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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
三章 嘆きのダンジョンと双子の過去
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【第四十四話】改めた覚悟

「チッ、早い者勝ちの上で強い者勝ちだ。今はテメーがつえェ。とっととダンジョン攻略しろや」

「よし、殺そう」

「わー待った待った! ギーファはなんで負けてんのにそんなに上から物を言っちゃうんだよ! 間に入ってるこっちの身にもなれっての!」

「あぁン、頼ンでねンだよ」

「酷すぎる!」

「同情すら湧かんな」

「酷すぎるってぇ!!」


 何だかんだとやりたくなかった馴れ合いの様な空気に飲み込まれ、いきなりこちらの命を狙ってきた暴漢と空間を共にしている。次があれば地平線の彼方まで旅行させてやるよ。


 ━━━━━━━━━━━━━━


【ギーファ・バスカビート】-ギフターLv4-

 ギルドランク【B】


 レベル : 31

 HP:105/622

 MP:370/490

 筋力:618

 敏捷:485

 耐久:617

 精神:371

 魔力:492


 装備

【紅炎の手甲】


 属性魔法

【火魔法 : B】


 スキル

【炎の申し子(火属性への攻守耐性強化)】


 ━━━━━━━━━━━━━━



 ……おい、こいつまさかベルモンド支部長の息子か?


 いや間違いない。スキルから装備まで同じだなんて偶然では済まされない。それに【ギフターLv4】ってのは何だ? そういえばベルモンド支部長にもそんなのが付いていた気がするな。炎の切り札的な技はまだ持っていないものの、ポテンシャルは支部長クラスか。そりゃ強い訳だ。


「俺たちとしてはアンタらの後から来た上に負けてんだ。謝罪しつつ低身低頭アンタらのお見送りをさせて貰うよ」

「ごめんねうちのバカが。本当にゴメンね」

「チッ、帰るぞテメェら。もうここにャ用はねェ。敗北の上死に損なッたがこれもまた巡り合わせだ。次は俺が勝つ」

「本当にゴメン!!」


 先頭を歩くギーファとやらはぶつくさと文句を垂れながらも、コチラを悪く言う感じの雰囲気は見せず、敗北を受け入れた上で撤退していた。口は悪いが悪口は言わない、か。変な野郎だ。


「悪いなお前たち。もっと上手く護ってやれれば良かったが、なかなか上手くいかないものだ」

「そんな! むしろ私たちこそ……」

「反応、出来なかった」

「僕なんて魔力を構える事も出来なかった……」


 あんな歩く暴力、早々居て貰っては困るよ。あそこまでの例外はそう居ないだろうて。俺でさえステータス上では恐らく負けていた、勝てたのはスキルの活用に寄る所だ。だが……彼女らの心構えとしては、確かに少し良くなかったかもしれない。


「いつ何時(なんどき)、どうなるか分からない。その緊張感を忘れずにな。特に、味方と判断出来ない者が同じ空間にいる時は」

「分かってはいたつもりなのですが、まさかここまで身体が動かないとは思いませんでした。猛省しております」

「自惚れてた」

「こんなに無力だなんて……」


 奴の敏捷性は500に匹敵していた。それに加えてあの戦闘センス。火魔法をあんな形で活用してくるとは末恐ろしい奴だ。


「でも」


 と、ここでローメイが。


「僕は本当に魔力すら構えられなかった。だからジッと彼を観察していました」

「それで、どうした?」

「火魔法を、獲得しました」


 ほぅ、そうきたか。


「成る程、良くやった」

「え!? ローメイさん!?」

「狡い! 抜け駆け、禁止」

「多分、適性があったんだと思う。だからお姉ちゃんは違う属性に適性を見出すんじゃないかな?」

「出遅れた」

「私もです。まさかあの戦闘から学びを得ていたなんて。クッ。確かに彼の動きは素晴らしい物でした。その一挙一動は私もこの目に焼き付いています。必ず……」


 他者の命懸けの戦いを間近で見た事で、三人の意識は大きく変わった様だった。


 正直、この危うさは僅かに覚えていた。だからこそ、油断するなと強く言い聞かせていたつもりだったのだが、それでも尚甘かった様だ。


 あのツンツン頭、改めギーファの兇行によってそこを認識出来たと言うのであれば。


 強ち無駄だった訳では無い様だ。

 思わぬ収穫となったな。



 *



「さて改めて、ダンジョンボスへ挑戦する」

「お任せ下さい。今度こそ、必ずやお役に立って見せます」

「私も」

「僕も、必ず……!」


 先の緊張感を孕んだそれとは別の意味でやや心配の残る状態となってしまったが、これはこれで良いだろう。変に怯えた状態よりも身体は素直に動く、後はそれをより適切な物にしていくだけだ。その精度を上げるには回数を重ねるしか無い、やるしか無いんだ。


「ボスがどう出現するか分からない。だが基本的には先の作戦通り、リーシャンとローメイで先制攻撃を仕掛けつつ様子を見て、隙がありそうであれば俺とルクレティアで狙う」

「承知しました。まずは様子を見ます」

「魔力は、既に安定」

「僕もいつでも撃てます」


 三者三様、しかしてかなり現実的に敵との戦闘を想定している様に見えるな。これなら、油断さえしなければそれ程問題も起こるまい。


「では、突入する」

「続きます」

「了解」

「はい」


 さて、どうなるかな。

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