霊は家屋に宿るもの?(タマゲッターハウス:リプレイの怪)
このお話は『小説を読もう!』『小説家になろう』の全20ジャンルに1話ずつ投稿する短編連作です。
舞台や登場人物は別ですが、全ての話に化け猫屋敷?が登場します。
テーブルトークPRGのリプレイ風創作小説です。
架空のTRPGを想像して書いてみました。
冒険者達は、幽霊屋敷と噂される古屋敷の調査を依頼されます。
キャラクターシート抜粋
・プレイヤーAさん
キャラ名:ハイド 性別:男性 種族:人間
職業:戦士 武器:長槍 装備:硬革鎧
・プレイヤーBさん
キャラ名:モナ 性別:女性 種族:人間
職業:神官 武器:短杖 装備:神官服,マント
・プレイヤーCさん
キャラ名:ガモス 性別:男性 種族:ドワーフ
職業:戦士 武器:戦斧 装備:金属鎧
・プレイヤーEさん
キャラ名:シュリ 性別:女性 種族:ハーフエルフ
職業:魔術師 武器:短槍 装備:革鎧
・プレイヤーDさん
キャラ名:ブリマン 性別:男性 種族:人間
職業:盗賊 武器:仕込み長杖 装備:ローブ
あなた達は王都の冒険者ギルドで、調査の依頼を受けました。
郊外の森の奥に、無人のはずの古い屋敷があります。
そこでは夜な夜な物音が聞こえており、『まるで幽霊屋敷』だとの噂もでています。
今回は、その屋敷の調査です。
すでに依頼を受けているみたいですね
GMが描いた屋敷のイラストを見たけど、怪しげな感じだね。
みんな気になっていると思うんだけど、きいていい?>GM
今回、キャラクターシートに精神安定っていうのがついたけど、これって何?
精神安定って怒りっぽいかどうか、じゃないですよね。
精神安定は、予想外のイベント発生時に落ちついて行動がとれるか、という判定です。
ビックリすることや恐怖を感じる出来事で、このチェックに失敗すると他の判定にマイナス補正がかかります。
ホラーRPGのSAN値判定みたいなものかな
SAN値直葬~
ってことは、今回はホラーシナリオですか。
キャラクターがだんだん正気を失って、味方に攻撃魔法を撃ってくるとか。
考え方はSAN値にも似てますが、そこまでホラーにはなりません。
判定に失敗しても精神安定は減りません、
『プレイヤーは平気だけど、キャラクターは驚いている』と思ってください。
なんだ。判定に失敗しても正気なんだ。
プレイヤーが自主的に正気をなくすのはアリかなぁ。
やめろー>シュリ
さて、みなさんは2階建ての屋敷の前にいます。
屋敷の正面は南側を向いており、中央に扉があります。
扉の鍵はリーダーのハイドが預かっているということで。
イラストは夜っぽいけど、今は昼間だよね。
はい。昼間ですよ。
あ、そうなんだ。夜かと思ってた。
うん。昼間ならホラーな展開にはならない……よね?
この世界のアンデッドって、昼間でも行動するかも。
日光に弱いのは別だけどね。
まぁ、正面から普通に入るしかないね。鍵を持ってるんだし。
ブリマンが鍵開けスキルで、裏口とか窓から入るっていう手もあるよ?
それにどんな意味が?>シュリ
屋敷に誰かが隠れている場合は、それもありかも。
ここは正攻法でいこう。正面扉のカギをあけて入ります。
はい。判定もなく普通に開きます。
入口を入ったところは広い空間の大広間になっており、中央に2階へ上がる階段があります。
階段の左右には広間の奥に行く廊下があります。
大広間の左右の壁には扉があります。
中は暗くはないの?
灯かりはついていませんが、ガラス窓から光が入っているので明るいですよ。
窓にはカーテンはありません。
ふむ右手の壁にふれながら順番に進んていくのがセオリーかな。
ダンジョンじゃないんだから、どこから行っても同じだと思うぞ>ガモス
さて、お宝はあるかな~♪
あっても盗るなよ。ギルドの依頼で調査に来ているだけなんだから>シュリ
おおっ。盗賊が真面目な意見を。
ブリマンが盗賊でシュリが魔術師って……。なんかイメージが逆だよね。
僕はもともと魔術師でプレイするつもりだったの。Dさんがハーフエルフの魔術師をやりたいから代わってくれって。
いいのいいの。あたしも知力が高かったし、ブリマンの方が器用さが上でしょ。
まぁ、こういうギャップもいいんじゃないかな。
今は屋敷に入ってて、大広間の南端にいるってことでいいですか>GM
そうです。みなさんの南側には今入ってきた入口の扉。
東壁の右端と、西壁の左端に扉があります。
北側には階段があります。
それじゃあ、東側の扉をあけてみます。
東壁の右端の扉をあけました。
この部屋は南側と東側はガラス窓があり、明るい陽射しが差し込んでいます。
部屋の中央に木の大きなテーブルがあります。
それを囲むように、木の椅子が等間隔で8脚、きれいに置かれていました。
食堂かな。食器や家具はありますか。
テーブルとイスだけです。
棚はありますが、からっぽです。
ちょうどいいや。休んでいこう。
椅子にすわります。腐ってガタついたりしてないよね。
ガモスの装備と体重だと椅子が危ないかな?
椅子は頑丈なようで、ガモスがすわっても問題ありませんでした。
みんなが部屋に入ると、西壁の左端に今入ってきた扉があります。
北壁の右端にも扉があります。
普通に考えると、北の扉は厨房だよね。
この部屋には何もないか。
物音ってどの辺から聞こえてきたとか情報がありますか?>GM
それは不明です。
たまたま通りかかった人が、ガタガタという音を耳にして怖くなって逃げました。
近隣の住民や旅人など複数の人から同じ情報が上がり、冒険者ギルドに相談がはいったのです。
ガタガタか……。屋敷のどこかが壊れてて、風が入り込んでいるのかな。
この食堂らしき部屋で、壊れているところとか空いている窓はありますか?>GM
見える範囲で壊れたものはありません。窓はすべてしまっています。
手分けして屋敷に異常がないか探す?
実際にやるなら手分けした方が効率がいいけど、セッションだと状況共有がややこしいよね。
みんなでいっしょに行動した方がいい。手癖の悪い人がいたら余計なトラブルを発生しそうだ。
手癖の悪い人なんていないよ~♪
全員で行動しよう。では、北の扉をあけます。
厨房のようです。
部屋の南西端に石のかまどがあり、煙突が上に伸びています。
北壁に調理台があり、金属製のお鍋がいくつかぶら下がっています。
東側に灯り用の小窓があり、光は入ってますが薄暗いです。
西壁の右端にも扉があります。
包丁とかおたまとかの料理器具もあるんですか?>GM
お鍋以外の器具はなさそうです。
この鍋、売れるかなぁ……。
盗るなー>シュリ
昔のゲーム機のRPGであったよね。
勇者が人の家に入ってアイテムを物色していくのって。
ゲームによっては、勇者は許可証を持っている設定のもあったぞ>ブリマン
じゃあ次へ行ってみるか。扉は階段がある大広間かな。
ここで全員、ダイス2個で知覚で振ってみてください>ALL
成功
えー……。失敗しました。
成功~♪
成功です。
失敗。知覚は低い。
成功した人は、南側の部屋でかすかにガタンという音が聞こえました。
「あっちで何か聞こえた」
南側ってさっきの食堂だよね。
かすかな音だな。屋敷の外の人には聞こえない程度の。
食堂の中を覗いてみよう。何かいますか?>GM
何もいません。
さっきその部屋に入った時と同じようです。
部屋の中央に木の大きなテーブルがあります。
それを囲むように、木の椅子が等間隔で8脚、きれいに置かれています。
「ふむ。さっきと変わっていないか」
「ちょっと待って。変わっていないって、おかしくない? ガモスが座って椅子を動かしたんだよね」
あーっ>神官モナ
あうっ>神官モナ
ここでダイス2個で精神安定+1で振ってみてください>ALL
成功です
成功しました。
+1あったから同点で成功~♪
成功です。
あぶない。ワシも同点で成功。
失敗すると、次の判定に影響するんだっけ。
全員無事のようですね。
ガモスが動かした椅子もなぜか元の場所に置かれています。
もしかすると、椅子か屋敷そのものに家具を元の位置に戻す魔法がかかっているんじゃないか?
夜中の物音もそれじゃないかと思うけど。
いや、それだと音は屋敷の外まで響かないと思う。
それに誰も屋敷に入ってなければ、家具の位置を戻す必要もないし。
ホラーRPGだと椅子が襲ってきたりするよね。
試しに家具とか椅子を攻撃してみようか。何か魔法がかかってたら反応があるかも。
試しにでもやるなよ>シュリ
それで家具が襲いかかって来て倒したとして、クエスト成功にならないんじゃ……。
向こうから攻撃してきたならともかく、こっちからやったらマズいかも。
家具の方が正当防衛になる。
椅子に対して生命力サーチをやります>GM
はい。知覚で振ってください>モナ
あ、1ゾロ。失敗しました。
椅子からは生命力はまったく感じませんでした>モナ
「この椅子そのものは異常なし、と」
今日のモナは調子悪い? さっきも知覚で失敗してたし。
ホラーシナリオで神官が不調だと何か怖いな。
すでに呪いがかかってたりして♪
めったなこと言うんじゃない。言霊って怖いんだぞ>シュリ
全部のテーブルをからイスを引いて、テーブルから離しておきます>GM
椅子は問題なく移動できました。
「よし。いったん全員、この屋敷から出るぞ」
ん? 何か考えがありそうだね。
「了解、リーダー」>ハイド
ハイドについていきます。
いっしょにでます。
全員で食堂の西の扉を抜け、大広間に戻りました。
そして、屋敷の正面玄関から外にでました。
外からガラス窓ごしに食堂を覗いてみます。
椅子は元通りの位置に戻っていました。
何かあるんだね。それとも何かがいるのか。
ここでは精神安定のチェックはないんですか?>GM
キャラクターが驚く状況ではないので、ありませんね>ブリマン
明らかにこの屋敷には普通でない何かがある。でも今のところ、危険なものかどうかはわからないな。
夜に屋敷の外まで響く音がした。それも複数回。その原因を特定しないといけないね。
こりゃ、他の部屋も調べないとだめだね。
移動した家具がいつの間にか戻る、とわかってれば、変なことが起きても対応できそうです。
じゃあ、屋敷に戻って探索を続けるか。
ちょっと待って。西側の部屋がどういう感じか、外から見ておいた方がいいかも。
なるほど。扉の西側の部屋を外から覗きます>GM
西の部屋はさっきの食堂より大きい部屋です。
部屋の中には何もありません。
西壁にガラス窓があります。
体育館?
今は何もないけど、人が住んでいるときは家具を置いていたのかも。
「よし、ではもう一度屋敷に入ってみよう」
「いえっさー」
ついていきます。
屋敷に入って、西の広い部屋に入ってみます。
広い部屋にきました。
東壁には今入った扉の他、中央に横にスライドさせる引き戸があります。
北の壁の両端に1つずつ扉があります。
南壁と西壁はガラス窓があります。
東の壁の向こうって階段がある大広間だよね。引き戸ってあったっけ?
大広間側のその位置には、引き戸はなかったですよね>GM
はい。向こう側にこのような戸はありませんでした。
ど〇で〇ドア?
いかにも怪しいね。扉をあけると異空間につながっているとか。
ブリマン。いちおう罠が無いか調べてくれ。
罠の有無をチェックします>GM
盗賊技能でダイスを振ってください>ブリマン
成功しました。
罠はありません。扉の向こうが何か光ったように見えました>ブリマン
「む。罠は無いけど、何か光ったぞ」
「お宝~?」
あけてみます。ガラッ>GM
こらー!>シュリ
引き戸を開けると、その向こうに人影が見えました。
シュリとブリマンはダイス2個で精神安定+1で振ってみてください。
「?? だれ~?」
成功ですー>GM
なんで僕まで。成功しました。
そこには大きな鏡があり、自分達の顔が映っています。
もちろん、鏡の前にいる人は全員映っています。
鏡だね。衣裳部屋か着替え部屋だったのかな。
もしかして、ここはダンスホールだったのかも。
ダンスの練習で姿勢を確認するとか、歩き方の作法で鏡を使うとか。
なるほど。ダンスホールか。
「ここはこれ以上は何もなさそうだな。次へ行ってみるか」
北壁の西側の扉を開けます>GM
小部屋になっています。
棚がありますが、中はからっぽです。
北の壁に物干しざおのような木の横棒が取り付けられています。
控室かクローゼットみたいですね。
次はダンスホールの北壁の東の扉をあけます>GM
東西に伸びる廊下があり、その西の端になります。
数歩、東にいくと両側……つまり北壁と南壁に扉があり、廊下はさらに続いています。
位置的に、南の扉は階段のある大広間だよね。
では少し先の北側の扉を開けます>GM
ハイドが扉に手をかけようとすると、扉に「トイレ」と書いているのがわかります。
えーと……ここも調べる?>ALL
調べないとダメだろうね。事件の核心がここにあるかも。
たぶん狭いだろうから、調査は男性陣に譲ろう。
まあいいや、あけます>GM
北側は小部屋です。中央に椅子ぐらいの大きさの陶器製の容器があり、フタがしまっています。
臭くはないですが、かすかにハーブのような臭いがしています。
ハーブは、たぶん消臭剤かも。
扉を閉じて次へいこう。
南側の扉を開けます>GM
南側の扉をあけました。
階段のある大広間です。
廊下の東側はどうなっていますか?>GM
東に少し先へいった北側に扉があります。
廊下の突き当りの東壁にも扉があります。
つきあたりは厨房かな。
ってことは、北の部屋は食糧庫かも。
東に少しいった北側の扉を開けます>GM
東西に少し長い部屋があり、壁には棚板がいくつもついています。
床に大きな陶器の瓶がありますが、からっぽのようです。
食糧庫のようだな。
カメって動物のカメじゃないよね?
いれもののカメです。大人の腰の高さまであります。
奥の扉はいいや。2階へ行ってみよう。
いいんじゃないかな。
完全な空き家だね。何もない。
南の扉を抜けて、階段を上ります>GM
2階へあがりました。
東西に伸びる廊下になっており、北側の壁に扉があります。
1階の大広間の上は吹き抜けになっており、階段の両側の南は手すりになっています。
さて、どっちに行くか。
この構造だと、まずは北の扉かな。
今気づいたんだけど、この屋敷の床ってホコリは積もってないですか?>GM
積もっていないです。ゴミなどもありません>ブリマン
だれも住んでなくて家具もないから、ゴミもないとか?
それも変だな。無人でも長期間掃除しなければ、ホコリはたまると思うよ。
この屋敷、定期的に掃除する人が入っているんですか>GM
いるにはいますが、今回はその屋敷を管理する人からの依頼です。
1年以上屋敷には入っていないそうです。
物音の噂をきいて怖くなったので、冒険者ギルドに調査依頼を出したわけです。
自動で家具が動くなら、自動で掃除する機能もあったりして。
でも管理人がそれを知らない、というのはおかしくない?
この世界ってブラウニーとか屋敷しもべとかっていたっけ。
ルール上は、そういう種族や精霊はいません>ガモス
この屋敷の元の持ち主ってどういう人だったんですか?>GM
外国から来ていた商人で、実家の都合でこの国をでて帰国しています。
『10年で戻らなければ売却してよい』ということになって、今の管理人が預かっています。
期限はあと1年を切っています。
なるほど、もうすぐ売りに出せる屋敷で変な噂がでてれば売れなくなるな。
まてよ。その噂って本当なのかな? ガセネタの可能性があるかもよ。
ガセネタって?>ブリマン
この屋敷を安く買おうと狙っている人がいたとして、値段を下げるために悪い噂を流すとか。
考えすぎじゃない? それでこの屋敷に住んだら変な目でみられそうだ。
椅子が動いた理由も謎だしねー。
どっちにしても、もう少し調べないとわからないかな。
調べるしかないか。では北側の扉を開けます>GM
正方形のやや広い部屋です。
北側が演台のようになっていて、一段高くなっています。
さらに、北壁にプレイヤー知識の『床の間』のようにくぼんだ箇所があり、動物らしき像が敷設されています。
……あの像が、あやしいね。
動物って何に見えます?
黒い小太りの猫に見えます。
お座りの状態で右の前足をあげています。
招き猫?
何かありそうですね。猫の像を調べてみましょうか。
その部屋に全員が入った途端。入ってきた扉が勝手にバタンと閉じました。
え?
なにーーー
閉じ込められた?
しまった。罠チェックをしてなかったな
それってダジャレ?>ブリマン
違う違う>シュリ
ここでダイス2個で精神安定で振ってみてください>ALL
成功。
成功です。
楽々成功~♪
成功です。
がーん、失敗したーーー。何かペナルティーがくるかな。
ガモス以外は成功のようですね。
さて、黒い猫の像がボヤッと光りました。
が、すーっとその目が暗くなり。明滅しています。
だんだん、明滅の間隔が長く、光は暗くなっていきます。
電池切れ?
今のうちに先制攻撃してみる?
「シュリ、あの像の魔力を調べてくれ。モナは生命力を」
「りょうかーい。リーダー」
魔力サーチします>GM
はい。知力で振ってください>シュリ
同点でギリ成功。あぶねー……。
成功しました。何かの魔力を感じますが、弱弱しいです>シュリ
「あの像、魔力があるけど消えそうだよー」
猫の像に対して生命力サーチをやります>GM
知力で振ってください>モナ
やっと成功しました。
生命力に似た疑似的な力を感じます。ただし、消えかかっているようにも感じます>モナ
像に対して、魔力付与はできますか。10点>GM
はい。可能です。この場合は判定はいらないですね>モナ
「世界の理を知る英知の神よ。わが力のひとかけらをこの者に与えたまえ」
黒い猫の像の目が光りました。
そして、片言で喋りはじめました。
「ありがとうニャ、すこししゃべれるみたいなニャ。あぶニャいから屋敷からでたほうがいいニャ」
「危ないって、屋敷がくずれるとか炎上とか?」
「そこまでじゃニャい。アタシはこの屋敷のおそうじゴーレムをまとめているリーセンっていうものニャ。ご主人さまにもらった魔石の力がなくなりそうニャ」
「少し前の夜に大きな物音が聞こえてたのは、あなたのしわざ?」
「残りの魔力で最後の大掃除をしたニャ。でも力が消えたら、ゴーレムが制御できニャい」
「他のゴーレムが屋敷の外で暴れたりするとか?」
「屋敷からは出ニャいはず。ゴーレムの魔力ももうすぐ消えるニャ。でもその前に屋敷に人がいるとあぶニャい」
もう10ポイント、魔力付与します>GM
「ありがとうニャ。もう少しだけ制御できるニャ」>モナ
これって、他の神官を呼んできて魔力を補充してもらえば解決か?
いや、それはワシらで決めるのはどうかと思う。管理人さんに決めてもらうしかないだろう>ブリマン
元の持ち主が「10年」って言ったのは、この猫の魔力の限界だったのかも。
「ごめんなさい。あたしでは少ししか回復させられない。次に屋敷を買ってもらう人は魔石の補充ができる人か、魔力を付与できる人がいいよね。管理人さんに相談しておきますよ」
「たすかるニャ。あたしはもっと働きたいニャ」
今回は戦闘なしで終わりそうだね。
シュリが盗みをしなくてよかった。
えー……。盗むものも何もなかったじゃん。
あったら盗んでたんだな。
「じゃあ、いったんギルドに戻って報告するか。あとは管理人さん次第だな」
んでは、ここで締めますね。
みなさんは王都の冒険者ギルドで顛末を報告しました。
その後、管理人さんから連絡があり、屋敷にいっしょに来てほしいと頼まれました。
『数か月後に元の持ち主が帰ってくる』との手紙があり、予備の魔石が届けられたそうです。
みなさんは管理人さんと一緒に屋敷にいきました。
黒猫の台座にある魔石を取り換えると、また猫の目が光ってしゃべりはじめました。
さらに、子猫型ゴーレムがぞろぞろと現れて、屋敷の掃除を始めました。