どこかの宇宙の木の下で
私の前でじいさんのきったねぇー顔がアップになった。
「…と、老いぼれジジィはいつも思ってたんじゃ。
悩んだお陰で今がある。
何の志を持たないものが、何かになりたいって、そりゃぁ、無謀なもんじゃろ。
なりたいものがあれば、儲けもんだ。」
ボロボロの研究衣を着たアフロ爺さんが、口から煙を吐きながらイケメン風に私に語った。
なんか爆破音だかで、ジジィの言ってることが聞いていなかった。
いや、意識が飛んでいた。
いや、川が見えた。
ばぁちゃんが手を振っていた。
「…ほぉ。
で、家を爆破することを志にするエンジニアになったんか。
くそじじぃ!
落語家みたいな名前つけやがって!!
俺の人生をギャクにするなぁ~!!」
「一体、何を起こっているのだ!
爆破か?
名前か?
…はっ。昨日、風呂を覗いたことか!?」
ブチッと血管が切れた音が聞こえた気がした。
いや、聞こえた。
10年後。
私はアフロ爺さんとのやりとりに戸惑いつつも、その言葉が心に響いた。
彼の言う通り、過去の後悔よりも、今をどう生きるかが重要だと感じている。
アフロ爺さんの笑みが広がる中、私は自分を取り戻すべく、新たな志を見つけることを決意した。
しかし、その志がまさか家を爆破するエンジニアになるとは思ってもみなかった。
「くそじじぃ、何てことを言っているんだ!」と私は叫びながらも、心の中では新しい挑戦への興奮が芽生えていた。
数週間後、私はエンジニアリングの勉強を始め、家を爆破することに必要なスキルを磨いていた。アフロ爺さんは驚くと同時に、誇らしげな表情を浮かべていた。
「このやろ~、やるじゃねぇか!」と彼は言いながら、背中を叩いてくれた。それが、私にとっての新たなスタートだった。
爆破エンジニアとしての日々は厳しく、時には危険も伴った。しかし、その中で私は自分の可能性を広げ、成長していった。そして、過去の後悔ではなく、未来への希望に満ちた日々が続いた。
老いぼれジジィが教えてくれた通り、何かになりたいという強い志があれば、どんな困難も克服できるのだと気づかされた瞬間でもあった。
ありがとう アフロ爺さん。
あなたのことは忘れないよ。
家は爆破しないし。
by 春風 亨
「なんか、死んでないか。わし。」
「そ~ですねぇ。」
今日から女子大生だ。
工学部に入る。
屑から始まるリズムに合わせて~♪
「子供のころ、私は何なりたかったのだろうか。
ふと、思う。
こんなはずじゃなかった。
あの時、もっと勇気があれば。
あの時、もっと努力をしていれば…
そんなことを考える。
今、思っているのは、後悔だろうか。
いや、そうじゃない。
今、自分が1ミリの努力も熱量も無く、自分を嘆いていることに
力を注いでいる。
それが滑稽で、一通り嘆いてみれば、直に満足して歩き出す。
そんな毎日だ。
これから、自分は何者になれるのだろうか。」
そうだ、どこかの宇宙の木の下を目指そう!
本日はここまで。
おあとがよろしいようで。