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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
三章 嘆きのダンジョンと双子の過去
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【第四十九話】其々の今(ステータス紹介)

 ここ最近は随分と状況が安定してきた様に思う。ランク【C】程度のダンジョンであれば俺抜きでも踏破が可能で、ランク【A】のダンジョンであっても深層回の敵相手に遅れを取る事もほぼ無くなってきたと言えるだろう。


 大きい変化はやはり個々の意識というべきか。今考えるとターニングポイントはベルモンド支部長の息子に絡まれたあの日と言えるだろうな。


 あの屈辱的な手も足も出なかった感覚の直後に、今度はダンジョンボスを自分達だけで攻略したという刺激的な出来事が、彼女ら三人の意識を大きく変えたと考えている。



 ━━━━━━━━━━━━━━


【ルクレティア・ウルフェンヌ】


 レベル : 26

 HP:215

 MP:208

 筋力:160(×4)

 敏捷:158(×4)

 耐久:157(×4)

 精神:202

 魔力:210


 装備

【マシェットナイフ×二本】


 属性魔法

【白 : E】


 スキル

【神域の天稟】


 ━━━━━━━━━━━━━━


 ルクレティアはナイフ二刀流という尖った装備をしているにも関わらず、かなり高いレベルで安定した防御性能を備えている。恐らく敏捷性の高さからくる静的敏捷性が優れた働きをしているのだろう。


 敵の攻撃を的確に捉えて防御しつつ斬り裂く。ルクレティアを不用意に懐に入れた屈強な魔物が、その至近距離から三ツ裂きにされているのをよく見かける様になった。必殺技をキチンと必殺に使っているのだから何処までも真面目な奴だ。


 因みに、他の冒険者と鉢合わせたり共闘する場面も稀にあったりするのだが、そう言う場面では決して手の内を晒さないルクレティア。なんなら速度のギアも意図的に落としている気さえする。彼女の中で段階をつけており、トップギアで技まで解放するのはダンジョンボスと戦う時くらいのものだ。


 かなり、雰囲気が出てきている。



 ━━━━━━━━━━━━━━


【リーシャン・エルフェンヌ】


 レベル : 20

 HP: 130

 MP:252

 筋力:128

 敏捷:204

 耐久:127

 精神:122

 魔力:251


 属性魔法

【・白魔法 : D ・風魔法 : B ・水魔法 : E】


 スキル

【・魔力探知・大賢者の卵・合成魔法】


 ━━━━━━━━━━━━━━


 リーシャンは優秀な中距離戦闘タイプだ。

 高い魔力適性から放たれる風の魔法は時には敵を八つ裂きにし、時には敵を遥か彼方へと押し飛ばしてしまう。探りの場面から場面そのものの仕切り直しまで、彼女は器用な対応を求められる中距離戦闘を見事にやってのけている。


 特筆すべきはその敵攻撃魔法の相殺性能だろう。魔力感知による信じられない程初期段階からレジスト魔法の構築を始めており、敵の魔法完成とほぼ同タイミングで相殺魔法が完成してしまっている。故に彼女のいる戦闘空間では敵の魔法はほぼ通用しない。何故ならその全てがレジストされてしまうからだ。


 このレジスト性能の真骨頂として、補助魔法を使う魔物に対するレジストも挙げぬ訳にはいかないだろう。彼女の魔力探知は補助魔法の構築にさえ及んでしまい、その魔法の完成に至っては為さずして破壊されている。彼女曰く「攻撃魔法の魔力はがーって溜まるが、補助魔法の魔力はぼわーって溜まるからキショイ」らしい。よく分からないが兎に角凄いな一言に尽きるだろう。


 ━━━━━━━━━━━━━━


【ローメイ・エルフェンヌ】


 レベル : 20

 HP: 125

 MP:250

 筋力:128

 敏捷:125

 耐久:126

 精神:234

 魔力:240


 属性魔法

【・白魔法 : D ・土魔法 : B ・火魔法 : C】


 スキル

【・魔力探知・大賢者の卵・合成魔法】


 ━━━━━━━━━━━━━━



 そして最後にローメイだ。

 彼女は後衛という役割にしっくり来たらしく、バックアタックにより味方の見え辛いピンチを幾度となく救っている縁の下の力持ち的存在だ。


 その戦い方は至ってシンプルで、まず空中に岩砲弾と炎砲弾を浮かせ、敵の魔法耐性によってそれを打ち分ける様に射出する。物理に強い敵には魔法を、魔法に強い敵には岩をぶつける事によって効果を増しており、場合によっては出現からローメイに撃たれるまでこちらが気付かないケースすら存在する。


 これらは専ら彼女の持つ魔力探知の力に寄る所が大きく、位置取りの悪い魔物や背後から出現する魔物など、兎に角彼女は不意打ちを許さない。


 そして、そういうハイドを好む魔物に限って防御が薄い傾向にあり、これがローメイの格好の獲物となっている。下手をするとキル数で言えば彼女が最も多い可能性すらあるだろう。


 とは言え、リーシャンもローメイも基礎ステータス中で特に護りの方面に弱い為、油断があっては即死もあり得てしまうだろう。俺やルクレティアであれば殴られ吹き飛ばされ様とも岩壁に滅り込もうとも問題なく耐えるのだが、彼女らの場合はそうはいかない可能性も多分に含まれている。


 ダンジョンに於ける後衛は、場合に寄っては前衛と早変わりする可能性もある訳で、その辺りは前衛を務める俺とルクレティアの対応力が試される訳だ。だがこのチームに於ける敏捷性最強二人組が動くのであれば、大抵の場合はそこで対処が出来てしまう。


 対象出来ない場面ではリーシャンが上手くフォローしてくれたりもするが、極力そんな場面の無い様に尽くすのが俺の役割りという訳だ。


 俺とルクレティアが同レベル帯に於ける規格外となっている為、我々の成長速度は基本的に早い。


 そろそろ本格的に【A】ランクの攻略を視野に入れていくのもアリだな。だがそこに待ち受けるは恐らく例のミノタウロスを凌駕する魔物なのだろう。


 ダメージの蓄積によってステータスを倍化させる化け物、そのクラスの敵が待ち受けているというのなら、全員で死力を尽くす戦いになる可能性も考えられる。


 努々、油断の無い様にしなければな。



 *



 余談ではあるが、ルクレティアの家族にはある程度継続的に資金援助を続けている。荷物の往復が確認され、俺の思惑は事を成していた。ルクレティアも喜んでいたし、これはこれで良いだろう。稼ぎ手を二人も失った母の身を案じるのは仕方の無い事だが、そこに気を引かれて僅かな隙から命を散らされては元も子もない。心配事は少ないに越した事はないのだから。


 リーシャンとローメイの母親に関しては正直言ってお手上げだ。何から手をつけていいのかすら皆目見当が付かない。俺と彼女らの出会いの時点で既に十四年の年月が経過している。今更慌てる必要もないだろうが、きっかけくらいは何処かに見出したいものだ。

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