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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
三章 嘆きのダンジョンと双子の過去
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【第四十六話】踏破後のアレコレ

「すまないが手続きを頼みたい」

「依頼の達成ですか?」

「いや、ダンジョンの踏破なんだが」

「……え?」

「ダンジョンの踏破だ」

「……えぇ?」


 以前と言っても未だ記憶に新しい受け付けの女性とのやり取り、それを踏襲するかの様な状況に困惑しそうになってしまうが、何故か受け付けサイドの方が遥かに困惑している。お陰様で俺は何とか平生を保てていた。何のリアクションだ何の。


「因みにどちらのダンジョンですか?」

「嘆きのダンジョンだ」

「え!? あそこ攻略して頂けたのですか!?」

「ん?」


 どうやらそろそろギルドとして対応しなければ拙い程に放置されていたらしく、派遣対象を選ぶ手前くらいの段階までは来ていたらしい。


 まさかあのギーファとやらは親父のサポートに?

 ……いやまさかな。杞憂に違いない。


「貴方は確かソロでしたよね?」

「ソロ? 単独の攻略ではないぞ?」

「えっと、冒険者ギルドに加入している方と共同攻略されたという事ですか?」


 あ、そういう事か。奴隷身分はギルドには登録出来ないから俺は単独で突破扱いになるって訳か。なんならルクレティア達のみでボス攻略したような物なのに、手柄は俺にしか乗らないと言うのは何とももどかしい。


「そういう意味ではソロだな。奴隷と共に攻略した」

「はぁ、変わっておられますね」

「そりゃどうも」


 奴隷と共に攻略。彼女らはその存在が使い捨て故に頭数にもカウントされないと? 何だかイライラしてきたな。……ダメだ、頭にきた。少し意趣返ししとくか。


 この受け付けの女性に罪は無い、この在り方そのものにイライラする。今に見てろよ、貴様らが侮った彼女らの名を必ず覚えさせてみせるからな。なんならギルド側から登録させて欲しいと懇願するに至らせてやる。


 今はまだ戦い始めて一ヶ月足らず。奴らはここから必ず伸びる。その時お前らがノーマークだった少女らが、無理難題を苦も無く突破する様を見て吠え面掻きやがれ。


 と、ちょっと灰汁を吐き出しておこう。

 その方向で行くとするか。


「ではCランク相当ですので報奨金を用意させて頂きます。少々お待ち下さい」

「いつもありがとう」

「いえいえ、仕事ですので!」


 俺はギルドにて【C】ランク相当のダンジョン攻略報奨金である金貨五十枚を受け取り、宿へと帰還した。




 *




「前回のコアの魔力感から考えるに、これはどれくらいに思える?」

「僕は1/3くらいですかね」

「私も」

「私は良く分かりませんが、輝きを見るに陰っている事は間違いないかと」


 ふむ、今回獲得したダンジョンコアは前回のそれと比べるにイマイチパッとしない感じになっていた。この感じだと一度の錬成で限界か。


「多分、前回のが異常」

「僕もそう思います」

「あー、そのパターンか。言われてみればそうかもな」


 考えてみればそれもあり得るのだが盲点だった。なんとなくベルモンド支部長の言っていた【B】相当を鵜呑みにしていたが、限りなくAに近いBだったのかもしれない。


 今の俺達からすればGやFのダンジョンがあるなら難易度に差は無いだろう。だがAの中のピンとキリにはかなり差がある様に思える。前回のそれはかなり難易度の高いBだったという認識で良さそうだ。


「特に他のドロップも無かったしな。フェンリルの毛皮くらいか。合成素材だからその内何かに使えるだろうが、直接的な成長には繋がりそうに無い」

「ランクが上がればまた少し趣も変わるやもしれませんね」

「だな」


 今回のがランク【C】、特に小細工の無い正面戦闘のCに対して俺抜きで成立する戦力。今の俺たちならランク【B】に相当するダンジョンも危険なく挑めるかもしれない。


 余り油断や慢心は良く無いが、慎重過ぎれば成長も鈍化してしまう。今回で言えば成長し過ぎたステータスに慣れる事が目標だった。伸ばす事を目標にするなランク【A】も視野に入れるべきだろうか。


 今の感じで言えば生活に不自由はなく余裕もかなり見受けられる。次に金を使うのであればー


「ダンジョンである程度稼げたら、家でも持つか」

「そうしましょう!!!」

「家!!」

「嬉しい!!! ご主人様僕も家が良い!!!」


 圧が凄い、身を乗り出して肯定を主張されている。いつまでも仮宿で、出来合いの飯ばかりというのも良くないだろう。


 金が貯まったら家の購入を視野に入れておこう。そして個室を設けよう。でなければ、


 俺が干からびてしまう日もそう遠くないだろうよ。



 *



「今日は、その、最初は僕だから。ご主人様のお口は僕だからね?」

「分かったから落ち着け」

「かかか下半身は私が頂きます!」

「私は、余り」


 今日もダンジョンで盛大に汗をかいた為、当然身体は清めなければならない。汗臭い、という感覚をこの三人から覚えた事は無いのだが、それでも衛生的に良くないだろう。


 そうなのだろうが。


「ぬ、脱がせますよ。ふふ、素敵な身体が見えちゃいましたー! あぁヨダレが……」

「ず、ズボンも脱がなきゃ拭けない、よね?」

「お尻、上げて」


 これがあるせいで、俺は毎晩三人に世話を焼かれる羽目に遭っている。想像を遥かに越える圧と勢いを以て迫り来る三人は、確実にミノタウロスのそれを遥かに凌駕している事だろう。精神の揺らぎを忘れた俺が恐怖すら覚えている。


 家を自前で用意し、個室を完備。そして自室で眠る事を義務付ければ恐らく【今日の担当】みたいな流れになるだろう。そうなれば一晩に一人の相手で済むのだが。


「お尻、上げて」

「凄むなって……」


 こいつら順番を決めつつ三人が三人とも……。


「さて、では()()()腕から拭きますね」

「ハァハァ、ご主人様……僕……」

「私は、足から」

「三人でやらなくても良くないか?」

「ダメです」

「ダメ」

「ダメ……ですよ」


 甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるのは有り難いのだが。流石にそろそろどうにかしないとな。


 艶福家と性豪、どうにかならないものか……。

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