プロローグ
窓から暖かい日差しが差し込む。
瞼がゆっくりと開き天上を見つめる。
夢のせいか気分が悪い。
起き上がろうとすると右隣に不思議な温もりを感じた。
俺は一人暮らしで友達も部屋に招き入れた覚えもないので急に寒気が走った。
毛布に埋もれている何かはもぞもぞし始めた。
少し毛布に手を突っ込みそれに触れてみる。
それはぷにっとしていてスベスベしていた。
冷や汗は止まらず胸の鼓動は早さを増す。
「何なんだよこれ。」
恐る恐る右手で毛布を強く握り勢いよく翻した。
バサッ
「お前は…」
何かは起き上がり俺を見つめる。
窓から差し込む光がそれを照らした。
長くて綺麗なストレートの白い髪、色白で艶やかな肌、手足は細くて腹部は引き締まった少女だった。
そして
俺の視線はその胸部に釘付けとなった。
豊かに実る二つの果実が俺を魅了したのだ。
「貴様っ」
少女は俊敏な動きでベッドから起き上がるやいなや俺の腕を掴み投げ倒した。
鈍い音が部屋に響く。
少女は地に伏していて起き上がろうとする頭上に足を置き強く踏みつけた。
「いっ」
口から悲鳴がこぼれる。
少女は容赦なくグリグリと踏みつけながら言葉を発した。
「貴様貴様貴様っ私を裸にひんむいて何が望みだ!ここは何処で貴様は何者で何をしようとしているのか洗いざらい話してもらおうか?話さなければその頭蓋が踏み砕かれるぞ。」
激怒している少女は俺を睨みながら床により強く踏みつける。
「俺は何もしてない。」
慌てる俺に対して少女は声をあらげる。
「何もしてなくて私が裸を見ず知らずの貴様に晒しているとでも?」
顔に激痛が走る。
なんとか誤解を解かなくてはいけない。だがどうするべきだ、俺は彼女を誰だかは知っていても彼女は俺との面識は全くない。ならこれしかない。
俺は叫んだ。
「ケインだ。」
ケインは夢の中での自分の名前だ。
彼女はルメリア、夢の世界で俺と共にした王国最強の少女騎士。
ルメリアは足を俺の頭から離す。
「貴様がケインだと。ふざけるなっ 彼奴は貴様のようなひ弱そうな変態スケベゴミクズ野郎じゃない。」
ルメリアは俺に蹴りを加えた。
「がはっ」
やはりルメリアは俺をケインだと認識できない。
ならルメリアと俺の間でしか知り得ない事を言うしかない。
「お前は姫騎士、プネアド ルメリア皇女だろっ」
ルメリアの攻撃は止まり俺からゆっくりと距離をとる。
ルメリアは戸惑いながら問いかける。
「私が王族であるのはごく一部の人間しか知らない。本当にケインなのか?」
俺は静かに頷くとルメリアは顔を真っ赤に染めて両手で恥部を隠す。
「あまりじろじろとみるなっ…何か身につけれるものを用意してくれ」