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奴隷少女とダンジョンを突破するのはダメなのだろうか  作者: 生くっぱ
二章 道無きダンジョンと双子の奴隷
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【第二十話】今世に馳せる

 やってしまった。


 隣を見れば、死んだように深々と眠りこけるルクレティアの姿が。息はしているから心配はないだろうが、初めてだというのに無茶させ過ぎてしまった……よな。多分。


 俺も初めてだったから何とも言い難いが、確実にやり過ぎたと言い切れる気がする。言い訳にもならないが本当に自制が効かなかった、ただ欲望のままに動いてしまった。その結果、ルクレティアに無茶をさせてしまった。


 いっそその全てを忘れていればまだ後悔も少なかったかもしれないが、生憎とそのほぼ全てを覚えているという始末に負えない状況。絶望と後悔と謝罪の念しかない。


「すー、すー」


 安定した寝息を立て、スヤスヤと眠るルクレティア。彼女の髪を優しく撫でながら、その美しい寝顔にまた欲情しそうになる己を、先刻得た僅かな理性で何とか自制する。これ以上はダメだ、少なくとも今日は。


 はだけた布団を掛け直そうと手を伸ばすも、その過程で彼女の柔らかい胸の間に存在する、奴隷紋が目に入る。


 ふと、物思いに耽った。


 他のどの国と比べても治安が良かったと評せざるを得ない安全な国に産まれた俺は、産まれながらにある程度幸せだったんだなと実感する。それと同時に、奴隷となった彼女を見ていると、どこか申し訳ない心情に駆られてしまう。


 確かに俺はあの国の中で比較するならある程度不幸だったのかもしれない。死に方もタイミングも最悪だったのかもしれないだろう。だがそれは飽くまでも【あの国の中では】だ。


 ならば俺はこの国で、この場所で。あの程度の状況を経ただけで、神の気紛れを偶然引き当てて、それだけの事でこんなにも大きな恩恵を得て良いものだろうか。全て寄越せと言ったのは俺自身に他ならないが、今考えれば豪腹にも程があるというもの。

 なればこそ、この力の使い方は考えないとな。


 ……おっと。


 余りにも激しく、余りにも大量の欲を吐き出した反動か、深過ぎる賢者タイムを迎えてしまった。そのせいでどうもセンチに浸ってしまっている気がするが、これは良くないな。


 俺ももう少し眠ろう。



 *



「おい、起きれるか? というか大丈夫か?」

「……ふぇ、あと2分だけれふからむにゃむにゃ」

「大丈夫そうではあるな」


 昨日と変わらぬ朝の様子を見せるルクレティアにホッと胸を撫で下ろす。ここまで心配になるならもう少し優しくしてやれと自分で自分を小一時間説教したい所ではあるが、生憎とそんな暇も無い。


「朝ごはんの用意が出来ている、顔を洗ってこい」

「ふぁーい……あ、あれ? 歩けない……足に力が……」

「大丈夫か?」

「大丈夫なんですけど、あぅぅ眠すぎるぅぅ……」


 信じられない程にズボラな姿を見せるルクレティア、肌布団を羽織りながらパンツのみを履いて、洗面所を目指して足を引き摺る様にズルズルと移動している。俺は俺で『寝起きで薄着の女性を見るというのは何とも新鮮で、それでいて微笑ましい瞬間なんだな』と、童貞を卒業した事による己の感性の変化を味わっていた。足腰に力が入らない原因は俺だ、正直すまん。


「あ、あの、ご主人様……」

「ん? どうした? 何かあったのか?」

「厚顔無恥を重々承知で、一つだけお願いがあるのですが……」

「内容にもよるが、何だ?」


 突然改まって何なんだ?

 まさか昨日の事で何か物申したいことが!?

 くっ、これは心して聞かねば男が廃るというものか。


「夜や朝の私の事を、その後話題にしないで頂けると、そ、その……無理なら良いんです! ただ、あの、余りにも、は、はじゅ、恥ずかし過ぎて……かかか顔から火が出そうです。あ、火魔法に目覚めそう」

「んな訳あるか。話題にしないって話は特に問題ない。ルクレティアがそれで良いのなら、俺は言及したい事も追求したい事も何もないからな。話題にする必要もない。語るなら、ベッドの上で、と言う訳だな?」

「うぅ、はじゅかしぃ……」


 やれやれ、何かと思えばそんな事か。何というか、胸を撫で下ろす思いだ。確かに昨日のルクレティアはかなり乱れていたが、それは何もかも100%俺のせいだと言い切れる。それで言うなら前々日の夜の方が彼女の行いは中々にハードだった様に思うが、それは良かったのだろうか。あの日はルクレティアが攻めだったからセーフなのだろうか。


 ……何にせよ、俺への不満では無い様だ。だからといって問題が無かった訳ではない、なんなら問題しかないだろう。故にルクレティアの態度に甘えて慢心する事はまた違う話だ。童貞故の粗はルクレティアに甘えるとして、これからは俺も精進していこう。


 というか、これもしかしなくても【性豪】のせいなのか?


 もしそうだとするのなら、これらは早急に何とか制御する方法を探す必要があるな。見境なく異性を誑かす危険性を孕んだ【艶福家】、そしてどうにも事が始まってしまうと見境いが無くなってしまう【性豪】。理性が保てていた所まではまだしも、そこからの酷さは形容し難い物がある。決定的な恥を作る前に改善しておきたいが……既に後の祭りとも言えてしまいそうだ。どちらにせよ難航しそうではあるな、我ながら情け無い限りだ。



 *



「よし、こんなものか」

「今日は四階を目指すのですね?」

「そうだ。そこで行き止まりって話だからな。ひとまずそこまでは問題なく進める様になっておきたい。ただお互い無理は無しだ。キツそうなら一旦引き返して、三階辺りから改めてチャレンジする」

「分かりました。安全優先で、危険は極力排斥していきましょう」

「それで頼む」


 今日でダンジョンも三度目。そろそろ深い敵にも対応出来そうな気がしてきてはいるが、そういう奴に限って特殊な動きをしたりするのだろう。


 精々油断しない様、気を張っていかないとな。特に初見での対応は一つのミスが命取りになりかねない。一つ一つを丁寧に行こう。



 ━━━━━━━━━━━━━

 冒険者ギルド : Fランク


 レベル:8

 HP:82

 MP:∞

 筋力:58(×2※天賦の才)

 敏捷:74 (×2※天賦の才)

 耐久:60 (×2※天賦の才)

 精神:∞

 魔力:∞


 属性魔法

【白魔法 : E 水魔法 : C】


 スキル

【・天賦の才・大賢者の卵・艶福家・性豪・統率者・限界突破・無限魔力・合成魔法・状態異常完全耐性・武具錬成・完全鑑定・完全解錠・超集中・異空間収納・ステータス完全隠蔽】

 ━━━━━━━━━━━━━

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