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第13話:裏切りの予兆

新たな手掛かり


ローブの人物が残した魔力の痕跡を調査するため、デミウルゴスたちは再び遺跡を訪れていた。封印の部屋にはまだ微弱な魔力が漂っており、ノクスがそれを丁寧に解析している。


「主様、この魔力の残留は明らかに誰かが意図的に細工したものです。普通の魔法使いではなく、かなりの実力者ですね」


「ふーん。となると、俺の元部下の誰かか?」

デミウルゴスは気だるそうに答えた。


「元部下?」

アリシアが驚いたように尋ねると、デミウルゴスはあくびをしながら説明した。


「俺がこの世界を作ったときに、いくつかの仕事を他の神格に任せたんだよ。その中に、仕事ができるけど、やたらプライドが高い奴がいてな。そいつらがまだ俺に恨みでも持ってるのかもな」


「そ、そんな話をさらっとするんじゃないよ!」

リックが突っ込むが、デミウルゴスは肩をすくめるだけだった。



---


村での不審な動き


遺跡から戻ったデミウルゴスたちは、村で妙な空気を感じ取った。村人たちが何やらひそひそ話をしており、顔つきがどこか怯えている。


「なんだこれ、村全体が暗い雰囲気だな」

リックが辺りを見回しながら言うと、アリシアも頷いた。


「まるで何かを隠しているような感じですね……」


そのとき、一人の村人がデミウルゴスに近寄ってきた。


「デミウルゴス様、少しお話を……」

その村人は怯えた様子で、何かを言いかけて止まった。


「どうした、言いたいことがあるなら言えよ」

デミウルゴスが促すと、村人は意を決したように答えた。


「最近、村の外から来た旅人が何人かいて、彼らが妙な話をしていました。『神の力を持つ者を探している』と……」


「神の力?」

デミウルゴスが眉をひそめた瞬間、ノクスが翼を広げた。


「主様、それは間違いなく私たちのことを指している可能性が高いです。外部の者たちが村に干渉しているのでは?」


「ふむ。誰かが俺を探してるってわけか。面倒くさいことになりそうだな」



---


村の裏切り者


その夜、デミウルゴスたちは村の見回りをしていた。ノクスが上空から監視を続ける中、アリシアが村の片隅で怪しい影を見つけた。


「リック、あそこ!」


二人が影を追いかけると、それは村人の一人だった。だが、その村人の手には、ローブの人物と同じ魔力の痕跡を持つ杖が握られていた。


「待て、お前何をしている!」

リックが剣を抜きながら叫ぶと、村人は驚き、杖を隠そうとしたが間に合わなかった。


「す、すみません……これは、その……」


「言い訳は聞かねえ!お前、何を企んでる?」

リックが詰め寄ると、村人はついに口を開いた。


「私は……ローブの男に言われたんです。デミウルゴス様の動きを報告しろと。そうしなければ村を滅ぼすと脅されて……!」



---


背後の脅威


村人の言葉にアリシアが驚きの声を上げた。

「じゃあ、あのローブの人物は私たちのことを監視しているんですね……」


「まったく、どこまで執念深いんだか」

デミウルゴスはため息をつきながら、村人に向き直った。


「まあ、お前が裏切り者ってわけじゃなさそうだな。ただ、次に何かあったらすぐに俺に報告しろよ」


村人は涙を浮かべながら頷いた。



---


次なる一手


翌朝、デミウルゴスたちは村の外れで再度相談を始めた。


「ローブの男の狙いはおそらく、主様の封印を解き、この世界を混乱に陥れることでしょう」

ノクスが冷静に言うと、アリシアが拳を握った。


「それなら、こちらから先に動くしかありませんね!主様、次はどうしますか?」


デミウルゴスはしばらく考え込んだ後、不敵な笑みを浮かべた。

「向こうが俺を探してるなら、こっちから姿を現してやるさ。ローブの男がどこにいるか分かるか?」


ノクスが翼を広げ、村で得た情報を基に答えた。

「北にある森の奥、そこに彼らの拠点があるようです」


「決まりだな。さっさと終わらせに行くぞ」

デミウルゴスの言葉に、一行は北へと向かう準備を始めた。



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