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第四話 勇者(詐欺師)、ボス討伐へ

 俺は第5層へと足を踏み入れた。ここまで来た冒険の軌跡が、俺の体に刻み込まれている。疲労はあるものの、心は揺るぎない決意で満ちていた。


「ここが最後の層か……」


 第5層の空間は他の層と比べて一段と広大で、その広がりはまるで無限に続くかのようだった。天井は高く、壁は遠くに霞んで見えるほどで、まるで大自然の中にいるかのような錯覚を覚える。足元には古代の石畳が敷かれており、その上を歩くたびに微かな音が響く。


 空間全体が薄暗く、ところどころに設置された巨大な松明が揺らめく光を放っている。その光が石壁に影を落とし、まるで生き物のように動いているように見える。


 空気はひんやりとしており、湿気が肌にまとわりつく感覚がある。遠くからは水の滴る音がかすかに聞こえ、静寂の中に不気味な響きを与えている。この広大な空間は、まるで永遠に続く迷宮のようであり、どこまでも歩いても終わりが見えないような気がした。


 そんな最終層の中心には巨大なゴーレムが鎮座しており、その存在感は圧倒的だった。おそらく、このゴーレムが最終層のボスなのだろう。全身が岩でできており、その岩肌には古代の謎の文字がびっしりと刻まれている。ゴーレムは無言でこちらを見つめていたが、その眼には確固たる意志が宿っており、まるでこちらの心を見透かしているかのようだった。その眼差しは冷たくもあり、同時に挑戦的でもあった。


 「来たな、新たな冒険者よ。ここがダンジョン最深部だ。ここを超えることができるか、見せてもらおう」


 ゴーレムの声が洞窟内に響き渡り、重々しい空気が漂った。俺は剣を構え、深呼吸をして気を整えた。


 「ここを突破しない限り、エシウスにはたどり着けないからな。俺は覚悟はできている!」


 ゴーレムが動き出すと、地面が揺れるほどの重さで一歩一歩前進してくる。その巨大な手が地面に叩きつけられると、岩の破片が飛び散った。俺は素早く身を翻し、その攻撃をかわした。


「これはガードブレイクの出番か……!」


 俺は剣に力を込め、全身のエネルギーを集中させた。剣が輝きを帯び、その刃先から微かな光が漏れ始める。ゴーレムの堅牢な身体に一撃を加えるには、このスキルが不可欠だ。


「ガードブレイク!」


 剣を振り下ろすと同時に、エネルギーが爆発的に放出され、ゴーレムの身体に直撃した。岩の防御が一瞬で砕け散り、その破片が周囲に飛び散った。ゴーレムは一瞬動きを止めたが、すぐに体勢を立て直し、次の攻撃を準備していた。


 「まだまだ終わらないか……!」

 

 ゴーレムの巨大な拳が俺に向かって振り下ろされる。その力強さは圧倒的で、地面が砕ける音が響いた。俺はなんとかその攻撃をかわし、反撃の機会をうかがった。


「溜め斬り!」


 再びスキルを発動し、剣を一気に振り下ろす。ゴーレムの身体を斬る直前、ゴーレムが反応しこちらに攻撃をしてきた。


 「何!?」


 ドォォォォーーン!!


 「痛ぇ。こんなの連続して喰らったら、本当にゲームオーバーだ」

 ゴーレムの一撃はとても重かった。二発目を喰らったら、気絶してしまうだろう。なら、


 「これで終わらせる!」


 俺は剣を再び構え、最後の一撃を放つ決意を固めた。ゴーレムが再び攻撃を仕掛けてくる前に、全力を振り絞って突進した。ゴーレムの攻撃を紙一重でかわし、その腹部に剣を突き立てた。


 「ガードブレイク!」


 剣がゴーレムの内部に深く突き刺さり、そのエネルギーが一気に解放される。ゴーレムの身体が激しく

震え、やがてその巨大な体が崩れ落ちた。岩の破片が四方に飛び散り、静寂が訪れた。


「やったか……」 


 俺は剣を再び構え、最後の一撃を放つ決意を固めた。ゴーレムが再び攻撃を仕掛けてくる前に、全力を振り絞って突進した。ゴーレムの攻撃を紙一重でかわし、その腹部に剣を突き立てた。


 かなり疲れた。第4層の敵とは段違いに強かった。少しでも気を抜いたら本当に危なかった。


 俺は剣を地面に突き立て、肩で息をした。体中が痛みで悲鳴を上げているが、心の中には達成感が広がっていた。ゴーレムの倒壊した体の中央には、輝く宝石のようなものがあった。それは、このダンジョンのクリア報酬であり、特別なスキルを宿していることを示していた。


 「これは……」


 俺はその宝石を手に取り、光を浴びた瞬間、新たな力が体に宿るのを感じた。


 「「勇者レベルが4アップしました。ダンジョン特別スキル『アナライズ』を獲得しました。消費魔力は2です」」


 「アナライズ…… 攻撃スキルではなさそうだが?」


 その名の通り、新たに得たスキル「アナライズ」は敵のステータスや弱点、スキルなどの情報を解析し、視覚化するスキルだった。これにより、戦闘中の戦略を立てやすくする、かなり便利なスキルだ。しかも、自分のステータスも見れるらしいから試しに今の俺のステータスを見てみた。


 カイ・ワイアット 

 種族:人間

 職業:勇者

 レベル:14

 HP:1200

 攻撃力:300

 防御力:250

 魔力:35


 魔力が低いから、そこは気を付けておきたいな。


 「ふぅ~。やっとここまで来たか。これでエシウスへ向かうことができる」


 俺はゴーレムの遺骸を後にし、ダンジョンの出口へと向かった。この洞窟を抜けた先には、新たな冒険と仲間たちとの再会が待っている。俺の旅はまだ始まったばかりだ。エシウスの地で、さらなる試練が待ち受けているだろう。しかし、俺はどんな困難も乗り越えてみせる。


 「エシウスでは、防具と武器を買いたいし、ギルドにも登録したいな。ついでに、仲間も集めたいな。

できれば仲間は美少女だけにしたいな」


 俺は拳を握りしめ、新たな力と決意を胸に、エシウスへの道を進み始めた。


次回、ヒロインキャラの登場です!!

もっと読みたい!!と思った方はブックマークと下にある☆☆☆☆☆をお願いします。

執筆も早くなるのでお願いします。


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