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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
五章 灼熱慟哭のダンジョン浅層と壊された女戦士
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【第六十九話】ダンジョンの下見

【灼熱のダンジョン F1】


「ある程度予想はしていたが、中々に酷いな」

「長期滞在をするには何かしらの対策がなければ、少なくとも初見でそのまま突破というレベルの話では無さそうですね」


 灼熱のダンジョン、その内側は名付けられた理由にも納得の装いをしており、兎に角暑いのなんのって。壁面が全て熱を帯びており、地面に触れると普通に痛い。真夏の浜辺、太陽熱を只管に吸収した砂浜程度の熱さではあるが、素足での移動はまず以って不可能と言えるだろう。


「奥に魔物がいますね」

「……ワイルドバット、その炎バージョンって所か」

「あそこのワームも赤いですね。糸じゃなくて火を吹きそうです」

「火属性、ばかり」


 出現する魔物の火や炎といった炎熱系に因んだ魔物ばかりで構成されており、以前攻略した【炎熱のダンジョン】とはまるで雰囲気が違っており大変面白い。


 恐らく、コンセプトダンジョンのレベルまでいくとランク【S】に判定されるのだろう。あの炎熱でライオネルドラゴンが居たんだ、ここならばどうなってしまうのか。少なくとも、今の俺たちでは厳しいだろうな。


「一先ず撫でる程度に斬って回る。予想では二十階層程に匹敵するダンジョンではあるが、(くだん)の金持ち連中が深層まで潜る事は考え難い」

「これは、無理」

「護衛があってもキツそうです」

「故に、十階層くらいまでを目処に地形を把握しておきたい。リーシャン」

「ん」

「いけそうか?」

「多分」


 その自身の無さそうな台詞の直後に、この灼熱の中にあって信じられない程に心地良い空気感が俺たちを包み込んだ。


「流石だな」

「ちょっと、難しい」


 水の膜を張り、その内部側に氷の粒を無数に生成。そこを風が通る事で水の膜の内側の気温を低下させる作戦だったのだが、リーシャンはそれを見事にやってのけた。となると、後はー


「ローメイ」

「はい!」

「お前はマッピングに集中してくれ」

「分かりました!」

「それなりの速度で移動するが、この一回で終わらせたい。頼んだぞ?」

「勿論です! お任せ下さい!」


 ローメイは魔力を敏感に探知出来るため、危険を回避しつつ地形の把握に専念して貰えば、こことて大事に至る事は無いだろう。


「ルクレティア」

「はい」

「今回は状況が状況だ。俺が先頭を走り、リーシャンがこれに続く。そしてローメイを挟んで殿(しんがり)がお前だ」

「分かりました、お任せ下さい」

「総じて不足の事態は前からだけではなく、何時何処からでも襲い掛かってくる。(うしろ)の守りは頼んだぞ」

「勿論です」


 今回はじっくりレベルを上げたり、場に慣れたり、敵を調べたりしている時間的な余裕が全く無い。基本的には常にスピード勝負だ。


 ボス攻略を目指す訳では無い為、そこに関しては幾分かマシではあるのだが、だからと言って油断して良い場所ではない。


「状況が長引きそうな場合はまずリーシャンが空間制御をやめて参戦、それでも数が多い場面ではローメイも加わってくれ」

「了解」

「分かりました!」


 こんな物かな。


「行くぞ」


 さて、今日で何処まで進められるだろうな。




 *



【灼熱のダンジョン F9】


「くっ、流石に一筋縄ではいかんな」

「フィールド解除、参戦する」

「正面のデカい奴らは俺がやる、飛んでる奴らを頼みたい」

「了解」

「僕も参戦します!」

「周囲の小型は私が処理します!」


 Sランクダンジョン、その九階層。敵の強さに対応出来ぬ程では無いにせよ、これまでのそれと比べると格段に余裕が無い。


 僅かな隙から敵につけ込まれ、リーシャンやローメイの遠距離攻撃は高頻度で回避される。流石に俺やルクレティアの剣で制する事が出来ない様な奴は居なさそうだが、ここから先もそうであるとは断定出来ない。


 力不足が如実に出てしまっている。少なくとも、今の状態のままこのダンジョンの攻略は不可能だろう。俺は兎も角、仲間の内から死者が出かねない。


「ふぅ、何とか落ち着いたか」

「これからどう致しましょう?」

「実際、念の為に十階層までは見ておきたかったが、この文だと恐らくここから先を【余興】に使う余裕はない様に思える。ゴブリンやオークと言った奴らの目当ての魔物は五、六階層辺りで最も頻出していた。やるならあそこだろう」

「という事は、本日の探索はここまでですか?」

「そうしておこう。俺たちとしても余裕という訳では無い。一旦帰宅し、ここまでのデータを以って作戦を綿密化していく」

「了解しました!」

「帰宅、賛成」

「申し訳ないです。僕がもっと戦力になれてさえいれば……」

「そう言うな、不甲斐無さは全員一緒だ」

「そうですよ! 私がご主人様のポジションに立てたならもっと広く安全を確保出来るのに、対応力でそれが為せていないのが現状です。悔しくて申し訳ない気持ちで一杯なんですから!」

「ルク姉様……」


 ここが既に最高難易度である【S】ランクのダンジョンとは言え、ここを攻略せねば家の存続に大きな禍根を残す事になってしまう。攻略は必達目標だ。


 今回は攻略目的では無いが故に一先ずこの問題は先送りするが、近い内に何とかしなければな。


 兎に角今は、このダンジョンマップを元に作戦を仕上げていこう。

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