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空のように蒼く  作者: ペン
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初登校

桜が散ってしまい、まるで夏ではないかと錯覚してしまう。

少し汗ばみながら、まだシワのない制服を着て桜並木通りである通学路を歩いている1人の男子学生。

今日は4月13日。

桜中央学園の入学式。

晴れて桜学の新1年生となった俺、鷹見亮介は、これからの学園生活を夢見ながら通学路を歩いている。


「おーす。亮介。」

「よー。功太。」


後ろから走ってきたこいつの名前は大木功太。小学校からの付き合いで、よく言えば親友。悪く言えば腐れ縁だ。


「今日は入学式だってのに、桜が散ってて残念だ。」

「そうだな。満開の時にここを歩いたら、凄い景色なんだろうな。」

「来年は満開の時、一緒に歩こうぜ。ところで、部活は決めたか?高校デビューだし、帰宅部は卒業して何か部活入れよ。ちなみに俺はー」

「サッカーだろ。知ってるよ。」

「…流石、親友だな!」

「何が流石だよ。サッカーで推薦取れた!って騒いでたじゃねえか。」

「ふっふっふっ。サッカーで推薦が取れた訳じゃないさ。俺という存在を桜学が欲しがったのさ。」

「…なんだそれは…」

「親友ジョークだ。中々面白いだろ!」

「全く面白くない。功太のつまらないジョークこそ卒業した方がいいぞ。」

「相変わらず、笑いのセンスが分かってないなー。っと、急がないとまずいな。亮介、急ぐぞ。」

「ん?まだ時間に余裕はあるはずだろ?何を急ぐんだ?」

功太の言っている意味が分からず腕時計を見ながら、返事をする亮介。


「何を急ぐって…あと5分で遅刻になるぞ?」

「ん?8時までに着けばいいだろ?今は7時30分だろ?」

もう一度腕時計を確認する亮介だが、功太は自身の腕時計を亮介に見せつける。

「その腕時計、壊れてないか?今は7時55分だ。」

「そんなバカな……マジか。」

「急ぐぞ。」


結局、学園生活を夢見ながら登校する事は叶わず、俺達は汗だくになりながらも時間ギリギリで桜中央学園へと辿り着いた。

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