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やる気のない創造主の俺が、下界墜ちしたので、のんびり暮らします  作者: のほほん


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第4話:村の異変と天界からの訪問者

宴の翌日、デミウルゴスは久しぶりに静かな朝を迎えた。ボロ小屋の窓から差し込む柔らかな光が、彼の顔を照らしている。


「ふぁあ……寝すぎたかな」

彼が伸びをしながら起き上がると、小屋の外から急ぎ足の足音が聞こえてきた。


「お兄さん!大変だよ!」

真っ先に駆け込んできたのは、いつものアリシアだった。


「何だよ、朝からうるさいな……また狼でも出たのか?」

まだ寝ぼけ眼のデミウルゴスが適当に返すと、アリシアは首を振る。


「違うの!村の井戸の水が真っ黒になっちゃったの!」

「……は?」



---


村の井戸の異変


デミウルゴスが村の広場に向かうと、村人たちが井戸の周りに集まり、不安そうにざわめいていた。井戸の中を覗くと、確かに水が黒く濁り、腐臭のような匂いを放っている。


「おいおい、これはまた厄介だな……」

彼は眉間にシワを寄せ、井戸の中に手をかざした。


「何をしている?」

リックが声をかけるが、デミウルゴスは答えず、わずかに残された力を使い、井戸の底を探る。


(やっぱり……魔力の漏れが原因か)


井戸の奥深くから微弱な魔力の痕跡を感じ取る。それは狼の事件と同じく、デミウルゴスが過去にこの地を創造した際に放置した魔力の残滓だった。


「……修理が必要だな」

「修理?どういう意味だ?」

リックがさらに問い詰めるが、デミウルゴスは軽く手を振って黙らせる。


「何でもないよ。ただ、ちょっと井戸を浄化するのに時間がかかりそうだってだけさ」



---


天界からの訪問者


デミウルゴスが井戸の浄化に取り掛かろうとしていた矢先、頭上から眩い光が降り注いだ。光の中から現れたのは、天界の使者――金色の鎧をまとった美しい女性だった。


「……エリシアかよ」

デミウルゴスはげんなりした表情を浮かべる。


「久しぶりね、デミウルゴス。あなたがこの地に落とされてから、どれだけ経ったかしら?」

「まだ数日だろ。で、何しに来たんだ?」


エリシアは溜息をつきながら、彼に告げる。

「ゼノス様が仰ったのよ。『少しは反省しているかどうか様子を見てこい』と」


「反省も何も、俺はただのんびりしてるだけなんだけどな」


「どうだか。そもそも、この井戸の異変もあなたのせいなんでしょう?」


村人たちが驚きの目でデミウルゴスを見つめる。

「え、お兄さんが関係してるの?」

「いやいや、そういうわけじゃない。ちょっとした副作用みたいなもんだ」

苦笑いを浮かべるデミウルゴスに、エリシアは呆れたようにため息をつく。


「まったく、創造主としての自覚が足りないわね。まあいいわ。これ以上迷惑をかけるようなら、またゼノス様に報告するだけだから」


「はいはい、どうぞご自由に」


エリシアはデミウルゴスを一瞥すると、光に包まれて消えていった。



---


浄化の儀式


エリシアの訪問で、ますます村人たちの不安は高まっていた。デミウルゴスはそれを察し、村人たちに告げる。


「まあ、心配するなよ。この井戸の問題は俺が解決するから」


「本当に大丈夫なのか?」

リックが警戒心を露わにするが、デミウルゴスは軽く笑って見せる。


「信じるかどうかは自由だけど、俺に任せた方が楽だぜ?」


彼は井戸の周りに魔法陣を描き、村人たちに下がるよう指示する。魔法陣が青白い光を放つと、井戸の中から黒い液体が渦を巻くように浮かび上がり、やがて光と共に消えていった。


数分後、井戸の水は再び澄み渡り、元の状態に戻った。


「これで一件落着だな」



---


村人たちの反応


「お兄さん、すごい!本当に神さまみたいだね!」

アリシアが無邪気に笑顔を向ける。


「まあ、ちょっとした特技みたいなもんだよ」

デミウルゴスは肩をすくめるが、村人たちの視線は以前とは明らかに違っていた。


「……お前、本当にただの旅人か?」

リックが低い声で問いかけるが、デミウルゴスは適当に笑ってごまかす。


(やれやれ、こうしてまた俺の面倒事が増えるんだろうな)



---


次なる予感


その夜、デミウルゴスは村外れの丘に一人で立ち、星空を見上げていた。


「下界って意外と忙しいもんだな」

彼は天界にいた頃の退屈な日々を思い返しながら、村での生活の不思議な充実感を感じていた。


だが、井戸の魔力の残滓を感じた時から、彼の中には不安が渦巻いていた。


(この地に残した魔力の痕跡は、まだ他にもあるはずだ。次は何が起きることやら……)


彼は軽く息をつき、夜の冷たい風に身を委ねた。



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