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ビーハイブ

ギルドのテリトリーで起こった犯罪はギルドが調査し逮捕なり監獄に送るなりする。ギルドそのものの不祥事は他国のギルドが調査に入る。

 3人は否流我の鍛冶屋に来ていた。ここの鍛冶屋は武器を作るだけでなく周辺機材も売ってくれる。

「うい!ってお前らか。まだ出来てないぞ」

「いや、火薬やら何やらを買いに来た」

「なるほど。よし……ここから選べ」

 カタログを渡される。

「決めたら呼んでくれ」

「分かったよ」

 奥の方に消えていった。

「さて……」

 何を買おうか。とりあえずTNT、ペンスリット、その他諸々。リリスとナホは親方を呼んで話している。武器を新調したから何を買うか相談しているのだろう。数分後、親父が「否流我!決めたのか?」

「ああ。この丸ついてるやつだ」

「……わかった。金はいつも通りでいいんだろ?」

「頼む」

「明日までに学校に届けるぞ」

「いや、取りにくるよ。武器と一緒に」

「そうか。明日待ってるからな」

「じゃあな」

 鍛冶屋を後にする。時刻は午後0時7分。

「一旦帰ろう」

「お腹すきました……」


「「ごちそうさまでした」」

「お粗末さまでした」

 一華は起きていなかった。少し期待していた俺が馬鹿だった。

「さてどうする?」

 本格的にやることが無くなった。

「私、学校に入ってみたいです!」

「そっか。こっちのは入ったことないのか」

「はい」

「リリスは?」

「ギルドなら昨日行ったわ。でも校舎は無いわね」

「じゃあ行くか」

 どうせやること無いしな。


「ここが否流我さんの席ですか」

 壁際の前から4番目。一華はその左隣。

「否流我さん。放送室ってどこですか?」

「職員室の隣りだな。興味あるの?」

「いえ、ちょっと知りたかっただけです」

「そうか」

「ねぇヒルガ。ここのクラスに女子はいるの?」

「そりゃいるさ」

「可愛い子は?」

 質問の意図が見えない。妬いてるのか?

「俺のタイプはいないな」

「そう……」

 ?まぁ他にもいろいろ回るか。


 戻ってくると午後4時26分。さて、どうしようか。

「あたし達も休むべきだわ」

「そうですね。明日は武器の微調整等で時間を取られますから」

「そうだな。では皆の者!休めぃ!」

「了解であります!」「はーいはい」

 リリスにはスルーされてしまった。



 次の日は俺-一華が皆を起こす。昨日何してたかが知りたい。

「ナホ起きてくれ」

 迷惑ににならないように耳元で囁く。

「はあぁん…///」

「!?」

 エロティックな声を出してきた。囁いたのはミスだったか。

 否流我はいつも通り、ローズちゃんは入った直後に起きてしまった。


「さて昨日何した?」

「備品調達だ」

「……成程理解した。つまり俺だけ準備出来てないのか」

「そうですよ。明日出発ですよ?」

「ええい!鍛冶屋に行くぞ!」

「ヤケね……」


「うい!お、一華じゃねえか!昨日は寝てたのか?」

「その通りだ」

「皆備品買ってったぞ」

「わかってる!とりあえず武器はどんなだ?」

「もうちょいだな。午前中に終わるぜ」

「「本当ですか!?」」

「嘘ついてどうすんだよ」

「とりあえず俺は演習場に行きたい。否流我は?」

「俺もだ」

「別れたいところだが、場所分かんないよな?」

「分かるわよ?昨日否流我に連れて行ってもらったわ」

「なんと……」

「じゃあ先行ってる」

「後で行くわ」


 演習場-バーチャル空間に意識を飛ばしそのなかで自らの武器を使用し敵と戦う機械が置いてあるところのことだ。ギルドの中に20台程ある。スコアが出て同じギルドの中で競い合うことができる。否流我はこれが得意で1桁違う点数を叩き出す。俺は大抵2位か3位だ。

 いつもは使うのに1時間待たされることもあるのだが今日は3台空いてる。

「ラッキーじゃん」

「勝負するか?」

 これはCPUと戦うだけでなく他人とも戦える。

「やるか!」

 お互いに相手の癖を知っている。いい勝負になる。


 訳でもない。

 俺は5戦1勝4敗。タイマンは否流我が圧倒的に強い。大人でも勝てる奴はそういないと思う。

 腹いせに最近追加された「1対多モード」をやる。これのスコアは俺が1番だ。

 遊んでいると新装備で身を固めたナホと、新しい短剣を嬉しそうに持つローズちゃんが来た。

「お待たせしました」

「エラくでかい物持ってるな」

 それはナホの身長とあまり変わらない剣。二又に別れていてその間に伝導レールが。

「かっこいいですよね」

 それを軽々しく持ち上げる。

「パワードスーツか。すごいな」

「そろそろ明日について考えよう。拠点に戻ろう」

「了解です」「了解だわ」「了解した」


「明日、朝8時にここを出る。そして大体午後1時にイガラフのロンロンの宿に着く。戦いは夜にしよう」

「なんでよ?」

「昼だと一般人を巻き込んじゃう」

「なるほどね」

「ただ夜はモンスターが凶暴になるんだ。そこがネックだけど、まぁ後で考える」

「今更だが移動は何なんだ?」

「ギルドの人が送ってくれるらしい」

「そうか」

「まぁザックリとこんな感じ」

「大体は分かった」

「じゃあ今から7時までは個人で準備。大体だけど2泊3日かな」


「一華さん」

「ん?ナホか。どうした?」

「どこに行くんですか?」

「鍛冶屋かな」

「私もなんです。一緒に行きませんか?」

「いいよ。俺もう出ちゃうけど準備は?」

「出来てます」

「じゃ行こう」


「手繋ぐ?」

「貴方が後悔しますよ?」

「ぐっ……」

 確かに俺が先に羞恥心に負けるだろうな。

「……雪希さんのこと聞きました」

「そうか。俺からは恥ずかしくてな」

「そんな!そんなことないです!」

「お、おう……」

「そのパーカーも理由があったんですね」

「ああ……ん?」

 向こうで騒ぎが起きているようだ。

「どうしたんでしょうね」

「行っていい?」

「行きましょう」

 そこでは喧嘩が起きていた。商店街の通りの真ん中で殴り合いをされれば困る。周りの人も引いているし。仕方が無い。

「お二人さん、そこまでです」

 止めに入る。

「ああ?黙れよガキが。プッ」

 唾を吐かれる。それを避けてすぐにそいつの懐に入り込む。

「っ!?」

 腹部に掌底を捻じ込む。気圧砲の理論で発射された俺の手はその男を吹き飛ばした。観衆のどよめきが聞こえる。

 もう一人を見る。怯えきっていた。

「す、すみませんでしたぁ」

 走って逃げてった。それを見た観衆が拍手をしてくれる。

「どーもどーも」


「強いんですね」

「体術と棒の扱いは得意だから 」

「そうですか……その伸びてる方はどうするんですか?」

「そうだな……おーい」

 ペチペチ頬を叩く。そこで服の袖が破れて腕の《紋章》が見えていることに気付いた。

「こいつは……」

「その紋章、ビーハイブのものではないですか?」

「思った?とりあえずギルド行きかな」


「ビーハイブを捕まえた?」

 いたのはエレナ先生とトーケン爺さん。

「今伸びてますけど」

「見せてください。……あらこの紋章は……」

「間違いなくビーハイブのものじゃの」

「この人はどうするのですか?」

「こっちで尋問なり何なりするわ。得た情報は『携帯端末』に送るわ」

「もう忘れません」

「さて、持ち物は……あらら」

 ネックレスやら指輪、ブレスレットなどがポッケから出てきた。

「犯罪ですね」

「そうですね。では宜しくお願いします」

「はい分かりました。特別クエスト頑張ってください」

「はい」


「今度こそ鍛冶屋に行こう」

「分かりました」


「おう、一華じゃねえか!あとレールガン嬢ちゃんも」

「親方。わかるでしょ?備品を買いに来た」

「はっはっは!嬢ちゃんは?」

「弾をもう少し補充しようと」

「分かった。ゆっくり見てけ!」

 親方は奥に行った。

 俺にとって備品とは戦闘用ではなく移動時に使うものや雑貨品のことだ。プラス今回はモンスターが敵の中にいるので餌付け用の餌など。

「……もっと実用的な物買いませんか?」

「十分実用的だ」

「ルービックキューブをどう戦闘で使うんですか!」

「これはボイドキューブだ。面の真ん中が穴なのが特徴だ」

「そう言う事ではありません!戦闘でどう使うんですか!」

「ん〜敵に解かせる。真ん中の穴が結構ネックでな、従来の方法では解けないのだよ」

「はぁ……もういいです」


 買い物を済ませて帰る。午後5時半。さて、

「どうするんですか?」

「どうしようか……。シュミレーターやってみる?」

「はい!やりたかったです!」

 なんてキラキラした目なんだ!


「どうしようか」

「まずは協力プレイをしたいです」

「分かった」

 早速やらせてみるとチュートリアルはスムーズにいった。だが少し視野が狭いようだ。

「じゃあこの拠点の旗を自分の拠点に持ち帰ったら勝ち。作戦としては俺が西から、ナホは東から攻めて」

「了解です!」

 結果はなかなかだった。勿論俺の方が早く旗に辿り着いた。そこの護り手と戦ってる最中にナホが良いタイミングで登場し旗を奪い取り持ち帰った。

「いい動きじゃん……」

「そうですか?」

「俺もっと転ぶとかモンスターに捕まるとかするかと思ってたから」

「酷いです!」


 午後7時2分。俺とナホは家に着いた。

「お帰り」

「おーただいま」「只今戻りました」

 テーブルを見るとご飯の準備が出来ていた。

「準備がいいな。早速食べようか」

「もう待ちくたびれたわよ」

「出来てから5分経ってないがな」

「何で言うのよ!ヒルガ!」

 

「そう言えばさっきエレナ先生から電話があった」

「ぶぼっ!ばんばっべ?(うそっ!なんだって?)」

「『一華君の端末に尋問結果を送った』と」

「ばびば。びぶば(まじか。気づか)……んっ。気づかなかった」

「さっき送ったばっかだそうだぞ」

「見さしてくださいな……っと。来てた来てた。読むぞ。

 《ビーハイブ。門は北に1つだけ。その門にA級モンスターが4体ほど。ギルドリーダーの名前はクイン・アベイユ。使用魔法は不明。トラバイユという人物が飼育魔法を使用。結界魔法は不使用》

  ……だ、そうだ」

「じゃあモンスター&トラバイユと雑魚&クインに分かれるの?」

「そうだな」

「どう分けるんだ?」

「それは向こうで決めよう。追加情報があるかもしれない」

「成程。じゃあ飯を食おうではないか」

「そうですね」


 出発の時間になった。ロンロンに向けての自動車に乗り込む。自動車というか馬車と車の中間点に位置する乗り物だ。

 蜂の巣の駆除に出発だ。

最近時間がなくなって参りました。

冬休みに入ったのである程度の期間で書けるかなと思います。

これからもよろしくお願いします。

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