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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
四章 火炎のダンジョンとドラッグオンナイト
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【第五十八話】関わらないと分からない事もある

【炎熱のダンジョン 11F】


「仮眠を取る訳だが、もし信じられるなら見張りはこちらに任せてくれ。リーシャンとローメイが接近や出現より遥か手前で示唆出来る、こちらが無警戒の状態のままに魔物が接敵する事は現状ほぼ不可能だ」

「……確かにその豆粒ァ俺が見つけるより遥かに早ェタイミングで敵を撃ち落としてやがる。何か特殊なスキルを持ッてるとは思ッていた。これも同盟の恩恵だ、俺ァ休ませて貰う。何かあったら叫べ、俺がぶッ殺す」

「……え? 信じて貰えるのですか?」

「あァン!? 二度同じ事言わせるな豆粒が!」

「ヒッ!?」


 ここまで、時間の経過はざっくりとしか分からないが、恐らくかなりの経過が予想される。このまま集中力が欠いた状態で進むのを懸念した俺は、ダンジョン内での休息を提案した。


 そしてチームギーファはこれを思いの外素直に承諾する。こう【とっととボスをぶっ殺す、休む暇なんざねぇ】って感じで判断されるかと予想していた為、やや拍子抜けだ。最初の印象から考えると、俺の中でかなり好転しており、今は高評価になりつつある。正直下手な馴れ合いよりもよっぽどやり易い。


「寝る。近寄ッた奴は炭になるまで燃やす」

「奴から離れよう」

「そうしましょう」

「怖い」

「燃えたくないです……」


 さて、こういう流れになる時はいつもこれを出すのだが。


「え!? タクスくんたち寝具あるの!?」

「俺が収納持ちだからな」

「もーなんでもアリじゃん! 羨ましいー!」

「てめェそんなレアなスキルまで持ッてンのかよ。いよいよ以って不気味な野郎だ」

「煩せぇよ」

「いいなぁいいなぁ、地面に直寝じゃないのいいなぁ」

「……アナベルだったか、俺ので良かったら使うか?」

「良いの!? やりー言ってみるもんだー!」


 ま、そうなるよな。このコミュ強相手に何も起こらないと言うのはあり得ないだろう。


「ご、ご主人様、でしたら私のを……」

「気にするな、俺が勝手にやっただけだ。それに」

「それに?」

「俺は服を丸めて枕にする。俺はこれで十分だ」

「ちゃっかりしてるー! じゃ私はこの寝具セット借りちゃうよー。うわー背中が痛くないー柔らかいって幸せー!」

「うぅ、良いのでしょうか。私が寝具セットでご主人様が枕だけだなんて」

「タスクくんの匂いがするー! 何か良い匂いー!」

「え!? ちょ、アナベルさん寝具交換しませんか!?」

「ダメーこれは私が借りたのー。……よく見るとタスクくんって結構良い男よね?」

「アナベルさん!?」

「冗談よ冗談。でもこの枕はあげなーい」

「うぅ……」

「オイ早く寝ろバカ助共が」


 何をやっているんだアイツらは。


「なら私とルクレティアちゃんで一緒に寝ない? 私ルクレティアちゃんの匂いも好きー! ちょっとタスクくんの匂いが混ざってる気がするー」

「私とアナベルさんが? ……あ、そうすればご主人様が私の寝具セットで寝られるのでは?」

「いやそうなるなら俺のを返せよ」

「ダメー!」

「それは困ります!」

「困るって何なんだよ」


 そんなこんなで俺はルクレティアの柔らかい匂いのする寝具を使って寝る事に。コイツらと行動していると中々に予測の難しい展開が待ち受けていたりするから面白い。趣向が変わって大変よろしい。日頃当たり前になりつつあったが、ダンジョンでぐっすり寝ても問題無いってのは、実際かなり大きい気がするよ。



 *



【炎熱のダンジョン 15F】


「いよいよだな。てめェら分ッてンだろうな。手ェ出しやがッたらそいつからぶッ殺す」

「仮にも【A】ランクダンジョン。場合にもよっては共闘の必要も視野に入れておけ」

「てめェの敗北を戦いの前に計算に含む馬鹿がどこにいやがる。次同じ事言いやがッたら消し炭にしてやッぞ」

「そりゃそうだ、悪かった」


 以前見た、ボス部屋前の何もない空間。遂に俺たちはここまで辿り着く事が出来た。眼前にはただ門が佇んでいる。相変わらず異様な緊迫感を孕んでいやがる。


 途中戦いメインを変わってから、俺たちはここまでずっと戦いっぱなしではあった。だが消耗と呼べる程では無く、全快には足りないと言った状態。


 片やギーファのチームは全員が温存されてフルの状態でのボス攻略。別の誰かのボス攻略を観戦出来る機会など早々なかろう。


 ましてや戦うのはあのギーファだ。精々勉強さて貰うとしよう。ルクレティアもリーシャンもローメイも、その全員が学ぶべき相手なのだから。


「行くぞてめェら!!」

「オッケー、いつでも行けるよ!」

「僕は適当に逃げてるからね!」


「お前たち、油断の無い様にな」

「勿論です。即我々がターゲットになる可能性もありますからね」

「万事、備える」

「敵がギーファさんに向いてくれると良いんですけどね」



 そしてギーファを先頭に、俺たちはその邪悪な門をくぐり抜けた。




「ガァァアアァアァァァァアァアアアァァァァァアァァァァアァアァアァァアァァアァア!!!!」


「っ!?」



 その瞬間、とんでもない火力のブレスが俺たちを急襲した。

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