うだろ?」」
子供みたいに笑う。
「わかった。……って、短剣の嬢ちゃん。あんたローズお嬢様じゃないか!」
「ご無沙汰しております」
「こりゃたまげた。……で、銃剣の嬢ちゃんはどんな魔法を使うんだ? 」
「物体に電気を流す、というです」
「つえぇな」
「あ、生き物には流せないのです」
「いや、十分すぎる。少し待ってろ」
10数分後。
「こんな感じだな」
「「これは……!」」
設計図らしきものを描いてきたらしい。
「小型超電磁砲銃剣…?」
「この短剣は?」
「ローズお嬢様の短剣は刀自身が透明になる。ものには魔法をかけられないお嬢様の短所を埋めてみた」
「十分すぎます……!ありがとうございます」
「へへっ。それでそっちの嬢ちゃんはこれもだ」
「これは?」
「簡単に言えばパワードスーツだな。筋力と魔力をアシストする。こいつはバッテリーがでかくなりすぎてな、使い物にならなかったんだ」
「それで、私自身がバッテリーになれば……」
「万事解決だ。マイクロレールガンといえど女が持つにはちと重ぇ」
「ありがとうございます!」
「流石に2日3日かかる。また取りに来てくれ」
「分かったよ。じゃ」
「あいよ!」
「優しい人でしたね。大きな鍛冶場でした」
「親方は「創ったものに能力を与える」魔法を使える数少ない人なんだ」
「凄いですね……何人くらいいるんですか?」
「俺が知ってるのは4人かな。その内3人は歴史上の人物」
「めちゃくちゃ凄いですね!」
「だってよ否流我」
「き、恐縮ッス!」
「否流我さんを褒めた覚えはありませんが」
こいつドSだ!
「っ……///」
ダメだ!否流我はドMだ!相性が良すぎる!
「もっと!」
「っ!」
今引いたぞ……。
「それぐらいにして、武器ができるまではどうするのよ?」
「目標の情報収集だな。とりあえず帰る」
「了解よ」
「さて、情報収集な訳だ。ん〜……。」
「どうしたの?」
「ローズちゃんは何が得意?」
「いきなり過ぎよ。答えられないわよ」
「それもそうだな。否流我は女性を口説くのが得意。ナホは機械に強かったよな?」
「はい」
「否流我は奥様方の噂話を、ナホはネットから、ローズちゃんは?ってこと」
「なるほど……ん〜。そういわれると特に何もないわね」
「リリスはあの時何してたんだ?」
「あの時?」
「弱みを握るってとき」
「あ〜……。あたしの信者に話を聞きに行ったのよ」
「「「信者?」」」
「お城の中にあたしのファンみたいなのがいっぱいいるのよ」
「納得。じゃあ俺とリリスは合同で動こう。とりあえず昼飯食ったら7時まで、それと明日は丸一日収集だ」
「「「了解!」」」
「さて、ローズちゃん。2人きりだよ?」
「ひ……!」
「冗談。俺たちは公式の情報を取りに行く」
「公式?」
「ギルドに行こう」
「こんにちは〜」
「お、一華!」
ギルドの中にはエレナ先生とトーケン爺さんがいた。
「どうした?そっちの娘は…バルサ嬢か?」
「ええ。しかしなぜ私の名を?」
「この爺さんは知らないことがないんだよ」
「はっはっは。そんなそんな」
「さらにこの爺さん、[自らの寿命を無くす]魔法を使ったんだ。だからいつから生きてるんですか?」
「知るかっ!それより、お主が何しに来た?」
「はい。[ビーハイブ]ってギルドについて聞きたいんです」
「その名前が出てきたということはあれか?特別クエストか?」
「そう言う事です」
「はっはっは!おいエレナよ!お前さん一華に何教えた?」
「皆と同じようにですが?」
「あの……」
「全てのパーティが月曜日に出発するのだ。そのなかで情報収集をしに来たものはお前さんしかおらん。もしかするとネットとやらでしているかもしれないがな。それどもあんなガセネタだらけのところを元に行くのは頭がおかしい。
それとも《情報は武器》というのを実行してる一華が、おかしいのかもしれんがな」
「きっと後者ですよ」
「はっはっは!お前さんは最高の優等生だ!」
「そろそろ教えて下さいよ」
「そうだな……。あそこはモンスターのみを操る能力者がいてな、A級がうじゃうじゃいる。さらにギルドの守りが硬すぎる。それ故のビーハイブじゃ。やってることは窃盗が主じゃな」
「守りが硬い理由はなんですの?」
「入口が1つだけしかないのとその入口にモンスターの飼育所を備えてるのじゃ」
「おお……」
「まあ、お主ならやれる!頑張れ!」
「ええ。頑張りますよ」
他にもエレナ先生からや他の先生、図書館に行きミッション終了。
「どうだった?」
「守りが硬い、ということは分かったわ」
「否流我は?」
「ここ最近で、そのギルドの紋章をつけたやつが窃盗を繰り返してるらしい。ぐらいか」
「むぅ……。俺らもそんなことしか分からなかった」
「「「「ん〜……」」」」
「とりあえず今日は休もう。飯食って寝よう」
「そうだな。と言っても俺たちは何も出来ないんだけどな」
「やらなくていいのよ。ダークマターみたいなの作られても困るわ」
「ある程度は作れるよっ!な、一華!」
「ああ。お湯を沸かす程度なら……なんとか」
「「「………」」」
次の日、事故が起きた。
「やべぇ……」
「一華、まさか……」
「眠ぃ……」
「やっぱりか……」
「どうしたのですか?」
「一華が眠いってさ」
「朝だから眠いんじゃないの?」
「眠い時の一華の行動力は1割も発揮されないんだ。寝かせてやらないとそっちのほうが生活に支障が出る」
「なんてわがままな体質……ってもう寝てるの!?」
「zzZ_(-ω-`_)⌒)_」
「今日も情報収集でいいのか……?」
一華が寝たので俺-否流我が指揮を執る。しかしやることが分からない。
「でも昨日でだいぶ調べましたよ?」
「そうなんだよね……。昨日一華は何してた?」
「ギルドに顔を出してたわ」
「トーケン爺さんか。ギルド関係者から情報を得るのは盲点だったな」
それはテストの問題の内容を直接聞くのに似た行動。テストと違うのはカンニングがないことだ。つまり先生にヒントを聞いても問題ないということだ。
クエストをテストと考える。問題の内容は理解した。そして問題用紙も配られている。足りないのは-。
「じゃあ道具を各自買おう」
筆記用具だった。
「「道具?」」
「俺だったら爆薬とか、リリスなら砥石とか」
「成程!でもお金どうするんですか?」
「必要経費は学校からでるさ」
「便利ですね」
「使えるものは使ってく。さあ行こう」
だいぶ遅くなりました。
学校のテストとかぶりまして。赤点はありませんでした!これからもずっと読んでください。