異界者の邂逅2
男は賢助いる方へ進もうとすると氷柱使いの忍者が男を護衛する。
「決まってるだろ。特別な力を手に入れた者なら害をなす敵を力無き者を守る為に使う。主人公ならそうするもんだろ」
彼の名前は津和部 恭兵 同じ学校に通っているクラスメイトであり俺の数少ない友人の一人である。
正義感が強く小さい頃から格闘を習っていて運度神経は抜群、勉強はからっきしでテスト前になると俺を頼ってきて一夜漬けで赤点をぎりぎり回避できたりできなかったりだ。
恭兵とは自然な流れで友人となり、学校での休み時間は一緒に過ごす事が多い。
「そこにいる忍者がお前の夢から召喚した奴か?」
忍者は氷柱を俺に向けながら睨みつける。
身軽な服装でクナイを模した氷柱、鋭い目つきに口元は布で覆われている。忍者であるためか暗い紫色を貴重としている。
忍者は賢助を警戒している。
「そのとおり彼女は俺のパートナーのサツキちゃんだ。サツキ彼は敵じゃない。俺の友人だから警戒しなくていいよ。」
サツキは頷いてクナイを消した。だがサツキはジロジロと賢助からの視線を外さない。
「そっちのパートナーはあそこで戦ってる剣士か?」
ルメリアはゾンビをひたすら斬り倒していた。
賢助はそうであることを恭兵に伝えると恭兵はサツキにルメリアと共闘するように指示をしてサツキは再びクナイを作り出してルメリアのいる方へ駆けていった。風のようにゾンビの集団に突っ込みクナイで斬り刻んだり投げて脳や心臓部分に突き刺した。
ルメリアとサツキ達の活躍でゾンビの数はみるみる減少していた。その間賢助と恭兵はこの騒動を収束する方法について話し合っていた。
「数は減ってきているがまだ彼方此方にゾンビがうろついてる。何か手はないのか賢助?」
賢助は考えをめぐらせていた。
騒動の発端は俺達と同じように創造神の力によって夢の人物を召喚したものであることには違いない。だが昨日の今日でいきなり騒ぎを起こしたという事は恐らく計画性のない行動だと思う。ゾンビ使いは何処にいるかが解決するのに重要な事項だ。もし俺がゾンビを使うテロ組織のリーダーならゾンビ全体の動きを見る事ができて安全でいられるところを拠点にする。
周辺を見渡すと蒼天タワーが目についた。
あそこならこの町一帯を一望できるな。
「蒼天タワーに行こう。きっと彼処にゾンビを出現させた原因がある。」
賢助達はタワーに向けて歩みを進めた。