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始動
俺はあれからというものずっと考えていた。どうすればいい、そのことだけを。工藤の死体は俺が一人で焼いた。そしてさよならを告げたのだ。あまりに早すぎた別れをかみしめた。
なんだあれ?誰かがなんか言ってる。しかも小学校の朝礼台で。面白そうだ、聞いてみよう。行くと30代の男がいた。「みなさん、私たちはこれでいいんでしょうか?国はもう信用できません。我々は立ち上がるべきです。首相に止めさせるんです。我々が立ち上がれば勝てるはずです。みなさん、私と共に首相を倒しましょう!」周りの人は「何言ってんだコイツ」「相手にしない方がいい」と口々に言い去って行った。そして俺と男だけが残った。「君は?」男が言ってきた。「行くかね?」男が言った。なぜだろう。体が動かない。頭も動くことを拒否する。分かった。俺は、「ああ、行くさ」ついて行くべきなんだ。「ではこちらへ」男は手を差し出してきた。「千羽軌だ」「佐藤です」俺はその手を握り返し笑った。千羽軌も笑い自分たちの気持ちを確認しあった。