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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
三章 嘆きのダンジョンと双子の過去
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【第四十一話】新武器、その試し撃ち(斬り)

「ラァァァァアアアアアア!!」

「ゲギャァァァァァァァァ!?!?」

「ハァァッ!!」

「グボァ!!?」


 嘆きのダンジョン、その第八階層。ここでは今の俺たちに適正と言える魔物の出現が期待出来、ここ数日はこのダンジョンを中心に活動をしている。


「セィッ!!」

「ビャッ!!?!?」

「セイヤァァァ!!」

「ベボバッ!?」


 両の手にミスリルマシェットを握る少女、薄らと青みがかった髪に犬耳を生やした獣人、ルクレティア・ウルフェンヌ。


「ラァァッ!!」

「ギギョッ!?」

「ハァッ、ハァァァッ!!」

「ゲッ、げるぁばぁ!!?」


 小柄な身の丈に似つかわしくない豊満な胸を縦横無尽に揺らしながら、彼女のナイフに触れた魔物たちを次々に屠り去っていく。その様はさながら鬼神の如く、つい先日ゴブリンに怯えていた頃の彼女はもう何処にも存在しない。


 周囲を何体もの魔物に囲まれ様とも、ただ一人二本のナイフを千差万別に使い分け、その読めない剣線に翻弄された魔物たちが次々に塵と化して消失していく。


 中級ダンジョンの下層、その魔物を多対一の格好で瞬殺する彼女は、もはや上級ダンジョンに片手が届いてしまっているのかもしれない。恐ろしい限りだ。


「危ない!」

「クッ!? ……助かりました、ローメイ」

「気をつけて、姉様(あねさま)。ここには早くて見え辛い奴もいるから」


 後衛から宙に浮かせている岩を砲弾の如く射出するローメイ。彼女は後方支援として【岩を撃ち出す】事で、味方を巻き込む事の無い援護を可能としていた。


 だがその【岩の砲弾】の速度は凄まじく、俺をしてギリギリ避けられるかどうかというレベルで撃ち込まれている。あんな物を不意打ちで喰らう魔物は即死を免れないだろうよ。


 岩を魔力で持ち上げ、それをギュッと小さく加工する。そうして硬度を上げた硬くて小さな【岩の砲弾】は、的確に魔物の頭部を撃ち抜いていく。


 彼女曰く「魔力を感じるから、それを追えば当たる」そうだ。感覚派故にイマイチ理解出来ないのだが、何故かローメイの砲弾は魔物の頭部を確実に破壊してくるのだ。


 俺が援護を受けた時は目の前で魔物の顔が破裂した様な印象だった。軽くスプラッターで呆けてしまった程だ。


「ルクレティア、前衛交代だ」

「分かりました。ふぅ」


 シュッとナイフで空を斬り、感触を確認しつつパチンと鞘へと収めるルクレティア。普通にカッコ良すぎるのたがこれ如何に。


「私の、出番」


 ブワッと、魔力を展開するリーシャン。彼女はその周囲に風を集めると、なんと宙に浮いた。そして高速で空を駆けつつ、魔物へ向かって手を開くとー


「消えて」


 掌から爆風が吐き出され、眼前の敵は爆散する。

 普通に怖い。


 そして敵が増えれば風の刃でそれを一掃し、多対一の戦いであれば今最も活躍するのは彼女だろう。


 地面という概念から解き放たれ、空を駆けながら見えない攻撃で敵を蹂躙するリーシャンは、果たして魔法使いの括りにいれて良いのだろうかと疑問に思える程の武闘派だ。当初の見立て通り、感覚的に前衛が合っていたらしい。


「一発、二発、三発……」


 かと思えば、俺の隣りにいる【後衛】のローメイが、リーシャンが戦う場所、その通路の反対側から迫る敵を順番に射殺し続けていた。敵の側へと掌を向け、射出された【岩の砲弾】は一撃必殺を思わせる勢いでヘッドショットを連発していく。


 もうこれ、俺が戦う必要すら無さそうではあるが、やはりダンジョンボスに挑み、ダンジョンコアを獲得しに行こうというのであれば、戦力は多いに越した事はない。


 俺とて、遊んでいる訳にはいかない、のだが。


「五発、六発、七発……」

「消えて」

「ラァァァァアアアアアア!!!」


 うむ。


 ……頼もしい限りだ。

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