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やる気のない創造主の俺が、下界墜ちしたので、のんびり暮らします  作者: のほほん


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第3話:狼と魔力の残滓

夜の帳が降りる頃、デミウルゴスは村の男たちと共に、狼の群れが現れるという村外れの森へと足を踏み入れていた。満月が静かに輝き、木々の間から冷たい風が吹き抜ける。


「気をつけろ、あいつらは賢い。こちらの気配を察するとすぐに姿を消すんだ」

村の狩人リックが緊張した声で告げる。


「ふーん、ただの狼じゃない気がするけどな」

デミウルゴスは森の気配を感じ取りながら、静かに歩みを進める。


「どういうことだ?」

リックが怪訝そうに尋ねるが、デミウルゴスはそれ以上答えなかった。


(この森、俺が昔作った時に放置した魔力が濃く残ってる。多分、それに引き寄せられて狼が変異したんだろうな)

心の中で面倒臭そうに呟きながら、ふと足を止める。


「……来るぞ」



---


襲い来る異形の狼


その瞬間、茂みから低い唸り声が響き渡り、異様に光る赤い瞳が暗闇の中から浮かび上がる。


「来たぞ!構えろ!」

リックが弓を構え、他の男たちも槍を握り締める。


現れたのは、異常に大きな体躯を持つ狼だった。体毛は黒く輝き、牙はまるで刃物のように鋭い。


「……やっぱりか」

デミウルゴスはため息をつき、リックに軽く手を挙げる。

「お前ら、下がってろ。こいつら、普通の狼じゃない。ちょっと俺がやる」


「何を言っている!俺たちで戦える!」

リックが声を荒げるが、デミウルゴスは無視して前へ出る。


「まあ、見てなって。これでも神様なんだからさ」



---


封じられた力の片鱗


デミウルゴスは手を軽くかざす。天界で力を封じられている彼だが、わずかに残された創造主の力を使い、周囲の木々から魔力を引き出した。


「おいで、ほら」


彼がそう呟くと、地面から小さな光の粒が立ち上り、狼たちの動きを鈍らせる。狼たちは一瞬戸惑ったように立ち止まるが、すぐに再び唸り声を上げ、デミウルゴスに襲いかかろうとした。


「これで終わりだ」


地面に触れた彼の指先から、木の根が生き物のように動き出し、狼たちを絡め取る。そのまま魔力を浄化するように光が広がり、狼たちの赤い瞳が次第に元の色に戻っていった。


やがて、異形の狼たちは静かに地面に倒れ込み、普通の狼の姿に戻る。



---


村人たちの驚き


「……今のは、何だ?」

リックが驚愕の表情でデミウルゴスを見つめる。


「ただの浄化だよ。こいつらは魔力の影響で変異してただけだ。ほら、もう危険じゃない」

デミウルゴスがそう言うと、男たちは恐る恐る倒れた狼たちに近づく。


「本当に……普通の狼に戻ってる」


村人たちは安堵の息をつきつつも、デミウルゴスの力に対する畏怖の念を隠せない。


「お前、ただの旅人じゃないな。一体何者なんだ?」


「まあ、適当に想像してくれればいいさ。俺としては、ただの無職で通したいんだけど」


デミウルゴスは手を振り、軽く笑ってみせたが、その背中にはどこか疲れの色が見えた。



---


魔力の残滓と彼の責任


帰り道、デミウルゴスは一人、魔力が濃く漂う森の奥を見つめる。


(あの時、ちゃんと管理しておけば、こんなことにはならなかったんだろうな……)


かつて天界にいた頃、勢いで作った数々の世界。放置されたその一つが、こうして問題を引き起こしていることに、彼は嫌でも気づかされていた。


「まあ、今さら気にしても仕方ないか」

そう呟くものの、その声にはどこか後悔の色が滲んでいた。



---


村の感謝


翌日、村では狼退治を成功させたデミウルゴスに感謝の宴が開かれた。村人たちは彼を「救世主」として扱い、豪勢な料理を振る舞う。


「お兄さん、本当にすごいね!やっぱり神さまだったりして!」

アリシアが笑顔で話しかけると、デミウルゴスは少し困った顔をする。


「まあ、神様みたいなもんだよ。暇つぶしにちょっと力を貸しただけさ」


だが、その裏で、村の平穏を守るために彼がやらねばならないことは、まだまだ残っているのだった――。



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