表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

誘惑の森

作者: 山中千

東京でチウがお姉さんの店へ行く話

   「誘惑の森」

        山中千


 ハニートラップ。

 漢である以上、引っ掛かって至極当然の必殺技。

 チウは、美人に目がなかった……。


 物語の舞台は、東京。

 チウは、歌舞伎町と池袋のガールズバーへ、蜜を探すカブトムシの如く、行った。

 一軒目のお店では、45分2000円だった。

 安い、go。

 一人目に相手してくれた女性は、よく笑う人だった。チウのジョークに爆笑して

「私面白い人タイプなんです!」

と言った。気分が良かった。

 二人目は、先程、客に怒りを買っていた女性だった。

「大変そうですね」

と同情した。そうなんですよ〜、と甘ったれた声で言うのに、チウも少し苦手だな、と感じた。

 3人目は、ちいさんだった。

 チウのタイプだった。

 年上、ショートカット、美人、そして知的だった。

 この人なら…と思い「喰らう、喰らわれる」を読んで貰った。

「お兄さんの表現力好きです」

と言って貰って嬉しかったのと、その女性は最後の一文に頭を悩ませていた。

 やはり、この方はいい言語感覚を持っておられる。そう思った。


 料金は、安いので!と調子にのって延長、来るお姉さんに酒を奢っていると会計で、1万から2万の間になった。

とほほ……。


 でも楽しかった。


 二軒目は、池袋だった。

 親友の西と別れた後だった。

 歩いていると、小柄なかわいい系の女の子と背が高くて黒が似合う女性がいた。

 チウは、後者がタイプだった。

「すみません、今から行けますか?」

「行けますよ!」

「お姉さんたち可愛すぎて、思わず声かけてしまいました」

「うわあ、嬉しい、ありがとう」


 格好いいタイプの女性が、相手をしてくれた。

 せっかくなんで、と切り出し、フリースタイル文学をしませんか、ときく。かわいい女の子には、勿論、無料だ!

 仕上がったものを見せると、写真を取って

「ママに見せるね❤️」

と言ってくれた。嬉しかった。


 このようにして、金を使い切ったチウは夜中を彷徨っていた。

 今夜野宿をするところを探していたのだ。

 すると、どれらい別嬪がいるではないか!

「こんばんは」

「こんばんは」

「お姉さん途轍もなく可愛いですね」

「え、優しい」

「ほんまこんな可愛い人もう一生拝むことはないかもしれん」

苦笑。

「お兄さん!一緒にどうです?」

「すみません、金がなくて……」

「そう……」

「こんな美女いるんやったら絶対に行きますわ」

「また来てくださいね~」



 金なんてすぐ無くなる!

金なんてすぐなくなっちゃうんだよ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ