ローズ・アマリリス・バルサ
ローズ・アマリリス・バルサ
スポリンの首都ボルソルソの王の娘。
今は盗賊業を営んでいる。
「さて、リリスはどこにいるのやら……」
俺―否流我―はスポリンのボルソルソに来た。ここはバルサ王が治める都市。スポリンの首都を治める凄い人。だけど―
「いい人とは思えなかったな」
否流我の家は位の高い貴族で鍛冶場も営んでいた。だからよくここの城に武器を補給しに、父親についてきていた。その時にリリスと知り合った。その時から市民は王様の悪口を言わなかった。褒めもしない。王様に極力近づかない様にしていたように俺には見えた。
「……?」
ポケットが急に軽くなる。財布をスられたのだ。だが―
「予想はしてたよ」
その財布にはワイヤーが付いていて否流我から離れないようにしてあった。
「ふんっ!」
ワイヤーを引っ張る。すると釣れたのはー
「小学生……?」
一華がいなくて良かった。きっとこれを理由に襲っていた。
「離せ!うう!」
「何言ってるんだ。お前さんは窃盗罪だぞ」
そう言ってその娘の顔をこっちに向けさせる。
「「へ?」」
「お前は……」
その顔は間違いなくリリスだった。
「くっ誰だお前!」
「ちょ……リリス。それはないだろう」
「ん?その声、ヒルガなの?」
「そうだ。否流我だ。お前は変わってねぇな」
「そういうお前は背が伸びたな。声も少し変わった。」
「見れば見るほど変わってねぇな!」
「成長してるわよ!何が変わってないのよ」
「身長、声、話し方、む―ぐはっ!」
「ぺったんこで悪かったわね!」
なんと鳩尾に拳を入れられた。
「げほっげほっ……」
「こういうのが好きな男性もいるのよ!」
「知ってる。友達にいるから」
「そうなの?でもヒルガは俗に言うロリコンじゃないんでしょ?」
「そうだな。少し大人めで胸は大きい方がいい」
「最っ低」
「くぅ……」
「でも、何でここにいるのよ」
「そうだな。もっと落ち着いた所で話したい」
「ん~。じゃ私のアジトに来なさいよ」
「アジト?」
俺の記憶ではリリスは、ローズ・アマリリス・バルサはバルサ家の娘だったはず。バルサ家はここ、スポリンの首都ボルソルソの王。つまりスポリンの実質的な王。その娘。そんな娘がこんなボロボロなアジトとかいう廃墟にすんでいるのか?
「親は?」
「後で話すわ。それで何でこんなところに来たのよ」
「今な、俺の学校でパーティを組めって言われてな」
「それだけでわざわざスポリンに?」
「まぁ、な」
「つまり、あんた友達いないのね」
「ぐはぁ!……お、俺は広く浅く接するタイプなんだ」
「知らないわよそんな事。とりあえず分かったわ。でも無理ね」
「そうだよな……理由を聞かせてくれないか?」
「親、ね」
「バルサ王か……」
「実は私ね、もう結婚相手が決まっているのよ。」
「リリス、確か16歳だったよな?」
「ええ。それが嫌だったのよ。とある国の王子らしいんだけど」
「王子か。いいじゃないか」
「それが白馬よりもアルパカが似合う様な奴なの」
「ア、アルパカ?」
それは何とも……間抜けな感じだ。
「1度結婚相手を変えてっていったわ。そしたら怒られて『この街から出るな!』って言われたの。だから私が出来る反抗として、こんなところに住んで盗賊やってるのよ」
「……」
「どうしたのよ。黙っちゃって」
「その父親さえいなければ俺とパーティ組んでくれるな?」
「ええ。この国から出たいもの」
「じゃあ話してみようぜ」
「は?」
「俺がお前と両想いな設定で話すんだ。私、この人と結婚したい!って」
「バ、バカじゃないの!?」
「これしかねぇ!やるぞ!」
「昔からアホなのは変わらないわね……」
さて、否流我の物語です
否流我は戦いを多くしたいなと思っているのでご了承下さい。
これからも読んでいただけると幸いです。