表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やる気のない創造主の俺が、下界墜ちしたので、のんびり暮らします  作者: のほほん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/31

第30話:創造主の本気

試練の空間での戦いが終わり、デミウルゴスたちは再び静寂に包まれた異空間に立っていた。消えた影たちの名残はなく、ただ不気味な闇が広がっている。


「……終わったのか?」

リックが息を整えながら周囲を見回す。


「いや……まだ何か感じる」

ゼルクスが剣を構えたまま慎重に辺りを見渡す。


「確かに、試練が終わったって感じがしません……まだ、何かが……」

アリシアが魔力を研ぎ澄ませながら呟いた。


すると、空間全体が低く振動し、再びあの“声”が響いた。


「ふふ……さすがですね」


「おいおい、まだ続くのかよ」

デミウルゴスは面倒くさそうにため息をついた。


「影を退けたからといって、試練を乗り越えたわけではありません。これはあくまで“序章”……本番は、これからですよ」


その言葉と同時に、空間が歪み始めた。


「っ……これは……!」

ノクスが目を細める。


闇の奥から、巨大な何かが姿を現した。


それは――デミウルゴスの姿をした“巨人”だった。


「へぇ……今度はでっかい俺か」

デミウルゴスが苦笑する。


「さっきの影とは違う……こいつ、ただのコピーじゃないぞ」

ゼルクスが警戒を強める。


「まるで、この空間そのものが実体を持ったみたいな気配です」

アリシアが怯えながら呟く。


「さて、創造主よ。今度こそ、お前の力を見せてもらいましょう」


巨人のデミウルゴスが口を開いた瞬間、巨大な魔力の波動が放たれた。


「っ……!!」

リックたちは思わず後退する。


「おいおい、いきなり全力か?」

デミウルゴスは冷静に一歩踏み出した。


「どうする、デミウルゴス?」

ゼルクスが問いかける。


「んー……まあ、適当にやるか」


そう言うと、デミウルゴスはゆっくりと手を上げた。


「――お前の本気を見せろ」


巨人のデミウルゴスが叫ぶと同時に、闇が渦巻き、無数の魔法陣が出現した。


「っ……こいつ、いくぞ!」

リックが構える。


「ええ……全力でいきましょう!」

アリシアが魔力を込める。


「……仕方ない、やるか」

ゼルクスも剣を握りしめた。


だが、デミウルゴスは相変わらず気だるそうに立っているだけだった。


「ねぇ、お前さ」


彼は軽く指を鳴らした。


「……?」


次の瞬間、巨人のデミウルゴスの動きが止まった。


「な、なんだ?」

リックが驚きの声を上げる。


「お前、強すぎるって言われたことないか?」


デミウルゴスの指先から放たれた微かな光が、巨人の体を蝕み始める。


「これは……?」

ゼルクスが目を細める。


「ただの“修正”さ」


デミウルゴスは淡々と答えた。


「……なに?」


「俺が作った世界で、俺と同じ存在が勝手に動いてるんだ。それって、ちょっと不具合だろ?」


「……っ!!」


巨人のデミウルゴスの体が次第に崩れ始める。


「お前……まさか……!」


「悪いけどさ、俺の世界では、俺以外の“創造主”は存在しないんだわ」


デミウルゴスが再び指を鳴らすと、巨人は完全に光となって消え去った。


「……終わった?」

アリシアが呆然とつぶやく。


「お、おい……今の、なんだったんだよ……?」

リックがデミウルゴスを見つめる。


「ただのシステムエラーの修正だよ」


デミウルゴスは肩をすくめた。


「……はぁ……お前、やっぱりすげぇな」


リックが苦笑する。


「まあな。でも、面倒くさいから、できるだけ戦いたくないんだよなぁ」


「そう言いつつ、一瞬で終わらせたのはお前だろうが」

ゼルクスがため息をついた。


「これで試練は終わったんでしょうか?」

アリシアが慎重に周囲を見渡す。


すると、空間が再び揺れた。


「ふふ……なるほど。確かに、お前は“創造主”にふさわしい」


あの声が、満足そうに響いた。


「……試練は、これにて終了です」


次の瞬間、空間が光に包まれ――デミウルゴスたちは、元の世界へと戻った。


試練の果てに


気がつくと、彼らは町の広場に立っていた。


「……戻った?」

リックが辺りを見回す。


「ええ、試練は本当に終わったみたいですね」

アリシアが安堵の表情を浮かべる。


「ふぅ……やれやれ、疲れたぜ」

ゼルクスが剣を収めた。


デミウルゴスは大きく伸びをして、あくびを噛み殺す。


「さーて、試練も終わったことだし――のんびり暮らしますかね」


「お前……ホントにやる気ねぇな!」

リックが思わず叫ぶ。


「まぁまぁ、いいじゃないですか」

アリシアが苦笑する。


デミウルゴスは軽く笑いながら、青空を見上げた。


彼の旅はまだ続く――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ